ブロンコビリーの食品異物混入事件と顛末

 食品の異物が話題になっているので私が経験した2件について紹介する。マクドナルドが槍玉にあがっているが、異物混入そのものは昔から変わっていないらしい。最近は一度槍玉にあがるとマスコミや消費者らによって徹底的にアラ探しされ叩かれる。まことにお気の毒だ。

 

異物は貴重な宝物

 異物が見つかった場合、皆さんはどうしているだろうか。私はその場で店員に渡したり破棄したりせず、写真を撮って本部に報告する(フランチャイズ・チェーンでは大抵サイトに窓口がある)。勝手に破棄したり、写真を撮らないで店員に渡してしまうと証拠が残らない。問題がうやむやになったり再発防止や原因究明のアクションが起きない恐れがある。

 異物を見つけたら、「宝物を拾った」と思って必ず報告するようにしたい。消費者のこの行動は、店舗を経営する企業のためにも、自分がよく利用する店では自分のためにも必要なことだ。

 それと、これは組織や仕組みの問題だから、従業員に苦情をいったり叱るのは筋違いなので注意したい。

 以下はどちらも昔の話で、今さら問題にするつもりはない。我が家ではよく外食をするが、こういうことは滅多にないことを付け加えておく。

 

 ダイドードリンコのハエ混入事件

 私はダイドードリンコの缶コーヒー買って、チビチビ飲むのが好きだった。ある日のこと、口の中に異物を感じて吐き出してみたらハエ。これにはさすがに仰天した。

 写真を撮ってお客様窓口に投稿したところ、わずか15分後に電話があり、地域の営業所長がすっとんできて問題のハエを回収していった。ハエより顧客の体調を気にしていて、最初に聞いた言葉は、「お体は異常ないでしょうか」だった。

ダイドードリンコのコーヒーに実際に入っていたハエ 左は事件当時撮影した実際の写真(2012/6)。生き物は変質するので回収に来るまで冷凍保存した。

 結局ハエは開封後入ったもので、ダイドードリンコは無実だった。

 

 

  2週間後、所長が調査報告書を持って現れた。その内容は、ハエはコーヒーを開封後に混入したものであって、商品に入っていたものではないことを科学的に証明するものだった。工場のラインを総点検しハエを化学分析に出したらしい。

 しかし事件が起きた場所はハエなどいそうもない2階の事務所。すぐには承服できなかったが、それから何日か後、自分の飲みかけのコーヒーに同じ種類のハエがとまっているのを目撃して納得した。

 なんだかエラい迷惑をかけてしまったような気もするが、ダイドードリンコの対応は立派なものだった。業界のお手本といっていい。

 この事件を機に、こうるさい一消費者の高い信頼を得たのは確かだ。また、証拠物件をきちんと残しておくことの大切さを経験したのもこのときだった。

 

ブロンコビリーのビニール片混入事件

ブロンコビリーのサラダバーに実際に混入していたビニール片 左は愛知県内にあるブロンコビリーのサラダバーに実際に混入していた異物の実物写真(2013/8)。なかなか噛み切れないものがあったので吐き出してみたらこのビニール片。もし飲み込んでいたら?子供の皿に入っていたら?と思うとゾッとする。

 証拠物件を確保して早速ブロンコビリー本部に報告。その反応は・・第1報は無視だった。写真を添えて再度報告したら「野菜を包んでいたものらしい。調べるから着払いで送ってね、面倒なら捨てていいよ」という返事だった(2013/12)。その後、同じ件で質問を出したが無視だった。

 

 

 ブロンコビリーは他にも問題がある。例えばパンの味がおかしい(まるで数日机に入れておいた給食のパンのよう)。
 ブロンコビリーは食品の管理に何か問題がありそうだ。指摘しても返事がない場合もあり、改善もみられない。ダイドードリンコとは対照的。

 ブロンコビリーはよく利用していたが、この事件以来、不信感が生じて行かなくなった。

苦情ではなく誉め言葉を

 異物を見つけたとき、従業員に苦情をいうのは筋違い。食品偽装や異物混入で一番辛い思いをしているのは、従業員の方たちだ。欠点を指摘したり責任を追求するのは、あくまで会社に対して。

 従業員の方には、褒めてあげる。食べた食事が美味しかったり、良いサービスに感激したらそれを伝える。お褒めのお便りは、問題や苦情同様、企業にとって重要な情報だ。

 この場合も本人に言ってオシマイにせず、本部のサイトを通じていつどんなことで感激したか、文章で伝える。担当者の名前がわかっている場合は「名指しで」褒めてあげる。

 普段怒られることはあっても、褒められることは滅多にない。私たち消費者の「素直な評価」は大きな励みになるはず。褒めるのは私たち消費者の役目だ。

 

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