10年使ってみてわかった!~失敗しないダイニングテーブルの選び方

置いてみたら狭い、椅子が出し入れしにくい、座ってる人の後ろを通れない、膝が幕板に当たって痛い、天板の溝に汁が詰まって不衛生、補修に出したら買った値段より高い・・買い直しできないから失敗すると何年も不便を強いられる。10年使ってきた私の経験から選び方のコツをご紹介する。

 

サイズはどのくらいが適当か

 家族の人数+来客(通常2名くらい)を考慮して決める。来客のときは狭くなっても「座れる」ことが重要。

 例えば家族4人+来客2名(最大6人)を想定すると、これに対応できる最小サイズは、

150×85cm もしくは、160×85cm

 150cmは放射状に6人、160cmは長辺に3人座ることで最大6人に対応できる。「そのサイズなら置けそう」そう考えるのは早計。

テーブル長辺(椅子の後ろ)側は80cm以上、椅子を置かない側(短辺)は通路に60cm以上

スペースが必要。これらを計算に入れないと置けても使いずらい結果になる。

 150cm放射状、160cm3人掛けのどちらがいいかは、食事を運ぶ動線と、予定地周囲のスペースを調べて慎重に決める必要がある。メジャーを当ててみると、意外に広いエリアが必要なことに気づく。

 テーブルの高さは標準の70cm

とする。ほとんどのイスの高さがこれにマッチするよう作られている。高さを変えるとイスの選択が困難になる。

 

構造はここに注目!

 脚が4隅に配置されたシンプルなものがよい。

 足が隅になく内側に入るとその分座れる人数が減ってしまう。短辺に座れない「T字足」は避ける。

 テーブルの底面には通常「膜板」がある。これは強度アップや反り止めに必用なものだが、このような出っ張りは足を組むのに邪魔になる。ここはできれば金属バーを埋め込んで幕板をなくした構造がよい(後述)。

 テーブル表面はまっ平らなものがよい。溝など余計な造形があると、こぼした汁などが詰まって不衛生になる。

 テーブルの端面はストレートが基本。どうしても耳が欲しい人は「フの字」方向にする。上面に斜面ができる逆フの字はモノが落ちやすいうえ、実質的な天板面積が狭くなる。

 

ナラのダイニングテーブル RT-1+KC-26(木蔵)

 我が家のダイニングテーブル RT-1+KC-26(木蔵)。4人家族でサイズは150×85cm。4人のとき広々使え、来客時には短辺に椅子を追加して6人まで対応できる。

 テーブルや椅子の色は床に合わせるのが正解(リボスカルデット オーク色)。(詳しいオーダー情報を最後に記載しました)

 

ダイニングテーブル裏側に埋め込まれた反り止め 裏側。反り止めは金属製の埋め込み。邪魔な幕板がなくフラット。足を組んでも膝が天板に当たらない。

 

 

材質は何が良いか

 タモ、ナラ系の無垢がよい。安いテーブルでよく見るラバーウッドは安っぽく見える。

 色目は床材に合わせるのが原則。面積が広いものだけに、暗めの天板を選ぶと室内が暗い印象になる。

 チェリーのような赤系の木材はインテリアとのマッチングが難しい。ウオルナットは紫外線で色が薄くなり、次第に汚く見えることを知っておきたい。

 他にガラスや大理石があるが、室内に入れると浮いて見え、食器を置くときカチャカチャ音が出やすい。結局ビニールを敷い使うことになりテーブルの素材感を損なう。

 

表面仕上について

 テーブルの表面仕上げはいろいろある。方法によって耐久性とメンテナンスの仕方が違う。以下に比較を示す。

表1.テーブル表面仕上げの比較

仕上 メラミン ウレタン オイル仕上 との粉+オイル仕上げ
見た目 ×
耐久性 10年以上 10年前後 1~3ヶ月 6~12ヶ月
メンテナンス 張替 再塗装(5万円) 容易(セルフ可) 容易(セルフ可)

 

 基本的に見た目と耐久性は相反する。メラミンは一般家庭使用の場合半永久とみてよい。

 ウレタン塗装は摩耗して次第に薄くなり、厚みがゼロになったときが寿命。塗り替えすると費用が5万円くらいかかる。安価なラバーウッドのウレタン塗装品は値段からして使い捨て。

 最近ではウレタン塗装の代わりにさまざまなものが塗られているが、基本的にウレタンと大差ない。塗膜の寿命は塗料ではなく塗膜の厚みで決まると考えていい。

 オイル仕上げは最も素晴らしい仕上がりが期待できるが、基本的に無塗装と同じなので耐久性が問題。

 オイル仕上の際、との粉を使って下地処理すると堅牢で耐水性に優れた仕上がりになる[1]。現在これが一番のおすすめ。買う時はオイル仕上げでオーダーし、それが削れてきたら自分で施工するといい。

 

との粉+自然塗料で仕上げた天板 との粉+自然塗料で仕上げた天板。4年経っても問題ない。汚れが染み込むこともなく、拭き取りも容易。

 素材感を損なわずに耐久性を飛躍的に高めることに成功した。

 

 

椅子(チェア)の選び方

 ひじ掛けなしで重量5kg以下の商品を選ぶ。ひじ掛けがある椅子は完全に引き出さないと座れないため使い勝手が悪い。重量は5kg以下でないと出し入れが重い。

 座面はビニールレザー(PVC)貼りもしくは「木」がよい。ダイニングチェアは汚れやすいので布地はお勧めしない。どーしても布がいい人は自分で張替え可能なものを選ぶといい。張り替え代金はイスが買えてしまうほど高額なので、使い捨て。

 座面が木の場合は、平らなものより、お尻が当たる部分が窪んでいるものを選ぶとお尻が痛くなりにくい。座面が木の椅子は重いものが多いので注意。

 座面高さは机の高さからマイナス27~30cm(机の高さを70とすると40~43cm)の範囲が使いやすい。座面高さにクッションの高さが含まれる場合は座面高さをマイナス2cmとする。

 足を組むためには机の底面から座面まで20cm以上必要なので、これもチェックしておきたい。

 椅子のデザインはテーブルより全体のイメージを左右するので慎重に。シンプルなものが違和感なく長く使える。イス本体の色はテーブルに合わせる。座面もテーブルと同一系統色するのが原則。

 

座面がビニールレザー(PVC)貼りのダイニングチェア

 座面がビニールレザー(PVC)貼りのチェア。こぼしてもふき取りが容易。汚れが問題になることはまずない。ノーメンテナンスで張替えも不要。

 ひじ掛けがないため、ちょっと引き出せば座れる。

 

ダイニングチェア座面裏側の様子 チェアの裏側。ダイニングチェアのクッションが薄いのに座り心地がよい秘密は、裏に膜板がなくたわむ構造にある。

 但し上に乗って立てるほどの強度はないので注意。

 

 

 

床敷きについて(2020/8/31)

 ダイニングテーブルの周囲は汚れやすいもの。子供が小さいうちは何か敷いておきたい。模様は無地とし、色は床と同系色を選ぶ。

ダイニングラグの例

 ダイニングラグの例。サイズ175cm×220cm。220cmを椅子の出入りする方向に使うと写真のように椅子を引いても余裕でカバーする。

 ラグは使ううち、埃や髪の毛が溜まって汚くなる。パイルも潰れて3~4年くらいが寿命。

 値段とメンテのしやすさはクッションマットが優れるが、安っぽく見えるのが難点。

 

 透明のエンビマットも候補になる。厚みは1mm以上必要。角はカットしておかないとめくれやすい。マットの下に入り込んだゴミや髪の毛が目立つ欠点がある。

 

 ラグは不衛生になりやすいうえ、日焼けすると敷いてあったところの境界で床の変色が目立つ。何も敷かないという選択がある。写真はニチアスのカグスベール。滑りは良好で調子よい。掃除もしやすくなった。

ニチアスの椅子キャップ

 

カタログ通販・激安家具について

 写真がよく撮れていることからいい品に見えるが、いくつか買った経験からすると、ほとんどがボロい。我が家の場合、通販で買ったインテリア商品はほとんど廃棄処分になった。

 カタログ商品は広告宣伝費などの間接費用が沢山かかっている。お値段以下であると考えておきたい。

 

いくらくらいが妥当か

 5点セットで10万円以下の商品は安物の部類に入る。サイズや色も選べない場合がほとんど。

 ダイニングテーブルは長く使うもの。10年以上使う物の値段は問題にならない。どこかを妥協すれば長く不便が続くことになってしまう。セミオーダーしてでも納得いくものを導入したい。

 

<参考購入先>
ダイニングテーブルの一覧
ダイニングラグ 合わせて必要になるラグ。無地のシンプルなものがお勧め

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<我が家のテーブルセットのオーダー情報>
購入先:木蔵(BOKURA) 
テーブル:RT-1 サイズ:幅150×奥行85×高さ70cm、エッジ:Bストレート 足:A角足(配置:一番端)
天板:シンプル木目、塗装:オイル塗装(下地:リボスカルデットオーク色、上塗り:エシャ クラフトオイル、塗料支給)
チェア:KC-26 材質:ナラ、塗装:リボス カルデット オーク色(塗料支給)、貼地 L-2697