試乗日:2019/10/13
車種: マツダ ロードスター S Special Package、ロードスターRF RS
ボディ・内装
ロードスターは日本を代表するスポーツカー。1989年に登場、NA,NB,NCと続き、2015年に登場したNDは4代目になる。ND型には1.5Lソフトトップのと、2L電動トップのRFの2種類ある。今回の試乗はソフトトップのS Specialと、電動トップのRSを試乗した。
ギア間隔は1.5LだったNA型とほぼ同じ上に6速を追加した理想的な形。2LのRFはタイヤ外径が2.5%大きいだけなので基本的に同じ。シフトがせわしかったNB型に比べ改善されている。
NBロードスターでは革張りシートを選ぶと背中や腰が滑って安定しなかった。Special Packageのファブリックシートはツルツルした滑りやすい生地だが、シートの形状が良く出来ていてこのような問題がない。これも改善されている。
BOSEサウンドシステムの音はまずまず。走行中マスキングされやすい低音が増強されていてオープンカーに適した音質チューンが施されている。スピーカーを交換する必要はなさそう。ヘッドレストにスピーカーが内蔵されており、前後フェーダーで音量を調整できる。これはリアスピーカーと同じ扱い。
このリアスピーカーのおかげでオープン時の音漏れを軽減したニアフィールドリスニングができる。高速走行時の騒音の大きな室内で音を聞きとりやすする効果もある。
最大風量時の空調の音は少し大きいが、走行時の騒音が大きいので気にならない。
テンションリデューサーはついてないが、シートベルトの「締め上げる」感覚も改善されている。
走り
下のグラフはスポーツカーらしい走りが楽しめる基準を示したもの。グラフからすると1.5Lも2LもNAの線上にあって問題ない。両者のMTはギア比が同じだから、加速感はほとんど同じになる。
「ゴムを捩じる」感覚だったステアリングフィールが改善されている。それに6MTのシフトフィールが素晴らしい。まったく文句の付け所が無い。過去の経験上、最上のフィール。
1.5Lと2Lでは2.0Lの方が排気量に余裕がある分、速度が乗るのが早い。そのためシフトチェンジのテンポが早くなって少しせわしい。ここでシフトに引っ掛かりがあるとNBロードスターのように苦痛になるが、極上のシフトフィールがこれをカバーし苦痛を感じさせない。
1.5Lのタイヤは195/50R16、2Lのタイヤは205/45R17。1.5Lの方は問題ないが、2Lの45タイヤは若干突き上げを感じる。
ボディがブルブル震えるあの不快な「スカットルシェイク」が感じられない。ボディ剛性は決して高くはないはずだが、構造解析でなんとかしたか、何か制振材を入れたのかもしれない。
遮音が悪いので車内に入る騒音は大きめ。高速走行時は歴代ロードスター同様、煩いとが予想される。この点は遮音に優れる電動トップのRFの方が有利とみられる。
排気音は先代のように徹底チューニングされていない模様。やや大きめの排気音が室内に入ってくる。
総合
過去のモデルにあったネガが改善され、ロードスターは本当に走りを楽しめるスポーツカーになった。このクルマを買った人は誰でもスポーツカーの良さを実感できるはず。
NDロードスターのベストは1.5LのMT。ぜひこの絶品のシフトフィールを味わってほしい。2LのRFはMTの操作がせわしい。シフトがせわしい分「楽しさ」は1.5Lが上。2LのRFはATで乗るといいかもしれない。
RFは電動トップの必要有無で選ぶクルマ。確かに便利だが、日本ではオープンで快適に走れる時期が少ないことを考慮して慎重に選んでほしい。
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