試乗日:2020/1/5
車種: ダイハツ コペンGR SPORT (3BA-LA400K)
ボディ・内装
コペンには複数のボディがあるが、見た目が違うだけで中身は同じ。一番まともなのは「セロ」。これ以外はトヨタがデザインを監修したのか、アニメメカのよう。
インテリアはもう何も言う気が無くなるレベル。空調のセンター吹き出し口はダサいの一言。メーター回りはまるでカシオの腕時計。これにMOMOのステアリングを付けたGRスポーツは、B級ロボットアニメそのものだ。
ただしセロだけは、空調センター吹き出し口の形が他と違ってまとも。私が選ぶなら、セロしかありえない。
空調の騒音は内気循環がやや大きい。
幌の格納を兼ねたトランクルームは非常に広い。普段クローズにして乗るから、これで正解といえる。
ギア間隔は3-4間が少し離れている以外、問題ない。隣のS660から6速を減らした感じになっている。
走り
下のグラフはスポーツカーらしい走りが楽しめる基準を示したもの。コペンのMTは850kg。ライバルのS660の830kgより少し重いが、軽ターボでスポーツカーが成立するボトムに位置する。
ステアリングフィール、ブレーキフィール、シフトフィール、乗り心地などに問題は見られない。シートの座り心地もまずます、ハンドブレーキの引き代が大きいのが少し気になる程度。
エンジン音も普通。S660ほどではないが、給気音が微かに聞こえる。
問題はアクセルフィール。ヴィッツのようにチョイ踏みでガバっとスロットを開く不自然な制御をやっている[1]。このせいで交差点を曲がるときのアクセルオンで対向車線にはみ出しそうになる。加速度が急に立ち上がるので、同乗する人が車酔いしやすいかもしれない。
このクルマでこういうスロットル制御をやる必要はないはずだが、これもスポーティーな味付けなのだろう。
GR SPORTにはビルシュタインダンパーが標準で付く。データも何も見ず「ビルシュタイン」というだけで無条件に有り難がる人は多い。
総合
一言でいうと、子供向けのオモチャ。大人が乗るような車ではない。ガンダムロボに彼女を乗せてドライブなんて使い道は考えられない。買うならデザインの関係でセロしか選択肢がないが、不自然なアクセルフィールが購買意欲を萎えさせる(試乗してないが、ATなら違うかもしれない)。
S660と違って収納があるし、動力性能もスポーツカーになりうる素質がある。エンジンもステアリングもブレーキも問題ないのに、仕上げのところですべてを台無しにしている。何とも勿体ない商品である。
<参考購入先>
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