エアコンを運転するとカタカタ音の原因を調べる〜エアコン洗浄→ファン取り外しでわかったこと

問題のエアコンは三菱のMSZ-ZXV718S (2008年5月)。不具合を自己修理[1][2][3][4]ながら使い続けて17年になる。最近、運転するとカタカタ音がするようになった。今回は、この問題を調べる。

三菱エアコンのdcエラー

 

クリーニング

 なにかゴミが引っかかっているかもしれないので、クリーニングしてみる。このエアコンを最後にクリーニングしたのは2014年8月(11年前)[1]だった。プレフィルター(ろ過マット)を乗せていた[1]ので、クリーニング頻度が少なくて済んでいる。

 室内機を分解した様子。何回もバラしているので容易。パーツは基本的に、はめ込み構造であり、数本のネジを外すだけでバラしていける。

室内機を分解したところ

 

ドレインパンの様子。かなり汚れが溜まっている。

ドレインパンの様子1 ドレインパンの様子1

 

全体を養生してクリーニング開始。エアコン専用洗剤(水酸化ナトリウム)を畜圧式手動ポンプで吹付け後、ハンディタイプの高圧洗浄で洗い流す。養生が重要で、これがしっかりできていないと周囲に薬品が飛び散って大変なことになる。今回は専用の支持金具を使って洗浄カバーを保持した。ルーバーのモーター軸やフラップのスイッチ部分[2][3]に洗浄剤が入らないよう、粘土(エアコン配管用パテ)で養生する。

養生したところ

 

送風ファンの取り外し

クリーニングしてもカタカタ音が改善しなかったので、送風ファンを取り外してみる。写真に見えるネジ(ファンのスキマから1本、熱交換器側2本)を外し、熱交換器を持ち上げると左側の軸受が外れるので、そのまま斜めに引っ張り出す。

ファンを取り外すためのねじ 熱交換器を外すためのねじ

 

引っ張り出したファンと左側の軸受。洗浄したので完全にキレイ。右側はゴムにひび割れがある。このせいでセンターが決まらず、アンバランスが発生してカタカタ音の原因になった可能性が高い。この様子からすると寿命。

取り外したファン モーター接続部のひび割れ

 

左側の軸受はラバー製。中心のシャフトが入る部分にスリーブがある模様。見た目は問題ないが、ゴムがへたってセンターがずれている可能性がある。とりあえず、オレフィン系グリスを穴に詰めて組み直す。

ゴム軸受にグリスを入れたところ

 

とりあえず改善

 対策が終わってエアコンの電源を入れる。カタカタ音はだいぶ静かになったが、完全には直らない。エアコンはコンプレッサーがダメになったときが本当の寿命。音が気にならなければ、20年くらいは使えそうだ。

 

<参考購入先>
エアコン専用洗剤
通常はアルカリの高濃度タイプを使う。慣れるまでは飛び散っても安全な中性タイプがいいでしょう。
畜圧式手動ポンプ
洗浄剤を噴射するためのアイテム。予期せぬところに飛び散らないよう、最初は水で練習してから。
ハンディタイプの高圧洗浄
 バッテリー式のガンタイプではなく、先端が曲がってポンプが別になっているものがお勧め。タンクがないタイプは給水用と排水用でバケツが2個必要。
専用の支持金具
 これがないと上のほうが難しくなる。L字バーでも代替できるが専用品が使いやすい。
洗浄カバー 塗装用マスキングテープ エアコン配管用パテ
マスキングテープは最後、壁面に平行にゆっくり引っ張る。壁面に垂直に引っ張るとクロスが剥がれるので注意。

全部揃えるとエアコン洗浄1回分の費用がかかるが、1回でモトがとれ、次からはタダになる。エアコン洗浄は必須なので、覚えておきたいスキル。初めての作業は失敗がつきもの。いきなり本番ではなく2回位練習が必要。

<関連記事>
1.エアコンのカビを防ぐ~10年間やってみた対策と検証結果
2.エアコンのルーバーモーターが壊れた~原因は3年前のエアコン洗浄?
3.三菱エアコンが動作しない~FLエラーを簡単に直す方法
4.三菱エアコンが正常に機能しない!~dcエラーを直す方法