シリコーンカートリッジの乾燥を防ぐ~いろいろ使える不乾性パテ

 家の補修にシリコーンカートリッジを使うことがあるが、量が多い。ちょっと使っただけで、残り全部固まってしまった経験はないだろうか。これをずっと固まらずに保管できる方法を発見したのでご紹介する。

 

 1液性のシリコンは通常空気中の水分と反応して固まる仕組み。穴の開いてないキャプをしても隙間から水分が浸入して固まる。この課題を解決するため、以前からいろんな実験をしてきた。最初に思いついたのは配管用のシールテープ。しかし樹脂のため完全な密閉ができなかった。

 

不乾性パテを密封に使う

 「こいつは決め手がない」そう思って諦めかけていたところ、あるものを思いついた。それは電気工事や建築で使う不乾性パテ(ネオシールB-3)

不乾性パテで密封処理したシリコンカートリッジ 

 左はネオシールB-3で処理したもの。穴を開けていないキャップを被せて周りをパテで処理すれば完成。これはほとんど完璧に水分をシャットアウトする。

 

不乾性パテの耐久性

 不乾性パテと言ってもいろいろある。エアコン配管パテは数ヶ月で乾いてしまうが、ネオシールB-3は非常に乾きが遅い。室内で8年以上、屋外で4年以上、弾性を保持することを実験で確認済み。

 当館ではネオシールB-3を標準にしている。

 

密封以外の用途

 当館ではこのパテを、防振、防水、動物の咬害対策、プレパラート、庭木の切口保護など、いろんな用途に活用してきた(関連記事ご参考)。柔軟で水や空気を通さない、接着性があるといった性質を利用して、幅広い用途に活用できる。

不乾性パテで密封処理したスプレー缶のノズル 

 写真はスプレー缶のノズルに処理した様子。こうしておくと次に使うとき目詰せずにすぐ使える。

 

2018/6/17 シリコンカートリッジ封止検証結果

 パテで処理して3年過ぎたシリコンカートリッジをあけてみた。

不乾性パテで密封処理したシリコンカートリッジを3年後に開けてみた様子

 固まっていたのは先端から1センチ程度。キャップの中の空気と反応した分とみられる。

 それを取り除くと液状の部分が出てきた。

 普通は半年くらいで中がすっかり固まってしまうが、パテで完璧に封止できることを検証できた。

 

 

<参考購入先>
不乾性パテ(ネオシールB-3) 類似品に注意。

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