エアコン室内機のLEDが全部点滅するか、FLエラーが表示される原因は、フラップ取付の有無をチェックしているリミットスイッチの故障。今回この問題を詳しく調べてみた。
写真は三菱のエアコンMSZ-JXW407S(12年目)。エアコンを始動すると室内機のランプが全部点滅して停止してしまう。取説によるとフラップが正しくついていないとあるが、ちゃんと付いている。この問題の原因は、写真中央部分にあるリミットスイッチの故障。
リミットスイッチを分解する
下の写真は外したところ。これを交換しようとするとエアコン本体をバラしていかないとたどり着けない。今回はサービスを呼んでバラしてもらった。
ツメの位置からして外から引っ張れば取れそうだが、下手をするとツメを折る。部品番号はM21 EC1 047だが、流通しておらずエンドユーザーは手に入らない。
2ツ割りしたところ。テコが入っていて、フラップを付けるとスイッチが入る仕組み。見たところスイッチのところに外から何か入った形跡はない。最初洗浄液の侵入を疑ったが、構造的に濡れにくいところにある。
マイクロスイッチを取り出したところ。配線の隙間から粉が吹いてる。嫌な予感。
マイクロスイッチを分解。粉の正体は銅合金の水酸化物だった。
ベッタリついてる。ここまでバラすことができれば分解清掃して復活可能だが、簡単ではない。
バラさずに電線をショートして機能を殺す手がある。そう思って電線を剥いたら錆だらけ。
原因の考察
冷房による内部結露の可能性が高い。長い年月をかけて少しずつ腐食が進む。これを防ぐには冷房停止後、しばらく暖房運転するしかない。「内部クリーン」という機能がこれをやってくれるので、忘れずにONしておくことが重要。
今回部品交換して直ったが、簡易的に直すには、つぎのいずれか。
①フラップのストッパーをガシガシ摺動させる。
②リミットスイッチから伸びている線を切り、ショートさせる(スイッチが入ったことにしておく)。
①は、リミットスイッチがある方(穴の中に白いものが見える)の両側にフラップを付けて、片方のストッパーを入れ、反対側のストッパーをガシガシ出し入れすることで接点の接触を回復させる技。
マイクロスイッチの分解清掃はお勧めしない。基本バラすことを想定された作りでないので、破損してしまう可能性が高い。②でリミットスイッチを取り出すときツメを折ってしまう危険がある。怖い人は、素直にサービスを呼んだほうがよいだろう。
最近のエアコンはいろんなところにモーターやスイッチが仕込まれている。自分でエアコン洗浄する際は、養生を徹底してやらないと予期せぬトラブルが起こる[1]。特にカビ取りにアルカリ洗剤を使うときは慎重を要する。
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エアコン洗浄
養生カバー 最近カバーが市販されており洗浄作業がしやすくなりました
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