ホームシアターを作る1~進歩したサラウンドシステム

 ホームシアターを作る際、サテライトSPの配線が問題になる。我が家では新築設計の際に、1Fのリビングと、2Fの視聴室にホームシアターを作ることを想定して、サテライトSP用の先行配線とターミナルの設置をした。
 今回はこれを利用して1Fリビングにホームシアターを作ったので、ご紹介する。

 

hometh2 リビングの吹き抜けに設置したシステム。液晶テレビ(レグザZ1)+システム商品(パイオニアHTP-S333)。

 レグザZ1の画質は申し分ない。このクラスの液晶テレビがやっとブラウン管を追い越した。

 HTP-S333にはサイコロスピーカーが付属するが、中域にクセがあり、音はあまり良くない。
 

 

 パイオニアHTP-S333のサブウーファー内蔵型AVアンプ。デジタルアンプのため消費電力が低い。普段のTV音声用として、消費電力を気にせず使える。

 レグザとの電源連動も99%問題ない(ごくまれに、同期しないことがある)。

 

 ラックの裏のサテライトSP用ターミナル。裏配線は2スケアの普通の100V電源用コードとした。

 

hometh1 HTP-S333付属のサテライトSP。モノはフロントと同じもの。
 配線は天井に設置したスピーカーターミナルを利用。配線が目立たない。

 

 

 今回久々にホームシアターを作ってみて、次の点に関心した。

 ・電源の入切や入力の切替が、HDMI連動機能で同期する。
 ・サラウンドプロセッサーの処理がデジタル化され、音質的に問題ないレベルに仕上がっている。
 ・スピーカーのレベル調整が、全自動でできる。

 私は今回のシステム設置を通じて、家庭用ホームシアターがようやく実用になったと感じた。

 

 

昔のサラウンド(1970年代)

 HTP-S333のような装置が登場し、十分な音質で5.1chサラウンドが気軽に楽しめるようになったのは、最近のこと。サラウンドシステムは長い間、マシなものがなかった。

 

  写真は週間FM(1973年6.25号)に掲載された長岡鉄男氏のマトリックス・スピーカー製作記事。センター1個だけで直接音と反射音を作り出し、サラウンドを実現した意欲作。この記事があまりにもよく書けていたので、作った人も多いと思う。

 

 写真は実際に作ったマトリックス・スピーカー。

  このスピーカーの間接音は壁の反射を利用するため、鳴らす環境や作りの誤差(傾斜部の角度)によって効果が変わる。

 レンジの狭い10cmフルレンジ、鳴らしたのがしっくい壁の木造室内ということもあって、音は期待外れだった。

 

 

 

サラウンドプロセッサー(1980年代)

 このころのサラウンドプロッサーは中途半端な製品が多く、まともな音が出るものは皆無だった。
 サラウンド回路と呼ばれるものが昔から多く考案されている。私はいろんな回路をテストして、一つの方式にたどり着いた。

 使う部品はセメント抵抗1本。回路はいたってシンプル。2chソースから間接音を取り出してリアのSPから出す仕組み。抵抗値で間接音の量がきまる。私は視聴を繰り返してここを10Ωと定めた。

 
 

hometh3 製作例。スイッチはリアSPのON/OFF。
 フロント2ch再生時にはリアSPから出る音が邪魔なので、実用にはリアSPを切るためのスイッチが必要。

 

 

 この回路の効果は素晴らしかった。音質劣化がないうえ、出てくる間接音の効果がとても自然。私はこの装置を使ってスターウォーズをレーザーディスクで再生し、その音響効果を楽しんでいた。

 

 2chオーディオ兼ホームシアター(1987年頃)。
 モニターはソニー プロフィールHG、フロントSPはヤマハNS-1000M。再生はソニーβ方式ビデオデッキとレーザーディスクだった。

 

 リアSPは自作。スイッチ切り替えでサラウンドと2chステレオ再生を選択できる。

 

 ビデオデッキの上に設置したサラウンド回路。基本回路は上記と同じ。ソースに応じて2種類の抵抗を切り替える形だった。

 

 

 サラウンドプロセッサーは1980年代後半にデジタル化され、以降AVアンプに内蔵する形で様々な製品が作られた [1]。しかし設定が面倒なうえ出てくる音が不自然なこともあって、あまり普及しなかった。

 そのため私は長い間「サラウンドは抵抗1本のシンプルな回路がベスト」と考えていた。

 抵抗1本のサラウンドプロセッサーは5.1chをミックスした2chソースを使ってテストできる。今も十分、通用するかもしれない。

 

<参考購入先>
ホームシアター関連商品一覧
Pioneer HTP-S333 アマゾンからまだ買える模様。優れたサブウーファと一体になった決定版。

<関連記事>
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ホームシアター

<参考文献>
1.ヤマハフラッグシップAVアンプの系譜