イノベーター理論をターゲティングや研究開発の人事に活用する

 世の中様々なマーケティングの手法が存在するが、こ難しい数式や面倒なことをさせる手法はあまり役に立たない。結局「お客様の要求」をアレコレ詰め込んで失敗するのが良くあるパターンだ。お客様の要求を反映しすぎると誰も欲しがらない商品ができる。これはお互い相反する要素を入れ込んでしまう為だろう(このことは以前にも書きました)

 イノベーター理論による商品の普及曲線が知られている。新商品に対する消費者の反応を5つに分類したものだが、いろんな活用ができる。今回はこれについてご紹介する。

 

消費者の性格

 イノベーター理論が示す5つの分類から、消費者の性格を次のように表せる。

 

1.イノベーター(Innovators)
 自分の直観と信念で行動する。他人の意見は意に介さない。リスクをいとわず自ら進んで人柱になる。

2.アーリーアダプター(Early Adopters)
 話題の商品で一番乗りをしたい(例えばiPhoneの発売日に徹夜で並ぶ)。最初のクチコミをネットに書きたい。値段や入手性は問題にしない。

3.アーリーマジョリティ(Early Majority)
 商品についてよく研究しネットの口コミを入念にチェックしてから買う。欲しい商品が発売されてもすぐに飛びつかず値段が落ち着くのを待つ。他人の口コミや風評を鵜呑みにせず自分で判断する。

4.レイトマジョリティ(Late Majority)
 自分で物事を判断せずに周囲の行動に倣う。商品が話題になっても半信半疑で様子見し、周りが実際に買ったのを見てから買う(例えばニンテンドーDSが発売されても周りの子供友達が持つのを見るまで買わない)。悪い風評があるものには近づかない。

5.ラガード(Laggards)
 現状に満足し新しいものに感心を示さない。今のものが使えなくならない限り買い換えない。例えば、アナログ放送が終了すると知りつつも、自分のテレビで実際に映らなくなるまで買い替えない。買い換える場合も、今まで使っていた商品と同じものを求める。

 

 この理論によれば、誰でもこの中のどれかに当てはまるという。
 1と2の合計が全体の16%で、イノベーションが普及するためには16%を越える必要があるという。どうやったら16%を超えられるのか? 多くの人はそこに関心を持つが、その具体的手段はあまり見かけない。

 16%の壁を越るにはどうしたら・・私はそんな難しいことは忘れて、1~5それぞれの性質に合わせてビジネスを進めればよいと考える。例えば、ターゲティングへの活用がある。

 

 

消費者の性質をターゲティングに活用する

 先に書いた、1~5の人には次のような性質がある。

 1や2の人
  目新しさ、独創性、希少性といったところに強く反応する。値段や入手性はあまり問題にしない。

 3の人
 1や2が書いたクチコミやレビューを情報源にして購入を決める。事前に入念な調査を行って納得してから購入する。その分、細かいことを気にする。

 4の人
 自分の頭で考えずに周囲に倣う。「最近これが一番売れてますよ」「満足度No.1」といったセールストークに反応し、値段(お買い得感)が購入の決め手になる。機能性能の細かいところは気にしない。日本ではその国民性から最も人数の多い層と見られる。

 5の人
 保守的で「前と同じもの」を求める。従い同じであることが重要になる。値段はあまり気にしない。この層には高齢者が多く、昔の懐かしいデザインや復刻商品に反応する。

 

 これらを理解したうえで、ターゲットを決めると流通方法や売り方などが明確になってくる。例えば、1~3の層にはネット販売が主体になり口コミの充実が重要になる。4~5の層については家電量販店での接客販売が適している。4の層には売れ筋商品をしっかり見極め安く大量に仕入れ確実に売りさばくことがポイントになる。

 家電量販店に1~3をターゲットにした商品を並べたら散々いじり倒された挙句ネットで買われてしまうのがオチだ。これについて対策が検討されているが、この層が実店舗に足を運ぶ目的は買い物ではなく現物の観察なので、何をやっても効果は期待できない。実店舗には接客販売に適した商品だけを置くようにするのが最善の対策だろう。

 

 

研究開発に向かない人を見分ける

 以上の結果はまったく別の分析にも使える。例えば、研究開発に向かない人を見分けることだ。

 新しいものにまったく反応せず、普段から周囲に倣って行動する4の人や、保守的で変化を嫌う5の人に新しいアイデアや企画を求めても成果は期待できない。
 4や5の人たちは指示されたことを指示通りに実行するのが得意なので、そこで力を発揮させるのが適当だ。

 上記セグメントの診断は容易だ。その結果を要員配置に活用することが、新商品を創出する上で最初に必要なステップに違いない。

 

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