携帯の次のイノベーションは、使う姿がカッコいい(美しい)スマホだ!

 ウォークマンはラジカセを携帯可能にして、音楽を外に持ち出して楽しめるようにした画期的商品であり、日本が生み出したイノベーションだった。ウォークマンは単にラジカセを携帯可能にしただけでなく、「ファッション」アクセサリとして成立する要素を持っていた。つまり、それをつけて出歩くことが「カッコよかった」のである。

 

 携帯機器の進化ステップ

 携帯機器は次のステップで進化できると考える。

Step1
 便利な機能を提供する。
 例えば、時計、日付、曜日、方位、温度、気圧、脈拍などを知ることができる。

Step2
 デザイン性が高く、ファッションのアクセサリになれる。
 モバイル機器にふさわしい堅牢性、耐久性を有する。

Step3
 哲学、ポリシーを有し、ライフスタイルの表現に使える。
 単体の見た目が優れているだけでなく、使う時の動きまで考えて作られている。取り出す、使う、仕舞うといった一連の操作や発生音によって、使う人を美しく(カッコ良く)見せることができる(例:ジッポーライター)。

Step4
 高度なデザイン性を有し、工芸作品、芸術品として認識できる。
 生涯修理できる体制があり、価値を普遍的に維持できる。

 

 時計を考えてみるとわかりやすい。時計は単に時間を知るための道具(Step1)から、ファッションのアクセサリになり(Step2)、ライフスタイルを演出する道具(Step3)になり、芸術品(Step4)まで進化している。

 

 私が見るに、現在の携帯機器はStep2の入口あたりで止まっているように見える。スマホは電話機に必然性の無い機能をゴチャゴチャ追加した合理性を欠く商品であり、現行の延長で焼直しを繰返すことはできても新たな種の発生や発展は考えにくい。

 携帯電話を進化させるには「電話」と「その他全部」を一度切り離していったんStep1に戻す。その上で電話機を作り直すことが、次の進化に進む方法の一つかもしれない。

 

Step3まで進化したジッポーのライター

 ジッポーのライターは小気味良い音と操作感で感性を刺激し、取り出して使う姿をカッコよく演出できる道具の一つである。

 

 ジッポーは携帯機器にふさわしい堅牢性を備え、キズや塗料の剥げが「味わい」になるアイテムだ。

 

 スマホも同じように、モーション、質感、デザイン、音などで使う人の感性を刺激すると同時に、男性はそれを使う姿がカッコよく、女性はオシャレで美しくみえるような商品が作れるのではないか、と考えている。

 

堅牢性がなければStep2に進化できない

 携帯機器は落としたりぶつけたり、水にぬれたりするのが当たり前である。ところがスマホはデリケートで、保護カバーを付けて持ち歩かないと危ない代物になっている。

 スマホの堅牢性を損ねている構造上の問題に、デリケートなガラスがフラットに露出していることがある。これでは簡単に割れてしまう。iPhoneがそんな形で登場し、皆それをコピーするものだから横並びで同じ欠点を持つ結果になってしまったようだ。

 もし外枠が1ミリでも出っ張っていれば堅牢性についてだいぶ違った評価を得ただろう。枠が出っ張ると操作に若干の違和感を生じる。Appleがフラットデザインした気持ちはわかるが、堅牢性を犠牲にしてまでこだわる必要があったのか疑問だ。

 

 できれば、道路の水たまりに落として踏みつけても壊れない、そんな作りであってほしい。1960年代、ゾウが踏んでも壊れないと称する筆入れがあり、実際にゾウがそれを踏むCMが作られた。商品名はアーム筆入れという。

 ゾウが踏んでも壊れないスマホ[1]。そんなCMを一度見てみたい気もする。

 アーム筆入れは青と赤が市販されている。材質はポリカーネード1体モノ、垂直の静荷重に対しては相当強いはず。

 ポリカーボネードは防弾ガラスにも使われる素材。落としたりぶつけたくらいで割れることはない。一つ買えば6年間どころか、半永久的に使えるシロモノである。これは実質剛健で作られた数少ない商品の例だ。

 

 

今のスマホはいろんな機能の寄せ集め

 複数の機能をまとめることで持ち物、スペースを減らしただけの商品は多くある。スマホはまさにその一つ。

 お互い両立しない機能をまとめてしまったせいで、単独より不便になっていることもある。たとえば、電話中、耳に当てているときはメモやデータの閲覧、ネットを見るなどの作業ができない。用件は、ひとまず紙にメモする必要がある。電話をするたびに耳に触れ、クリアパネルが皮脂で汚れるのも気になる。

 

オマケになりつつある通話機能

 携帯機器は電話を核に発展してきたが、スマホになってからおかしくなってしまった。

 電話とタッチ画面を一体にした構成には以前から疑問がある。本当にそれが「ベスト」だったのだろうか。通話中は画面を見ることができない。これなら、ガラケー+ノートパソの方が便利ではないか。

「話す」機能と、「見る・メモを取る」機能は分離独立させたほうが、便利ははず。

 電話をしながら、手元の端末をフィンガータッチ入力でメモを取り、すぐにメールに転送して配信できる。これがアップルの製品としてふさわしい姿のように思える。2分割できるスマホは、この改善案の一つだ。

 

最後に

 機能は必要なものだけに絞る。堅牢性に優れていて、ケースを必要としない。利用者を心酔させ、使う喜びを感じさせる。携帯機器は、そんなアイテムであってほしいと願っている。

 スマホの多くが、これと正反対のものになっている。そろそろ原点回帰してはどうか。もう一度電話機を作り直して、イノベーションを見せて欲しい。

 

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この記事はアゴラ 言論プラットフォームに掲載されました。
まだまだイノベーションの余地がある携帯ガジェット http://agora-web.jp/archives/1571885.html