ウォーキングシューズの選び方

 身に着けるアイテムの中で、靴は最も実用性が求められるアイテムの一つだ。靴は大きく分けて、イベント用、ウォーキング用、運動用の3つのカテゴリがある。今回は、ビジネスに使えるウォーキングシューズを取り上げる。

 

ウォーキングシューズの課題

 メーカーのサイトで様々な能書きを目にする。しかし、一番重要な、いろんな被験者を使って長期間使用した結果のデータが見当たらない。解析やシミュレーションを元に商品を作れても、多くのフィッティングデーターを元にした形状の最適設計が出来ていないメーカーが多いとみられる。

 そのため消費者が靴を選ぶ際、店頭で実際に履いてみて、その場の判断で決めるしかない形になっている。

 長期的な「合う」「合わない」については、選んだ人の自己責任。「しばらく履いてみないとわからない」ことになっているが、消費者もそういう風に選ぶしかない状況を「あたりまえ」として受け入れているのが現状だ。

 

メーカーの候補

 靴には機能、デザイン、ファッションの要素があるが、この中でウォーキングシューズには機能が一番求められる。ウォーキングシューズを作るメーカーは多いが、ヨネックス、ミズノなどスポーツ競技用品を手がける国内メーカーと、アサヒ(靴専業メーカー)を候補に入れておきたい。この3社は体の動きを解析し機能的に優れた商品を提供している。

<参考>
 スニーカーではニューバランスのMW,WWシリーズに定評がある。ビジネス以外の用途で候補になる。

 

ロングラン商品の利点

 メーカーのラインナップをみると、新商品とロングラン商品(型番の数字が小さいことが多い)がある。新しい技術を取り入れて作られた新商品が必ずしも良いと限らない。ロングラン商品は多くの人に愛用され、支持されてきた商品。このような商品を候補にすることででフィッティングで失敗するリスクを減らせる。

 

いくらくらいが妥当か

 ウォーキングシューズの値段は7千円から2万円近いものまであるが、同一メーカー品の違いは素材と作りが違うだけ、基本的には大差ない。1万円前後のものを買って、3~4年を目安に買い替える(年間3千円でみる)とよさそうだ。

 

素材と耐久性

 靴の痛む場所は決まっている。アウトソール(かかと角部)、インソールの奥、スベリ(かかと)。これらの部分に十分な耐久性をもたせた商品が少ない。

 インソールは消耗品として交換できるが、アウトソールはすり減ったら終わり。ここは金具を使って補強できる[4]

 アウトソールが「ウレタン」のシューズは履く履かないに関係なく数年で寿命を迎えるので、手を出さないこと。ミドリ安全は、このことを公式に表明している[2]

 外皮の素材は布、人工皮革、本革、ゴアテックスなどがある。3~4年を目安に買い替える前提だと本革やゴアテックスは過剰品質。毎日履く靴に長期耐久性を求めるのは難しい。ウォーキングシューズは靴下やパンツと同じ、消耗品と考えておきたい。

 

デザインと色

 色は基本的にズボンか上着に合わせる。ビジネス兼用なら黒~ダークブラウン。ライトブラウンその他は明るい色のズボンと合う。ちなみにベルトの色も靴に準じる。
 先端が尖った細長い靴はデザイン(見た目)が重要となるイベント用に近い商品。イベント用とウォーキングと機能的に両立しないのでイベント用は別途、それに適した商品を選ぶ(値段ピンキリですが私たち庶民はケンフォードから選ぶといいでしょう)。

 

ダイエット目的なら

 ダイエットを目的にウォーキングするケースがある。この場合、作業用に作られた鉄芯入りの「安全靴」がおすすめ。重さが1キロ以上あるので、履いているだけでも効果がある(無駄に疲れる)。ハードな現場で酷使されることを想定された革製+ゴムソールの黒靴はビジネスに使えるうえ耐久性も抜群に高い。
(安全靴のインソールはオマケが多いので、ウォーキングに使う場合はインソールの交換または追加を検討ください)

 

静電気で悩む人にはこれ

 スニーカータイプの静電靴がお勧め。これについては別の記事に詳しくまとめた[3]

 

フィッティングのポイント

 ほとんどの人は靴を選ぶとき現物を履いて「フィッティング」する。これに関してネット検索するとたくさんの情報が出てくるが、アレコレいろんなことを頭に入れて臨むと大事なことが抜け落ちて失敗する。創造の館流、誰でも簡単にチェックできるポイントを次にご紹介したい。

 a.小指や親指の外側に圧迫感がないか
 b.かかとが靴から離れないか
 c.着地で足の裏がズレないか

 「どこそこの寸法や隙間が、このくらい」とかいう話の結果生じる問題は結局この3つに現れるので、この3つをチェックすれば寸法を測る必要はない。

 フィッティングは必ず「両足」に履いて、爪先を曲げたり、歩いてみる。そしてaに問題がある場合は1サイズアップし、bに場合がある場合は1サイズダウンすればいい。
 長時間歩き続けると足は少しむくんで膨らむので、フィッティングのとき aについて若干窮屈な場合は1サイズ大きめがよい。

 a,b,cすべて両足で満足するようなら、少し長く歩いてみて靴下がズレ下がることがないか、他に気になる点がないか確認して問題なければひとまず合格だ。

 

買い替えの注意

 新しい商品にはリスクがある。長期間の検証を経て自分の足にフィットする靴が見つかったら、次も同じメーカーの同じ商品を買うのが正しい。違うメーカにしたら「振り出し」に戻ってしまう。

 

私のフィッティング結果

 2016年10月 購入を機に、アサヒ(メディカルウォーク)、ヨネックス(MC41)、ミズノ(LD40III)について私の足でテストした結果は、次の通りだった。

ヨネックスMC41
 フィッティング良好。弾むような履き心地。3.5Eだが小指にやや圧迫感あり。サイズ小さめ。+0.5cmでちょうどよかった。

ミズノLD40III
 小指がきつい。サイズアップすると解消するが、かかとが浮いてしまってNG。

アサヒメディカルウォーク
 フィッティング良好だがソールがやや重い。値段高すぎ。

 上記の結果からヨネックスMC41を購入。
 写真の靴はアマゾンから取り寄せたもの。アマゾンは返品無料なのでサイズ候補を2つ取り寄せ合わない方を返品にする形もできる。

 

 購入後トラブルがあった。

 私が買ったMC41はインソールが不良品。切り方がいびつで左右対称になっていない。違和感を感じて取り出してみて気づいたが、気づかないでそのまま履いてしまうケースがあるかもしれない。

 この件に関して、メーカーの対応はあまり良くなかった。

 
 

 


ヨネックス MC41 レビュー

2016/11/7 

 数キロほど連続して歩いてみた感想。

(1)かかとを少し持ち上げると自然に重心が前に移動し体重が指にかかる。(正しい歩き方を促す)
(2)着地の衝撃が小さい。(足の関節に負担がかからない)
(3)着地後、足を持ち上げる時に反発があり、これが歩行の助けになっている。

 正しい歩き方は、「かかとから指先に体重がスムースに移動する」形と言われる[1]。この靴を履くと、自然にこの歩き方になる。

2017/11/4

 1年使ってみた結果、フィッティングのとき少し気になってた小指のあたりがきつくて長く履いていると痛くなる(右足だけ)。3.5Eなので問題ないはずだが、小指付近の幅がやや狭いようだ。

 アウトソールのかかとはほとんどすり減っていない。

 ただ、小指の違和感が気になること、問題発生時のメーカー対応が良くなかったことから、次は別の商品を選ぶことになりそうだ。

 

<参考購入先>
ウォーキングシューズ
安全靴 ダイエットに最適な靴です
安全靴用のインソール AD-31WPが結構万能に使えます
ケンフォード リーガルの廉価版。たまにしか履かないイベント用はこれで十分

<関連記事>
4.靴を長持ちさせる
3.いろいろな静電気の除去方法

<参考文献>
1.行動姿勢研究会 「理想的な歩き方」 (この分野はいろんなノイズ記事で溢れていますので注意しましょう)
2.ミドリ安全 発泡ポリウレタン底製品の経年劣化について