UPSと雷ガードの選び方~UPSは本当に必要か

 PCの電源がいきなり落ちると編集中のデータを失ったり、HDDを痛めることがある。そのため、家庭でも停電対策にUPSを導入することがある。

 しかしUPSを導入すると捨てるときに問題が起こる。バッテリーがどこにも捨てられないのだ。バッテリーの寿命が十分長ければ、捨てる時の手続や費用があまり問題にならない。今回、我が家のUPSが10年以上使えたので、その長持ちするUPSをご紹介したい。

 それと、PCなどの電子機器を痛めるもう一つの要因に、雷のサージがある。この対策に「雷ガード」と呼ばれる商品が市販されている。これは使い方によって効果が違う。そこで、この効果が最も大きくなる使い方についてもご紹介する。

 

UPSの問題

バッテリーの廃棄をどうするか

 UPSを買うといずれやってくるバッテリーの廃棄問題。鉛バッテリーはほとんどの自治体が回収しないので、捨て場がどこにもない。

 メーカーに引き取ってもらうしかないが、大抵は送料が自己負担。鉛バッテリーは重いので、大容量のUPSを導入すれば送料もその分高くなってしまう。

 バッテリーの処分は厄介なので、UPSを導入しないという選択肢をいま一度、検討した方がよい。

 

故障すると新品より高くつく

ups1 UPSはACタップと勘違いされることがある。家族が掃除機のコンセントをUPSからとったことで壊れてしまった。

 

 

 壊れた時、部品が焼けるようなにおいがしたので調べてみた。最初に見たのは交換式のヒューズ。これは切れていなかった。プリント版をみたが、目立つ焼け跡が見つからない。匂いの原因は何だったのか・・

 とりあえず修理を前提に見積をとってみた。以下は各所の見積もり金額。

 APCサポートセンターの見積もり 20,000円
 販売店の修理見積もり 23,000円
 購入価格(参考) 16,800円

サポートセンター曰く、修理対応はせず新品交換の対応になるという。代替品を先出しして、お客様に迷惑をかけないシステムになっているという。販売店の修理解答は、おそらく新品交換+手数料。いずれにせよ、購入価格より高いのではお話にならない。

 なんとか修理できないか・・度蓋を開けてよく観察したところ、プリント版の裏でパターンヒューズ(F4)が切れているのを見つけた。これが匂いのもとに違いない。

 原因がわかれば修理にトライできる。写真のように細い銅線を使って修復し、復旧に成功した。

ups2

 

そもそもUPSは必要なのか

 UPSは停電に対処するために導入される。ところで、停電はどういう場合起こるのか。一つは風や落雷による送電網のトラブル。他には、家のブレーカーが電力容量を超えて落ちるケースが考えられる。

 UPSの導入でよく考えないといけないことは、UPSの導入コスト(処分費含む)が、これらのトラブルによって派生する損失に見合うかだ。

 我が家はオール電化になってから、家のメインブレーカーが落ちてしまうトラブルがゼロになった。落雷や台風による停電が心配なとき、PCの作業を控えることができるなら、UPSは必要ない。

 

雷ガードとはなにか

  コンセントから雷のサージ電圧が入ってくるとPCが壊れる可能性がある。この問題に対処するための雷ガードが市販されている。

  雷ガードの中身はコンセントの両端子にバリスタ(所定の電圧がかかると短絡する素子)が入るだけのものが多い。少数だがアレスタ(所定の電圧がかかると放電して電気を逃がす素子)を内蔵した商品もある。

 

雷ガードは必要か

 近所に雷が落ちても家の中の機器が何ともないのは、電力会社が避雷器を各所に設置しているため。山小屋や別荘など近くに避雷器がないケースを除くと、落雷して即、機器が故障するケースはほとんどない。

 しかし、電力会社の避雷器は雷サージの電圧を下げるだけで、ゼロに出来ているわけではない。すぐ壊れないにせよ、気づかないうちに機器を痛めている可能性がある。

 例えばPCの電源が壊れた時、何年か前の雷サージによってダメージを受けたことが原因だったかもしれない。でもそんなことは、ほとんどの人にとって思いもよらないことだ。

 自宅の雷ガードは、このような気づかずに受けているダメージを防ぐための「お守り」として役立つものと考えられる。

 

雷ガードの効果的な使い方

 雷ガードとして売られている商品のほとんどがバリスタを使った非接地タイプ。このタイプを単独で使っても機器を保護しきれずガード自身が壊れてしまうことがある。

 雷ガードが入るとそこから離れた場所にあるコンセントにも多少の効果が期待できる。電力会社と同じように、多数を分散設置するといい。

 複数の雷ガードがあちこちのコンセントに繋がっていれば1個あたりの電流が減って壊れにくくなる。雷ガード付きのACタップがあるなら、使ってなくてもコンセントに刺しておくといい。

 アレスタを接地して使うタイプが壊れにくく保護効果も高い。このような商品は日本アンテナが作っている。

 雷ガードの商品にはランプが付いている機種がある。これはガードの機能が生きているのか、死んでいるのか知らせてくれるもの。できればこのようなランプがある機種を選びたい。

 

実例

1.UPSオムロンBX50XFS

 2003年1月に導入。2018年4月にバッテリー劣化アラームが鳴り止まなくなった。2006年5月に一度バッテリーを交換してそのままだから、なんと15年も使ってきたことになる。

 ネットを検索してもこのタイプが10年持ったという報告もあるから、あきれるほど長寿命(単に診断機能の反応が甘いのかもしれないが)。

 

 

 この機種の交換バッテリーは BP50XF(パナソニック製)。調べると廃版になっているので、バッテリーをオムロンに引き取ってもらった。送料約1000円かかったが、いままで役に立ってくれた年月を考えると十分安い。

 取り出したバッテリーを観察して特に問題になるような外観の異常はみられなかった。

 現在の後継機はBX50F/BX35F。両者の違いは出力容量。BX50Fが300W、BX35Fが210Wでバッテリー共通。

 なお、今どきのPC電源は力率改善回路 (PFC)が普通に入っているので矩形波出力のUPSとは相性が悪い。PCと繋いで使う場合は正弦波出力のBY50S/35S選ぶのが無難だ。

 

2.雷ガード(挿すだけ)

 宅内LAN(まとめてネット)の電源に設置した雷ガード(Yazawa STB15WH)。

 挿しておくだけの簡易タイプだが本体が大きく値段も高め。もう少し安ければ沢山使えて便利なのだが。

 

 

3.アンテナの雷サージ対策

 アンテナ引込のところに取り付けた日本アンテナTGS2T。アレスタが内蔵されており、接地することで高い性能を発揮できる。

 写真のACタップはアースターミナル付き(エレコム T-ECOH3410NM)。

 

 

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