幽霊は存在するか~心霊写真の撮り方

「生まれつき霊感が強い」「幽霊を見ることが多い」という人は精神が病んでいるのか。幽霊が物理現象なら誰の目にも見えるはず、「霊感」など特殊能力のおかげではない。とはいえ、人は得体の知れないものには恐怖を抱く。そこで今回は、様々な心霊現象について考察してみる。

 

幽霊とは何か

 幽霊は自然現象を誤認した物か、過度の疲労や不安な心理状態が作り出した幻覚(脳が見せる幻)のことだろう。

 

心霊写真とは何か

 幽霊がカメラに捕らえられたのが事実なら、それは物理現象といえる。しかし、本や写真で紹介される心霊写真はすべて自然の物理現象を、カメラの仕組みを知らない素人が幽霊と勘違いしたもの。

 よくあるのが、裏蓋の光漏れ、レンズ手前に写ったストラップ(その模様から蛇のように見える)などだ。多重露光を使って意図的に作られた心霊写真も多い。

 昔は夏になるとテレビで霊写真が紹介された。明らかな捏造、もしくは光漏れなどのトラブルで生じた写真に霊媒師がもっともらしい講釈を付けている様子が何とも笑える。

 カメラのレンズ前を横切るストラップの模様を白蛇の神様だとか・・霊媒師も少しはカメラの仕組みを勉強すべきだろう。

 

多重露光で写真を撮る

 多重露光を使えばどのような心霊写真も捏造可能だ。

多重露光をするために作った撮影用の冶具 写真は多重露光をするために作った撮影用の冶具。上下2つの遮光板を交互に開いて使う。

 

夕方の空に浮かぶUFO

 こちらはUFOを撮ったつもりの写真。電灯を多重露光しただけ。これは遮光冶具を使わなくても簡単に撮れる。

 

 

 

心霊写真の例

 以下の写真は、多重露光を利用した作例。銀塩写真。

真夜中の寝室に浮かぶ後ろ向きで上半身だけの幽霊  真夜中の寝室に浮かぶ後ろ向きで上半身だけの幽霊(1988年)。子供の頃、夢うつつに見た幻を再現してみた。

 

仏壇から霊が出入りしたところを捉えた写真 こちらは仏壇から霊が出入りしたところを捉えた(つもりの)写真。

 仏壇を撮って、電球をスローシャッターで撮って重ねたもの。

 

 

世間の不思議現象について

監視カメラに写った物は心霊現象か

 これも写真と同じ。自然の物理現象を、素人が幽霊と勘違いしたものがほとんどのようだ。監視カメラはレンズやCCDの画質があまり良くないため、光の加減で起こる様々なものが霊と誤認される。

 

オカルト映画の撮影中スタッフが奇妙な体験をするのはなぜか

 幽霊の映画を作ると、その制作スタッフの多くが不安定な精神状態になる。そんな状態で仕事を続ければ事故が起こりやすく、何でもないノイズ映像や音声が霊と誤認されやすくなるのは、無理のないこと。

 

絵に書いた目が動くのはなぜか

 古くは渡邊金三郎が書いた生首の目が生放送中に開いた(ように見えた)話が有名(1976年)。最近では座敷わらしの瞬きが話題になっている。これらはいずれも光の反射や陰が原因と見られている。

 

人形の髪の毛が伸びるのは霊のしわざ?

 人の髪の毛は切った後も残っている栄養で若干伸びる。これを知らない人が「人形に霊魂が乗り移った」と勘違いしたものだろう。

 

幽体離脱・金縛りとは何か

 寝ている自分の姿を見たという体験は「夢を見た」のだろう。

 離脱したときの周囲の状況を覚えているという事例があるが、人間は寝ていても耳は聞こえる為、耳からの情報だけで周囲の状況をある程度類推できる。寝ている間耳から聞こえてきた情報が、夢の中で具現化されることは、普通にあること。

 金縛りは体が寝ているのに意識だけ覚めてしまったときに起きる現象で心霊などとは関係が無い。

 

あの世は存在するか

 人間瀕死の状態になるとお花畑や川のような物が見えることは日本に限らず万国共通に報告されている。これは脳の一部を刺激することで似たような夢をみることが知られており、死の苦痛を和らげるために仕組まれた脳のプログラムといわれている。

 そもそも「来世」「死後の世界」といったものは、人の命が有限であることを知った人類が、死の不安から大衆の目をそらすために作られた宗教的な概念だと言う。

 中には前世の記憶が有るという人もいるが、私には「宇宙人に会って身体検査された」という話と同じに聞こえる。

 

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(本記事は2007/2/13に投稿した記事の再掲です)