加湿器にはいろんなタイプがある。あまり知られてない、実際使ってみてわかったメリット・デメリットや運用のコツを紹介したい。
方式別のメリットとデメリット
ポイントだけ簡単に説明。★はお勧め度。
気化式
水を湿らせたフィルターに風を通すことで水を蒸発させる方式。
利点
電気代がほとんどかからない。
欠点
本体が大きい。冷風が出る。フィルターがカビだらけになり胞子をまき散らす。大型のファンを回すので運転音が目立つことがある。以前このタイプを買ったことがあるが、フィルターをいくら洗浄してもカビが消えなかったので破棄した。
単体では成立しにくいが、高性能のフィルターと組み合わせた加湿機能付き空気清浄機ではカビなどの問題が起こりにくい模様。
スチーム(加熱)式
水を蒸発させて加湿する。鍋でお湯を沸騰させ続けるのと同じ。
利点
気温を下げずに加湿できる。構造がシンプル。
欠点
電気代がかかる。ジュジュゴ・・といった沸騰や水を蒸発させる音がする。大きい音ではないが、気になるかもしれない。高温の蒸気が出る。蒸気を冷まして出すタイプは、せっかく蒸発させたものを水に戻す非効率な仕組みである。
超音波式★★
超音波振動子で水をミストにする。
利点
値段が安い。消費電力が小さい。ほぼ無音動作する。ミストが見えて加湿している実感がある。汚れが少なくメンテナンスが楽。
欠点
ミストが蒸発するとき熱を奪うので空気が冷える(室温マイナス3度くらいの冷風が出る)。
ハイブリッド式★
超音波式にヒーターを入れたもの。気化式にヒーターを組み合わせたものもある。
利点
温水にしてから蒸発させるので冷風が出ない。超音波式や気化式で冷風が出る欠点を改善できる。
欠点
価格が高め。消費電力が少し高い(100W前後)。温水にしなくても空気が冷えない程度に温めてくれれば十分だが、そういう商品が見当たらない。
選び方
加湿器の購入にあたっては、下記に気を付けたい。
1.消費電力
2.メンテナンス
3.タンク容量
4.給水のしやすさ
1でいくと電気のかかる加熱式が外れる。2でいくとカビの付着に悩む気化式が外れる。すると方式は必然的に超音波式になる。つまり方式は超音波式がベスト。
3のタンクの容量は大きいほど給水の頻度が減って良い。4L以上がひとつの目安。タンクは透明で外から水の残量が見えるものが良い。4は上から給水できるタイプがよい。これができないと毎回重いタンクを運んだり水が垂れる問題が起こる。
その他、アロマ、次亜塩素酸水、UV殺菌など実用性のない余計な付帯機能が付かないシンプルなものがよい。構造が簡単なものは掃除しやすく、故障も少ない。
超音波式加湿器の実例
アイリスPH-U40-MD
木目調のデザインでインテリア性が高い。タンク容量4Lとあるが、満水にするには後述するコツがある。水の残量が良く見えない。太さが23㎝ありオフシーズンの収納にスペースを取る。イルミネーション機能があるが、加湿のスイッチと連動しておらず電源を切っても付いたままになる。発生するミストの量は消費電力に比例。本機は22Wである。ほぼ無音動作する。
給水の際は、運転を止め、上のキャップを外して水栓まで持っていく。写真の出っ張りを取っ手代わりに使うと便利。キャップやタンクを外す際に水が垂れて周囲が汚れる。
タンク容量4Lだが、出っ張りのせいでななめに置くことになり、そのままだと3.5Lしか入らない。きっちり4L入れるには傾かないよう手で支える必要がある。給水のたびに水が垂れ、タンクを持ち歩くのが重い。容量が少ない分、持続時間も短い。最強にすると半日くらいしかもたない。あまり広くない室内で能力を絞って使うのに良いとみられる。
中華製KNGUVTHブランド加湿器
4.5Lの大容量タンクを備えるわりに縦長コンパクトで置き場所を選ばない。容器が透明で水の残量が遠くからみてわかる。消費電力30Wありアイリスより強力。ほぼ無音動作する。本機は電源ボタンだけのシンプル版だが、いろいろついた高機能版もある。
タンクだけ外して満水にできる。目いっぱい入れて4.5Lちゃんと入る。
水が減ってきたら運転中に上から給水可能。一度にたくさん入らないので給水頻度は多いが、電源を切らなくていいし水滴を垂らしながら重いタンクを持ち運ぶ必要がない。とても便利。
運用のコツ
超音波式は空気が冷えるので、暖房器具の近くに置くのが良い。寝るとき暖房を切って加湿だけやる場合は、弱運転とするか、ハイブリッド式を使わないと寒い思いをする。
加湿器を導入したら湿度計で運転能力を調節する。冬季では20℃で30%が一つのライン。あまり上げすぎると窓や壁の中に結露が起きて住宅の寿命を縮める恐れがある。
<参考購入先>
中華製KNGUVTHブランド加湿器 上から給水できるタイプが便利です
中華製Levoitブランド加湿器 大容量6Lタイプ
ハイブリッド式加湿器 予算が許せばこれも選択肢です