電気ポットを10年持たせる温度設定の秘訣~電気代の節約にも!

下は10年使ってきたタイガーPVS-Gのふたを分解したところ。ピストン周囲にあったシリコンの膜が破れている。ポットはてっぺんの押し板を押すとお湯が出る仕組みだが、膜が破れていると空気が漏れてしまい、いくら押してもシュコシュコいうだけでお湯が出ない。

タイガーPVS-G蓋の様子

 

メーカーの対応

 この場合、蓋を部品として取り寄せ交換するしかない。メーカーに問い合わせたところ、製造終了しており無いという。その代わり、蓋の代金で後継機の新型をくれるという。エ!?その後継機の売値を見ると、なんと半額以下で買い替えできる計算。

 神対応に見えるが、メーカーからすると部品がありませんで終わった場合、お客さんがまたタイガーを買ってくれるとは限らない。新型交換の対応をすれば、以後タイガーを好んで選ぶようになり、この記事のようにレビューを書いてもらえたりして、結果的にトクだという計算もあるのだろう。

 それにポットや炊飯器などは日常使うもの。使うたびに「このポットは蓋の代金で譲ってもらった」ことを思い出してメーカーの好感度があがる。この効果は計り知れない。

 

どこが壊れるか

これまで電気ポットをいくつか使ってきた経験からすると、大抵は次が劣化したり壊れる。

1.ふたパッキン(白くなったら寿命)
2.フッ素コート(剥がれる)
3.スイッチが反応しない(湿気で接点が錆びてしまう)
4.マグネットコードの接触不良[2]

必ず劣化するのがふたパッキン。だいたい2~3年でダメになる。接触不良は湿気が原因。ふたパッキンは交換部品が出ているが、他は調子悪くなったら買い替えるか、修理することになってしまう。

 

ポットを長持ちさせるコツ

1.温度を下げて使う

電気ポットが壊れやすいのは、温度が関係している。ゴムなどの劣化速度は10℃あがるごとに2倍になる(アレニウス則)。そこで温度を下げて使うことが一番重要なポイントになる[3]

 具体的な方法の一つに、保温選択の温度を低くすることがある。標準の90℃を80℃にしておくだけで、パッキンなどのゴム類やフッ素コートの寿命が2倍に伸びる。コップ1杯の熱湯が欲しければ電子レンジで温めればよいし、一度に沢山ほしい場合は沸騰ボタンを押せばいい。

 

2.夜間の電気を切る

 外付けタイマーを用意して夜間の電源供給を完全に切る。この技は保温性能の低いポットで有効。保温性能の確認方法は後述。これをやると保温設定などが消えてしまう欠点がある。

下の写真はポットに使っていたタイマー。ダイヤルの付いたメカ式ではなく、デジタル式を選ぶのがポイント。メカ式は壊れたり異音が出やすい。写真はデジタル式の例(CUSTOM製)。ポットを置く場所の天板は傷みやすいので、ガラス板を敷いてある。

デジタル式タイマー

 節電タイマーはポット本体にも付いているが、毎日就寝前に押すとかそういう面倒な習慣は長続きしない。

 タイガーの製品にはエコ機能が付いている機種があり、これを併用すると2時間利用が無い時の設定温度をさらに5℃下げてくれる。これを使えば、タイマーは必ずしも必要ない

※:タイガーVE電気まほう瓶PIG-J300、80℃で電源を切り、8時間経過した時の温度は62℃(外気温20℃)だった。

 

3.お湯捨てをしない

ポットを傾けて古いお湯を捨てるとき、スイッチなどの回路部分に湿気が入りやすく、マグネットコードの接点が濡れる。原則お湯捨てはせず、継ぎ足しのみで運用する。

 

 写真は壊れたポット本体。購入は2010年12月で税込1.4万円だった。中も綺麗で、スイッチの反応もよい。押し板以外に不具合はない。ポットの寿命が約5年といわれる中、10年持ったのは上記1~3の合わせ技のおかげ。10年間、自分に与えてくれた利得に感謝して「今まで良く働いてくれたね」と言って見送れる[1]

タイガーPVS-G本体

 

電気ポット(まほう瓶)の選び方

一番重要なのは「容量」。人数分のカップ麺を作ろうとしたら途中で湯切れした・・そんな悲劇が起こらない容量がいる。

機能は次のものが付いていると便利だからぜひチェックしてほしい。

1.保温選択
2.お湯計量

1はポットを長持ちさせるための必須機能。2はラーメンのスープを作る際に便利。ポットから直接規定量の熱湯を注げる。タイガーだと、PIG-J300からこれが付く。

タイガーの節電機能に「とく子さん」があった。曜日ごとに使用時間を覚えて節電する仕組みだが、使いたい時にお湯が沸いてなくてイライラすることが多いダメ機能だった。現在は名前だけ残っていて機能そのものは無くなっている。

 

保温性能は触ればわかる

 本体を触ってみて、温かい部分があったらそこから熱が逃げている。通常、蓋が一番温かい。電気まほう瓶はどこを触っても常温とほとんど変わらず、正面の水量表示計だけ少し温かい。

 熱が逃げるのは外気と温度差が原因だから、保温温度を下げれば下げるほど省エネになる。上記したように保温選択を下げるのは省エネに有利であり、タイマーで夜間電気を切ってしまえば普通のポットでも省エネ性能は大幅にアップする。

 電気まほう瓶の省エネ性能は高いが、断熱が厚い分、中の容量が少ないので同じサイズなら電気ポットの方が容量が大きいことも知っておきたい。

 

<参考購入先>
タイガーの電気ポット

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<参考文献>
タイガー魔法瓶ホームページ