写真はTOTO混合水栓TMJ40C3RV13。設置からそろそろ20年になる。水滴漏れ、振動が出るようになったので、分解してメンテナンスした。そのときの結果をご紹介する。
分解のやり方
振動なら左側の温度調節ユニット、水漏れなら右側の開閉バルブを引き抜いて分解する。水栓すぐ下にある元栓をマイナスドライバーで締めたのち、ハンドル両端中央のキャップを尖ったもので取り除くとねじが現れる。これを外してハンドルを引き抜く。
樹脂のリングを広げながら外すと写真のようなローレットを刻んだナットが現れる。
ナットは大抵はカチカチに固まっていて簡単に緩まない。ベルトレンチを使って緩める。まわす方向に注意。
ナットを外した様子。ねじの切り欠きにマイナスドライバーを入れて部品を引き出すが、これも固い場合が多い。最初に締た水栓(お湯側)を少し回すと押し出す方向の水圧がかかって抜けやすくなる。
写真は温度調節ユニットを分解する様子。まず一番下側のOリングとステンレスメッシュを抜く。すると写真中央のような穴が見える。一番下の部品を下から押し上げて回し、出っ張りをこの穴を通すことで一番下の部品が外れる。
ハンドル側の軸を回すとスリーブが抜けてくる。写真の少し錆びているのがスリーブ。このスリーブについているOリングが劣化すると、摩擦が減ってお湯を出した時に振動(自励振動)が出るようになる。
バラバラにして超音波洗浄する。Oリングが劣化していると、超音波で分解されて写真の様に黒いモヤが出る。
写真は劣化したOリング。温度調節ユニットは高価な部品だが、Oリング交換だけで治る。
Oリングのサイズを調べて交換する。型番はOリング.com が調べやすい。一番左の「Oリングの販売」からアクセスする。型番がわかったら送料が一番安い通販サイトを見つけて手配する。
材質オリジナルに合わせてニトリルゴムにする。シリコンの方が丈夫だが、摩擦が増え過ぎて使用感が固くなったり、組み立て(引き抜き)困難になる。写真は誤ってシリコンにしてしまった例。このまま押し込むと抜けなくなる。
写真は開閉バルブを分解してOリングを交換している様子。サイズのあったものと交換しても水漏れが治らない。修復は難しいので、Assyごと交換してしまった方がよさそう。
TOTOにアクセスして部品図を入手し、アマゾンなどから部品を手配する。今回はTH577(開閉バルブ)を手配した。
最後に
修理業者は部品レベルの分解などやらない。Assy丸ごと交換して1万円~2万円の請求するだろう。分解してOリングだけ交換すれば、Oリングの費用だけで済む。
摺動で使われるOリングは微妙なバランスの上に成り立っている。交換するOリングは、オリジナルと同じ材質・寸法のものでなければならない。「ちょっと違うけど、これでいいや」ではダメである。測定にノギスがいる。そいういう面倒ごとがイヤな人は、Assyをアマゾンで取り寄せて交換する。これで、確実に直る。
<参考購入先>
ベルトレンチ 水道修理に必須の工具。ぜひ買っておきたい。
Oリング.com Oリングの寸法から型番を調べるのに便利なサイト
TH577(開閉バルブ)
TH576S(温度調節ユニット)