【コロナ】決定版!完全解説!!使い捨てマスクを消毒して再利用する方法~ウレタンマスクも解説

ウレタンマスクを洗濯機の放り込んで一緒にお洗濯・・これは「やってはいけない」こと。今回は、使い捨てマスクや繰り返し使えるマスクを上手に消毒する方法をご紹介する。

 

使い回しはできないのか

 メーカーは、使い捨てマスクを水洗いすると「機能が落ちる」という。水洗いすると繊維の構造が崩れたり、水(飛沫などの液体)が多少染み込みやすくなるのは本当だが、それがどの程度なのか、数字が示されていない。

 ちなみに「機能が落ちる」のは使い捨てマスクに限った話ではない。洗えるマスクでも同様に起こるが、こっちはなぜか話題にされない。

 きちんと消毒して、繊維にダメージを与えないようやさしく洗う。そうすれば使い捨てマスクでも、実用上問題ない機能低下で使い回しできるはず。

 

どうやって消毒するか

 マスクは布なので衣類として扱える。この場合、一般の漂白剤(塩素系漂白剤、酸素系漂白剤)を消毒に使えばいい。使い捨てマスクのような「白物」は少量で強力に殺菌できるハイター(塩素系)が適している。

 花王が公開しているマスク洗いのレシピによると、最初に洗剤に浸し、次に1Lの水にハイターを15ml入れたもの(67倍希釈液)に約10分浸すとある[1]

 ちなみにノロウイルスの消毒では、塩素濃度200~500ppmの消毒液がドアノブなどの拭きに使われる[2]。この濃度の消毒液は、ハイターを250倍希釈して作れる。濃度が薄いように感じるが、これでもウイルスを死滅させることが出来るようだ。

 

洗えるマスクは洗濯すればいい?

 洗えるマスクを買った人はどうしているだろう。もしかして、他の洗濯物と一緒に洗濯機に放り込んでいないだろうか。

 この場合、雑菌がついた布が口に触れる形になる。湿気を含むと雑菌が増えていやな匂いがするかもしれない。これは室内干しした洗濯物が匂うのと同じ。マスクの機能以前に不衛生。洗えるマスクも、きちんと消毒して使うのがいい。

 

マスクの耐薬品性

 使い捨てマスクはポリプロピレン(PP)やポリエステル(PE)の不織布で出来ている。耐薬品性の資料[3]によると、ハイターに含まれる次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)にはほとんど影響しない(全く劣化しないわけではない)。

 綿などの天然繊維(コットン、麻)は白物に限りハイターが使えることになっているが、PPやPEより劣化しやすい。次第にヨレヨレになって寿命を迎えるだろう。

 ウレタン製マスクにハイターはNG。以下ご紹介するレシピ2を参考にして欲しい。

 


 

消毒のレシピ

1.使い捨てマスク、白い布製マスクの場合

 花王レシピは厚生労働省が作ったレシピが参考になっている[1]。省庁が考えた対策は効果があっても実用性に乏しいものが多い[4]。今回も洗いと消毒の工程を分けためんどくさい形になっているので、チャッチャと簡単に終わらせる方法を考えた。

 この方法は、色模様の付いたマスクやウレタン製マスクには使えない。こちらは次のレシピ2を参照。

 ①次の溶液を作る。
 水500cc
 塩素系ハイター 5cc
 液体洗剤 5cc
マスクの消毒液を作っている様子 

 ②上記の溶液にマスクを入れてそっと押し洗いし、そのまま5分浸漬する。飛沫感染に効果のあるサージカルマスクは水が染みにくい。しっかり浸透させる。
マスクを浸漬している様子

 ③2回程度水ですすぐ。

 ④自然乾燥する。洗い桶に入れたまま外に持って行って干す。水切れがいいので脱水は必要ない。夜に干せば朝までに乾く。

マスクを干している様子

 

 レシピの濃度や時間は覚えやすい数字に揃えた。花王レシピより浸漬時間が短いが、これは消毒するときに液体洗剤を使うと効率アップするため

 液体洗剤はなんでもいい。実験では台所用を使用。多少の匂いは塩素で脱臭されるが、匂いを気にする人はヤシノミ洗剤や本サイトで紹介してきたG-510など匂いの少ないものを検討してほしい。

 押し洗いのとき手が消毒液に触れる。ハイター1%なので問題ないと思うが、肌の弱い人は手袋を付けるなり、ハンドクリームを塗るなりすれば問題ない。

※:ハイターとキッチンハイター(界面活性剤入り)の漂白用途の違いを見ると、薬剤の使用量が半分である[8][9]。本レシピでは薬剤を半分にしない代わりに時間を半分にした。

 

2.色模様のついたマスク、ウレタン製マスクの場合

 レシピ1では変色・脱色してしまうため、酸素系漂白剤を使う。レシピ1に書いた①の溶液と②の浸漬時間を次のように変える。酸素系漂白剤には液体と粉の2種類ある。やりやすい方でよい。

 液体酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)を使う場合

 ぬるま湯(40℃前後) 500ccに10cc溶かして液体洗剤5cc入れ、浸漬時間を30分とする[6]

 粉の酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を使う場合

 ぬるま湯(40℃前後) 500ccに2.5g(約5cc)と液体洗剤5cc入れ、浸漬時間を30分とする[7]

マスクを酸素系漂白剤に漬けている様子

 お湯の温度はマスクを入れるときに約40℃になるよう調整する。ポットのお湯を水で2倍に薄めるとだいたいそのくらいになる。温度は30分で30℃くらいまで下がってしまう(気温20℃)。冬季はラップやまな板などで蓋をして保温するといい。

 塩素系漂白剤の消毒効果は控え目。工程もけっこう面倒なので、新しくマスクを買うときはレシピ1が使えるマスクを選ぶのがいい。

 

漂白剤の選び方

 漂白剤にはキッチンハイターやワイドハイターがあり少し値段が高い。これらには漂白の効果を高めるため界面活性剤が含まれている。

 どのみち洗剤を入れて使うので、マスクの消毒では何も機能表示が無い、ただの塩素系ハイターや、過炭酸ナトリウムで十分である。

 


 

実際に消毒した使い捨てマスクの様子

 写真は消毒処理が終わった使い捨てマスクの拡大。消毒前と変わらないように見える。

 装着しても特に違和感はない。新品のマスクは若干消毒の匂いがするが、こちらは素材の香しかない。これなら十分使える。

消毒したマスクの拡大

 

残留塩素の中和方法

 レシピ①でマスクに残った残留塩素は、干すうちに自然分解する。すすぎの不足やハイターの入れすぎなどで塩素が残ると、マスクをつけた時に多少塩素の匂いが残るかもしれない。それが問題になることはないが、気になる場合はチオ硫酸ナトリウム(通称ハイポ)の1%水溶液ですすぐだけで瞬時に中和できる。

 ハイポはほんの僅かで効果があり[5]、少々入れすぎても問題ない。もし毎回塩素の匂いが気になる場合は、すすぎ洗いの最後にハイポを入れるといい。ハイポはホームセンターのペットコーナーで、水槽のカルキ抜き剤として売られている。

 

何回繰り返し洗えるか

 マスクは薬品と水洗いの両方で劣化していく。写真は上記レシピで洗ったマスク。洗った回数がわかるようマジックで「点」を打ってある。10回くらいは問題なく使えるようだ。

繰り返し洗った使い捨てマスク

 

<参考購入先>
マスク
ハイター 塩素系の普通のものを買ってください。ワイドハイターは違います
ヤシノミ洗剤 シンプルで匂いの少ないものがお勧め
G-510 下の関連記事でご紹介する万能洗剤です

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<参考文献>
1.花王マスクの洗い方
2.食品安全委員会-ノロウイルスの消毒方法
3.プラスチック耐油性・耐溶剤性・耐薬品性一覧表
5.処理対象物1(kg)に対するチオ硫酸ソーダの必要理論量(kg)大東化学株式会社
6.花王ワイドハイターの使い方
7.花王ワイドハイター(粉末タイプ)の使い方
8.花王ハイターの使い方
9.花王キッチンハイターの使い方