接点復活剤の選び方~なぜファミコンカセットの接触は改善しなかったのか

「ドラクエやってる最中にカセットに触れて画面がフリーズ・・」
「何回か挿し直さないと画面が映らない」

 ファミコンで遊んだ人のほとんどが、これに似た経験をしたはず。このような不具合の原因は、ファミコンのカセットと本体の接触不良。当時、この問題を改善するための商品がいろいろ市販されていたが、どれもあまり効果なかったと思う。

 

 スーパーファミコンになって接触がだいぶ改善された。写真はそのカセットの端子部。黒く筋が付いた部分が接触部。この黒いものは、端子の金属が摩耗して出来た摩耗粉。

 

 

  音楽やオーディオをやっている人は、次のような経験をした人もいると思う。

「プラグやボリウムのガリが気になり、オイルをスプレーしたら調子良くなった」
「スプレーした直後は調子良かったが、次第に調子悪くなった」
「スプレーを繰り返して油でベタベタになってしまった」

 私たちが欲しいのは、こういう問題が起こらない接点復活剤。これを見つけるために注意すべきポイントを次にご紹介する。

 

選定ポイント

  1. 成分
     接点復活剤は大きく分けて、「オイル系」と「アルコール系」がある。ファミコン用に市販されていたのはアルコール系が多かった。アルコールは単なる洗浄剤。接点復活材は保護効果のあるオイル系を選ぶのが基本。
  2. 絶縁
     基本的に絶縁物でなければならない。導電性のものや、導電性の物質を含むものは使えない。
     オイルのような絶縁物を塗ると、かえって導通が悪くなると思う人がいるが、その心配はない。
  3. 防錆
     金メッキはピンホールがあるので錆びる。ここは水分や空気を遮断できるオイルが適している。より良い防錆効果を得るために界面活性剤や防錆剤の添加が不可欠。
  4. 安定性
     化学的に安定なもの(揮発、酸敗、拡散、流失など起こらないもの)がよい。接点復活材の多くは浸透性に優れる反面、広範囲に広がりベタベタになる商品が多い。シリコンオイルは拡散しやすいので注意。
  5. 腐食
     接点の周辺にはゴムやプラスチックがある。大抵のオイルはこれらの腐食する。ゴムやプラスチックに対して比較的安全なオイルに、ポリαオレフィンとフッ素オイルがある。
  6. 潤滑
     接点の摩耗を防ぐために潤滑が必要。接点の接触圧に応じた適正粘度のオイルを使う。
     高い接触圧の接点に低粘度のオイルを使うと摩耗を防げない。反対に、低い接触圧の接点に高い粘度のオイルを使うと油膜が切れず接触不良が起こる。
  7. 添加物
     界面活性剤、防錆剤、増稠剤などの配合が望ましい。導電性物質は絶縁性能を低下させるので注意したい。

 

お勧めの商品

 以上の全てを満たす接点復活用オイルの特性は、ポリαオレフィンか、フッ素オイルを基油に、界面活性剤、防錆剤、増稠剤などを適切に配合したもの、となる。ところが、そういう商品が見当たらない。
 安定性の問題に目をつむると、サンハヤトのポリコールキングが候補になる。

 

オイルは新品の時に塗るべし

 ファミコンのカセットや本体の接点をクリーナーで清掃しても改善しなかったのは、端子の摩耗が進んでしまった為。そのまま「潤滑なし」で使い続ければ、錆びや摩耗が進んでやがて寿命を迎える。

 ここで、接点復活用オイル(コンタクトオイル)を塗布したらどうなったか。摩耗した金属は元に戻らない。調子の悪い現状を、これ以上悪化させない形にキープできたはず。

 もし、新品の時に塗布していれば・・

 ファミコンのカセットはいつまでも調子良く、ボリウムのガリも起こらない。新品のコンディションをいつまでも維持できたかもしれない。

 機器の調子をいつまでも良い状態に保つため、電気接点用のコンタクトオイルは必要不可欠なものと、考える。

 

<参考購入先>
ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ
Rational003 創造の館製コンタクトオイルです(後に開発したものです)

<関連記事>
コンタクトオイル関連記事一覧