接点復活剤はどんなものがいいか

オーディオシステムの中で、もっとも不安定な要素であり、音質劣化の原因になるのが接点である。以前、SETTEN No.1が絶賛されたことがあり、接点対策による効果が確認された好例といえる。しかし、この改善効果は特定商品だけの特別なものでないことに注意しなければならない。接点復活剤の選定では、次の点がポイントになる。

  1. 絶縁
    液体の場合は、絶縁物でなければならない。導電性の液体だと、ちょっとはみ出ただけで大変なことになる。絶縁物だとかえって導通が悪くなるように思われるが、そのような問題はない。それはミクロの目で見ると金属の表面がおうとつだらけであることと、油膜が非常に薄い領域では電気が通ることによる。
  2. 防錆
    金メッキといえどもピンホールがあるので錆びる。そこで防錆が必要になるが、これにはオイルが適している。アルコールをベースにしたものもあるが、これは汚れを取るだけで、防錆効果はない。オイルを塗る前のクリーニング専用と考えるべきである。
  3. 安定性
    酸化変質したり揮発したりすることなく、長期にわたり性能を維持することが大切である。オイルの場合、合成油がこの点で優れている。鉱油や植物性、動物性油、脂肪油は適さない。
    オイルは粘度が重要である。粘度が低いと細かい部分まで良く染みるが、蒸発が速いし、余計な部分まで染みていきやすいので、粘度はある程度高い方が使いやすい。
  4. 腐食
    復活剤を塗布することによって相手を腐食、変質させるようなことがあってはならない。鉱油では塗料やゴム、プラスチックを犯してしまうことが多い。この点でいくとシリコン、ポリαオレフィン、パーフロロポリエーテルなどの合成油が優れている。
  5. 潤滑
    良好な接触状態をつくり、抜き差しによる摩耗や劣化を防ぐために潤滑が大切である。接触抵抗を下げるには、接触面の面圧を高くすることが有効だが、この場合においても、潤滑がポイントとなる。
    オイルの粘度が低いものは油膜が切れやすいので、高い面圧で接続する部分には粘度の高いものが適している。粘度が高いと油膜が厚くなり、接触抵抗が悪くなりそうだが、実際は問題にならない。
  6. 添加物
    市販の接点復活剤には、オイルをベースに様々な導電性の添加物を加えて特徴を出そうとしている。確かに、オイルに導電性のカーボン粒子を混在させれば、オイルだけより接触抵抗が減りそうである。しかし、オイルの絶縁抵抗も確実に低下するので、高いインピーダンスが必要な部分に付くとまずいことになりそうである。

以上のポイントを満たす接点復活用オイルには、ポリαオレフィン、パーフロロポリエーテルがある。パーフロロポリエーテル(パーフルオロポリエーテルともいう)はこの世で最も高性能なオイルの一つで、値段が他のオイルより1桁以上違う。そのため、とくに高い信頼性が要求される部分や、過酷な環境に耐える用途でしか使われない。
風通しの良い部分で使うという条件付きで、シリコン系も候補に入る。シリコン系オイルは温度による粘度の変化が少ない為、パワーアンプなど高温になるコンポーネントに適している。
グリースの場合もこれを基油にしたものを選べばよいが、増稠剤が問題である。グリースは接点保護に関しては抜群だが、接触圧のある場所に使わないと、増稠剤が絶縁物になってしまい、かえって接触抵抗が増してしまう。これはオイルも同様で、オイルの油膜が切れないような接触圧の低いところに塗ると、かえって接触抵抗が増大してしまうから、なんでもオイルを塗ればいいというわけにはいかない。

接点復活剤は文字通り劣化した接点の復活に有効だが、新品の接点も塗っておくことで錆や摩耗を防ぎ、接点を長持ちさせる効果がある。

接点復活剤の使い方は、通常は少量を擦り込むように塗って、良くふき取っておけばいい。はみ出したり、ふき取りが甘いとホコリが付いて汚くなる。スライド抵抗やボリウムに塗布する場合は、広い面積を均一に微量塗布しなければならないが、これが難しい。スプレー式になっているものでもシュっと一発で付けすぎてしまう。これは圧搾エアを使ってオイルミストを作るのが一番だが、一般の場合は模型の塗装に使うエアブラシを使って工夫すればなんとかなりそうである。

接点復活剤は、基本的に絶縁物であるから、どのように使っても接触抵抗を本来の実力以上にすることはできない。本来の実力を越えたい場合は、導電物質を使う必要がある。

接点と接触に関する詳しい資料はこちらが参考になる。

 

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