ボリウムのガリ復活とiPhoneのイヤホン端子を無劣化にする方法

 蓄熱暖房機(オルスバーグ)が4年過ぎたあたりから調子が悪くなってきた。この機器は2つのボリウムで蓄熱量と温度設定を変えられる仕組みだが、その設定値がチラチラ変化して安定しない。症状からするとボリウムの接点不良が原因らしい。

 

炭素皮膜抵抗器の弱点

オルスバーグの操作パネルを分解した様子 オルスバーグのコントローラをバラしてみたところ、使われているボリウムは普通の炭素皮膜式だった(写真)。

 この手の抵抗器は次第に摩耗し「ガリ」が出る宿命にある。何も対策しないとどんどん摩耗が進んで使えなくなる。部品交換してもしばらくすれば問題が再発するため解決しない。

 

 ガリ回復のため、時々繰り返し動かすことを勧められることがある。摩耗粉がある状態で動かすと、摩耗が急速に進んで寿命を短くするのでやめた方が良い。

 

ガリの除去に有効なオイル

 ボリウムのガリ除去とコンディションの再生にオイルが有効だが、電気接点に使えるオイルは限られている。CRCを吹くと一時的に良くなるが拡散流失or蒸発して問題が再発する。広がった油で周辺がベタベタになり埃だらけになることがある。ここはRational003を使う。

 Rational003は樹脂に使える高品質オイル(半練グリース)で蒸発や拡散の問題が無い。一度塗布すればボリウムの劣化を防いでくれる。

 

作業上の注意点

 オイルを塗るとき、摩耗粉を清掃除去してから塗布する。可変抵抗器が分解できないときは、隙間から洗浄剤を吹くなどして丹念に清掃する。

 これをやっておかないと、オイルを塗布しても削れた酸化被膜が邪魔をしてガリが回復しないことがある。

 それと、接点用オイルは但し現状をキープするだけで元の状態に戻す作用はない。そのためガリなどの問題が起こる前(出来れば購入直後)にコンタクトオイルを塗布することが望ましい。

 

可変抵抗器が無い商品を選ぶのがベスト

 今回の対象がは幸い可変抵抗器が裸だったが、カバー付きのものはバラせない場合がある。機器を買うときは最初からこういう問題が起こらなもの、例えば設定変更が上下ボタン式もしくは光学エンコーダー式(1周以上くるくる回すことができるもの)になっているものを選びたい。

 


 

電気接点の劣化を防ぐ実例

USBとイヤホンプラグ

USB端子とイヤホンのミニプラグ USBやイヤホンのミニプラグも繰り返し挿抜するうちにメッキが削れて腐食し接触が悪くなる。ここにコンタクトオイルが有効。

 USBの挿抜寿命は僅か1500回[1]。Rational003の塗布で寿命は大幅に伸びいつまでも調子よく使うことができる。

 

 

メモリカードの例

SDカードとマイクロSDカードの電極 メモリカードも挿抜するたびに接点が磨耗していくもの。これも同じように接点の磨耗を防ぎ寿命を延ばせる。

 

 

オーでイオアンプの例

 AV機器のRCA端子に接点用オイルを塗布している様子 AV機器のスピーカー端子に接点用オイルを塗布している様子

 機器を買ったらすぐにRational003を塗布。これで本体の寿命まで端子を調子よく保つことができる。接触抵抗が重要なSPターミナルの塗布は必須。

防塵保護したAV機器の端子

使わない端子は埃が付かないよう防塵キャップをはめたり、養生テープを貼っておきます(湿気で粘着が劣化するビニールテープは不可)。これをやるとやらないのでは大違い。

 

 

 

<参考購入先>
Rational003 半練タイプのコンタクトオイルは現在でも唯一のオンリーワン商品です
養生用テープ一覧 養生用テープは品質の高い粘着剤が使われていて湿気などで劣化しません。長期保護に有用です

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<参考文献>
1.オムロン XM7型USBコネクタデータシート