オリンパスのカメラ事業は復活するか~TG-3が本格顕微鏡機能でスマホと差別化

 コンデジの市場は縮小の一途にある。スマホと差別化できないのを理由に撤退を考える企業が多いからだ。スマホでもそこそこの写真が撮れる現在、「ちょっと画質が良い」だけではコンデジの需要は喚起できない。2014年6月に発売されたオリンパスのTG-3は、そんなコンデジ市場において明確な差別化に成功した商品だ。

 

 TG-3に載るイメージセンサは 1/2.3型という小さなものだが、センサが小さいとレンズの焦点距離が短くなるため被写界深度が深くなる特徴がある。オリンパスのTG-3はこの特徴を徹底的に伸ばすことで新たな付加価値を獲得した商品だ。

 このカメラには顕微鏡モードがあり、かなり拡大した写真が撮れる。これだけだと「ふーん」でおしまいだが、オリンパスはこれに深度合成機能を付けた。マクロ撮影は被写界深度が浅く奥行きのある被写体の全体像が掴みにくい。深度合成というのは少しずつピントをずらした写真を合成し手前から奥までピントの合った写真を得るしくみで、これまで高価なデジタルマイクロスコープでしかみられなかった機能だ。接写で問題になる照明もリングライトがアクセサリで準備されている。これらからすると、本機の顕微鏡モードがオマケではなく、同社の技術を注いで作り込んだ「本格」機能であることが伺える。

 広角と望遠を補強するエクステンダーもアクセサリで準備されており、落として踏んづけても壊れない優れたタフネス性能とあいまって「地球上の何所にでも持って行けて、何でも撮れる」カメラになっている。

 

 16M極小センサの等倍は見るに堪えないが3Mモードで撮れば十分な画質が得られる(16Mでダメでも縮小することでアラが平均化され見かけの画質が向上する)。TGシリーズは画質が気になってずっと見送ってきたが、3M等倍でようやく鑑賞に堪えるものになった。極小センサが苦手だった高感度ノイズも連写合成(手持夜景に該当)が実用化され問題ない画質を獲得している。

 3M以上のサイズで画質を求めたり、マニュアル撮影が必要になる場合は別のカメラを用意すればよい。私もRAWで撮れるカメラを持っているが、ソニーTX5を買って以来、埃や水気に気を使う高画質カメラを外に持ち出すことはほとんどなくなった。プロならいざしらず、アマチュアにとって、本当に画質が必要な被写体は案外少ないのかもしれない。多くの人にとってTG-3が1台あればほとんどの撮影用途をカバーできるに違いない。

 

 TG-3は縮小するコンデジの市場で久々のヒット商品になる可能性がある。被写界深度に有利なコンデジの利点を伸ばすことで、高価なミラーレスや一眼を持ってきても撮れない世界を身近なものにしたユニークな商品だ。おそらくスマホとの違いを分析し、差別化するにはどうしたらよいか、徹底的に考え抜いたのだろう。その成果が実ることを願いたい。

 

<参考購入先>
オリンパス タフシリーズ

 

オリンパスのカメラ事業は復活するか~TG-3が本格顕微鏡機能でスマホと差別化」への2件のフィードバック

  1. 創造の館 管理人 投稿作成者

    ご指摘ありがとうございます。記事を修正します。

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  2. たかし

    細かいことですが、
    TG-3 のセンサーは CMOS です。
    CCD ではなく。

    返信

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