シーリングライトはリモコン式が多い。ところがリモコン式は点灯していなくても電気を消費する。修理をきっかけにそれを測ってみたところ、とんでもない値だった。
きっかけは故障
コイズミ製のシーリングライトを使ってきたが、僅か2年で壊れた。点灯直後は異常ないが、本体が暖まってくると突然消える。衝撃を与えると回復することがある。そこで故障の原因を調べてみた。
コイズミGHN436231をバラした写真。このライトは税込みで1万円程度だったが、プリント板が電源とインバータ回路に分かれている。部品点数が多く、想像以上にコストがかかっている。
よく観察してみると、案の定、写真のようなハンダ不良が3カ所ほど見られた。円周状にヒビが入っているのが分かる。このようなヒビは、熱くなったり冷えたりといった温度変動の激しい部分に発生しやすい。
この修理は簡単で、問題のハンダ部分をハンダゴテで溶かして一体化するだけ。但し、放熱やプリント板の設計が悪いと、同じ部分で何度も不良が発生する。少しハンダを追加しておくと良いかもしれない。
消費電力を測ってみる
天井から外したついでに消費電力を測定した。消費電力は、電源ラインに1オームの抵抗を挟んで両端の交流電圧を測定することで推定できる。測定結果は以下の通り。
表1.シーリングライト(コイズミ製GHN436231)の消費電力
運転 | 電流(A) | 電力(W) |
強 | 0.875 | 87.5 |
弱 | 0.635 | 63.5 |
豆球 | 0.189 | 18.9 |
待機時 | 0.175 | 17.5 |
公称 68W (ランプ 38W+30W)
本来、消費電力は有効電力で見る必要がある。電流から計算で出すと誤差を含むが、インバーターライトの力率は1に近いので、上記は概ね信用できる。ここはワットモニターがあると便利。
バカにならない待機電力
上記の表から、待機時の消費電力が多いことがわかる。17.5Wはバカにならない。これはLED電球数台が常時付けっぱなしと同じ。
このライトのコントロールはリモコンのみ。待機電力はリモコンの待ち受けに必要であり、リモコン式であるかぎり待機電力はゼロにならない。
引きひもスイッチがベスト
ひもを引っ張る機械式スイッチは電源を切ってしまうので、待機電力は原理的にゼロ。シーリングライトは引きひも引きスイッチ式を選ぶのが一つのポイントといえる。
とはいえ、引きひもスイッチ式の選択肢は少ない。リモコン式でも待機電力の小さい機種がある。それをよく調べて買えば問題ない。待機電力が不明な商品には手を出さないのが無難だ。
<参考購入先>
引きひもスイッチ付きのシーリングライト
パナソニックのシーリングライト ほとんどの商品が待機電力1W以下になっています
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