長距離移動の際、クルマの中で動画を鑑賞できると同乗者の暇つぶしになる。映像ソースは地デジの録画、自録ビデオ、ネット動画まで様々。やってみると意外に難しい。コツをご紹介する。
いったん中間形式を作る
映像ソースにはいろいろな形式がある。これを直接DVDに焼くこともできるが、後々融通が利かない。そこで、いったん中間形式に変換する。すなわち、
いま仮に、映像ソースの形式「A」、最終形式(DVDメディア)「B」とする。
Aは種類が多く、いきなりBに変換しようとしても出来ない場合がある。そこで、汎用性の高い中間形式「M」を挟んで、A→M→Bとする。
Mとは、DVD Video互換のmpeg2。カーナビは未だDVDが主流であり、中間形式をこれに統一する。こうしておくと、旅行の度にファイルを選んでDVDディスクを焼くだけにできて、ディスク作成が楽になる。
作業の流れ
具体的な流れは次のようになる。
1.動画ファイル(任意形式) → mpeg2(DVD Video互換)
2.VR形式(DVD-RAM) → mpeg2(DVD Video互換)
3.メディア(DVD,BD) → リッピング(ディスクイメージ) → mpeg2(DVD Video互換)
DVD Video互換のmpeg2が出来たら、好きなタイトルをまとめてDVDに焼く(オーサリングという)。
mpeg2に変換したり、オーサリングするソフトにはフリーソフトがあるが、TMPGEnc Video Mastering Works (mpeg2変換)、TMPGEnc Authoring Works(オーサリングソフト)を使うことを検討してほしい。
変換の際、下記に注意する。
・容量が最終メディアの90%程度に収まるよう意識しながらビットレートを出来る限りもとのソースに合わせる。
・アスペクト比を元のソースに合わせる。
音声のビットレートはMediaInfo[1]などのソフトを使わないとわからないが、面倒くさければドルビーデジタル 192kbpsで統一するとよい。
リッピングはDVDfabというソフトが最も安定して使える。
テレビで録画したものを持ち出す場合
テレビや家電レコーダのHDDに録画した地デジ動画はガチガチにガードがかかっていてHDDの外に出すのは容易でない(レグザではアナログダビング出力にもコピーガードがかかっている)。
一応、DTCP-IP Disc Recorder[2]というソフトを使うことでDVDまたはBDメディアにダビングできるようだ。
オーサリングは先にご紹介した、TMPGEnc Authoring Worksを使う。
画像系フリーソフトの注意
ソフトを有料でそろえると結構お金がかる。そこでフリーソフトで済ませようとすると、苦労することが多い。当館の経験では、時間をかけて散々試行錯誤したあげく、徒労に終わることが多かった。
最後に
DVDを作るには、編集ソフトにそれなりの費用がかかる。ソフトを買っても、使いこなしに知識が要る。動画変換(A→M→B)に時間がかかる。下手をすると鑑賞時間より長くなる。
なので、こういった時間・費用・手間に、メリットが見合うか、よく考えたい。
普段こういったことをしない人が大型連休を前に思い立ったところで出来るものではない。素直にレンタルで借りて再生したほうが、ずっと簡単で安いと思う。
<参考購入先>
TMPGEnc Authoring Works
TMPGEnc Video Mastering Works
どちらも長いこと愛用しているソフト。バッチ処理可能で、大量の処理を寝ている間にやってくれます。
DVDfab
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<参考文献>
1.MediaInfo
2.DTCP-IP Disc Recorder