クルマのタイヤは空気がほとんど抜けない。ところが自転車は「空気入れ」で補充しないと抜けていく。「自転車とはそういうもの」多くの人がこれを受け入れ、問題にする人をあまり見ない。乗り始めると他にいろんなトラブルが起こる。そのため「自転車屋さん」の存在が不可欠になっている。
自転車は消耗品か
自転車は「大事に乗れば長持ちする」商品ではない。自転車は、1年たつとサビが目立ち、2~3年で見るに耐えない外観になり、4~5年くらいで「買い替え」になる。
自転車に使われる部品の耐久性は低い。屋外で使うものなのに、防錆が十分でない。これが年月とともに朽ち、数年で廃車になってしまう原因の一つになっているようだ。
自転車の多くは「消耗品」。耐久性の低い設計によって買換え需要を喚起する。このことが放置自転車の問題につながっている。
新しく自転車を買うと「防犯登録」にお金を払う。この登録料は年間数十億になるというが、お金の流れが不明瞭。
ここから利益を得ている利権者から見れば、自転車ビジネスは今後ずっと「今のまま」が望ましいに違いない。一方消費者からみると、今の自転車ビジネスは果たして良いといえるだろうか。
そこでまず、空気抜けについて改善を考えてみる。
空気漏れの原因
空気漏れの原因は、ゴムの気体透過もあるが、ほとんどがバルブ(虫ゴム)の劣化である。虫ゴム式のバルブは、およそ気体の封止に向かない構造をしている。気体のシール性能はナットの”微妙な”締め加減によって左右され、内圧がシールを低下させる方向に作用する。
最初に漏れないよう調整しても、ゴムの劣化や振動によるナットの緩みにによって容易に破綻してしまう。空気漏れの対策は、この虫ゴム式バルブを交換することろから始まる。候補は「スーパーバルブ」と「スペシャルバルブ」。
サギサカのスペシャルバルブ(左)とブリヂストンのスーパーバルブ(右)。
どちらも内圧の逆止めゴムと、バルブねじ込みのシールが分離しているためナットの締め加減でシール性能が左右されない。虫ゴムの問題点を克服している。
左(サギサカ)のバルブは写真に見える金属のチューブに半透明のゴム栓が入っていて、空気を入れるとそれが押し込まれ、横の穴からタイヤに空気が入る仕組み。
右(ブリヂストン)のバルブは先端のゴムが栓になっていて、空気を入れると栓と金属リングの間に隙間が空き、そこから空気が入る仕組みだ。
右(ブリヂストン)が密閉度が高いが空気を入れにくい(強い圧が必要)。左(サギサカ)は空気を入れやすく圧力計による空気圧の管理ができる反面、不良品が多かった。
100均(キャンドゥ)にもバルブがあり、これでも十分使える(簡単バルブセット No.8361)。
これらのバルブに交換するとバルブの性能は良くなるが空気漏れは完全には止まらない。それは自転車のタイヤが空気を透過するため。
ゴムの気体透過に関しては「ウルトラシール」という商品がある。バルブ交換と併用すれば、クルマなみに空気漏れを減らせるかもしれない。
他、「走りながら空気を自動補充する」自転車がある。バケツの穴を塞がずに中身を継ぎ足すこの機構は本末転倒に見える。
防犯登録をどうするか
自転車を買うと必ず取られる「防犯登録」。有効性に疑問があるうえ、払ったお金の流れが不明瞭。とはいえ、登録シールを貼ってないとトラブルに遭うことがあるようだ。
自転車を買うと「販売証明書」を発行してくれる。登録する代わりにこの証明書をコピーしてビニールにいれ、サドルの裏に貼り付けておく。これで、自分で買ったモノであることを証明できる。
通販で買うと「販売証明書」が付いてこない場合がある。忘れずに添付するよう、連絡しておこう。
<参考購入先>
ブリヂストン スーパーバルブ
サギサカ スペシャルバルブ
ハイフロート ヘリウムを入れた風船を長持ちさせるための商品。タイヤのゴム分子間を塞ぎ空気抜け防止に効果が期待できる。
自転車用パンク予防剤 ウルトラシール
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