プレサージュに見るセイコーの品質問題

 オープンハート(テンプ機構が外から見える形)の時計が欲しくてプレサージュを買ってみた。セイコー5と並べてみると一回り大きく、重量感がある。通常時計は軽くて小さいものが求められるが、この大きさと重さは「機械式」を実感させる。

 

プレサージュのデザイン

 大きい時計を腕に付けるとバンドの付け根に隙間が空いたり、「缶」を腕にくくり付けたようなイメージになってしまうことがある。この点プレサージュは良く考えられている。


プレサージュとセイコー5の正面

 こうして比較するとセイコー5がとても軽量コンパクトにできていることに気づく。セイコー5はデザイン、性能、実用性のバランス面できわめて優秀な時計の一つに違いない。

 

 プレサージュとセイコー5の側面

 プレサージュは写真のように本体の両端が大きく湾曲しているため細い腕に付けても違和感がない。気になるのはリューズがやや大きいと感じる点くらい。

 プレサージュのバンド調整はMKSの工具セットを使って自分で出来る。ピン押出式だがCリングが入っているので無くさないよう注意がいる。ちなみにセイコー5は板バネ式。千枚通しがあれば調整できるが、板バネが固くて抜くのがやや大変である。

 

新品なのに文字盤にゴミ・・

 黒の文字盤はゴミが目立つ。ルーペで観察すると結構ゴミが付いていることがわかる。肉眼で見えなければOK,そんな品質管理をしているらしい。

 私が買ったプレサージュは白く目立つゴミがあったので、メーカーに清掃に出した。時計はクリーンルームのようなダストの少ない環境で組み立てられているわけではないようだ。

プレサージュのインデックスがズレている例

出典:アマゾンの商品説明

 私が買ったプレサージュは外周の細かい目盛とインデックスが少しズレていた。ネット上の写真もズレているので、品質らしい。実用上問題なくても、こういうズレがあると精密機械の「商品イメージ」を損ねる。

 ゴミ清掃と一緒にズレの修正をお願いしたところ、全周ぴったり合わせるのは無理との回答。結局12時のところだけぴったり合わせてもらった。品質はともかく、セイコーの対応はとても良い印象だった。

 

普段使い出来る機械式時計

 プレサージュもセイコー5も、値段からして使い捨ての消耗品の部類。その分、傷や汚れを気にせず普段使いできる。調子が悪くなったら新品を買っても良いし、自分でOHにトライするのもいいだろう。

 機械式時計は3針のシンプルなものを選ぶのがコツ[1]。OHにせよ、修理にせよ、後々負担が少なくて済むのは良いことだ。

 

<参考購入先>
MKSの時計工具セット バネ棒外し(F-20281)、ブレスレットアジャストツールセット(F-200007)など揃えておくと、ネットで時計を購入しても困りません
セイコー5
セイコーメカニカル セイコー5の上位機種。サファイアガラスとハック(秒針停止)機能が追加される
セイコープレサージュ オープンハートで一番安価な実用時計

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