年始参りに大勢の人が来るが、大抵総門(正門)から入って本殿でお参りしてオシマイになっている。そこから奥に入る人は少ない。 私の実家は豊川にあり豊川稲荷は子供の頃の遊び場だった。なので地元以外の人が知りようがない秘密をいろいろ知っている。そんな私から、知られざる観光スポットをご紹介したい。
観光案内図(ご自由にお使いください)
注:コロナのせいで閉鎖、立ち入り禁止、タッチ禁止の場所が多くあり、本記事で紹介した観光ができない状況の場合があります。
正しい観光ルート
オレンジの印が観光スポット。総門から入り本殿に向かう行列から離れて庭園に直行する。本殿は庭園から眺めるだけにして奥に入り霊狐塚に向かう。
霊狐塚に行ったらUターンして奥に散在する神様にお参りする。
神様は専門別に分かれているので、自分のニーズにあった神様にお参りする。カネが目当てなら大黒堂、家庭円満・縁結びなら万橙堂がよかろう。なんでも願いを聞く本殿より、専門家にお願いした方が期待が持てることはビジネスと同じ。
お参りが済んだらトイレの角を曲がって裏口1からいったん外に出る。時計まわりに外周を歩いて、裏口2から中に入り、正規の出口から外へ出る。トイレは少ないのでよくチェックしておきたい。
観光スポットは以下に詳しくご紹介する。
霊狐塚の入り口にある大黒堂。大国天の像は、さすると御利益があるとかいう噂のせいでつねにタッチされている。
年始の接近方法
地元の私は裏道を知ってるのでクルマで近づくのはたやすいが、外から来る人はそう簡単にいかない。年始にクルマで近づくと渋滞にハマって時間が無駄になるので、近隣の駅の駐車場に車を停めて電車で来ることをお勧めする。 観光案内図は電車で来訪するケースを前提にルートを書いた。
どーしてもクルマがいいという人は、正規駐車場の待ちの行列に並ぶのではなく、別の道を通って接近し、近隣にある個人駐車場(年始だけ自分の空いた土地を駐車場にして商売している)を探すといい。
2022年は近くのコンビニ(上の図のQRコードあたりにあるファミマ)が1000円の商品券と引き換えに駐車場を貸与していた。
観光スポット
★おきつねあげ(正月のみ)
醤油で焼いたあぶらあげを食べ歩きできるよう工夫したB級グルメ。近所には類似商品の「きつねバーガー」もあるが、私的には食材の持ち味を生かして純和風に仕上げたこちらがお勧め。「まつや」の看板が目印。
きつねバーガーは行列をつくるが、おきつねあげの方はあまり知られてないのか、さほど並ばずに買える。周りに違う行列があるのでよく見て並ぶ。これを買ったら食べながら総門に向かって歩く。
毎年仕様が違う。2018年はメニューが整理され具がネギだけの「白ぎつね」に、包みが和紙からキッチンペーパーに簡略化された。
そのせい醤油が染みて手が汚れる。上着の袖まで汚れることがあるので注意したい。
★異教徒の活動(正月のみ)
毎年総門の前で異教徒が活動している。録音をスピーカーで流していて、プラカードには神がどうとか書いてある。内容は毎年違う模様。彼らは宗教的な視点から世の中の課題を見ている。今年は何を訴えているのか観察しておこう。
★橋の上から本殿と庭園の鯉を眺める
庭園の池にかかる橋は、庭園と本殿が最も美しく見えるスポット。しばらく足を止めて堪能しよう。悠々と泳ぐ錦鯉も見どころ。
庭園の橋から撮影した本殿(1987年,ミノルタX-7 50mm F1.7)。午後から逆光になってしまうので、写真を撮るなら午前中がいい。
ベストな写真が撮れるのは季節・天候に恵まれた日のごく短い時間帯に限られる。
★霊弧塚
最深部に位置する聖域。平日、ひと気のない時にくると不気味な気配が漂う。
入口から入って右側に大きな溶岩がある。「岩の窪みに嵌ったお金をうまく取り出せるとお金持ちになれる」とする逸話があるが、賽銭泥棒のようで感心しない。
この逸話は、「岩の窪みにお賽銭を入れて願いをかけ、願いが叶ったらお礼にまた金を入れる」ことにしたい。現地に着いたら、周囲に聞える声量で、このウンチクを友人に話してもらいたい。
★謎の洋館
霊弧塚の裏手の森の奥に仏閣に似つかわしくない白塗りの洋館がある。
1970年代、夕方になるとこの付近からエレクトーンの演奏が不気味に響いて聞こえたのを憶えている(どこかの宗教団体のミサか?)。この建物、ポンプ場だったらしく古い機械が沢山ある。
ここは立ち入り禁止区域なので、遠くから見るだけにしよう。
写真は表の道路から撮影。長い間、生垣に隠され屋根の一部しか見えなかったが、近年生垣が大幅に剪定されて下の方まで見えるようになった。
★戦没牛馬記念碑
海軍工廠供養塔の裏手の森の奥にひっそりと牛馬記念碑がある。戦争で使役された牛馬を祀るもの。
★古い看板1
商店街にある壁。一面に古い看板を張り付けてある。
★古い看板2
裏通りの道沿いにある秋葉神社から2件ほど進んだところに昭和時代の古い看板が沢山貼りつけられた建物が残っている。
看板の一部。コブラとマングースの決闘がみられるとか。見せ物として決闘させられる当事者の心情はいかに。
他にもいろんな看板がある。
★異様な木造建物
裏口2から入ると豊川稲荷の裏方を支える従業員のための施設を見学できる。入ってすぐ左手に古い木造の宿舎がある。
屋根が傾いたほったて小屋のような物件が立ち並ぶ。おそらくかなり古いもの。現在も活用されている。雰囲気が異様で近寄り難い。
裏口2が開いている時間は6:30~16:30。閉まっている場合は中からアクセスできる。
<参考購入先>
お参りのノウハウ
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豊川稲荷公式HP