★特集★ 外食産業と食品の問題

 

マクドナルドは再建できるか~一瞬で見抜かれるCEOの人間性(2014/10/9)

 

 私が小学生のときの話。静岡県庁周辺の堀にデカい鯉が泳いでいるのを見つけ、それを橋の上から友達と眺めていた。

 すると横から「ふん!」「ふん!」という声が聞こえる。見ると県庁の役人らしい人がふんぞり返ってこちらにおなかを突き出している。

 自分の進路にいる私たちが邪魔だから「どけ」ということらしい。回りは空いていて避けて通れるのに。この人にとって、市民は卑しい存在なのだろう。

記者会見で見抜かれる人間性

  企業のCEOが会見するとき、消費者は話の内容はわからなくても「人間性」は一瞬で見抜く。人間性は、話し方、歩き方、表情、質問の対応などに表れる。消費者はそれを見逃さない。役人とは違い、客商売のCEOは「消費者を見下している」そう思われたらアウトである。

 しかし、企業の責任者は次のように考えるようだ。

 取引業者が不正をやらかしたら、取引先をよそに切り替えれば解決。おしまい。

 残念ながら、ここに消費者とのズレがある。一度不信感を持たれると全ての商品に疑いが向けられて避けられてしまう。企業の責任者はいろいろ手を打つが、何もやっても一向に効果が表れないのは、この意識のズレが原因の一つかもしれない。

 マクドナルドの再建は困難に見える。私も以前は家族とマックを利用したが、ナゲットの問題以降、 一度も行っていない。マクドナルドの看板をみただけで「あの」映像を思い出して気分が悪くなる。メニューやサービスの内容以前に店に入る気になれないのだ。

 

CEOは裸の王様

 組織の中で上にあげられる情報は、報告する人にとって都合の悪いことがカットされている。そのためCEOは裸の王様になりやすい。

 いっぺんCEO自ら消費者に直接意見を聞いてみたらどうか。自社のハンバーガーを食べながらの食事会がいい。オバチャン同士気さくに会話ができて、それが話題になれば状況は一挙に好転するかもしれない。ネットが発達した現代でもオバチャンの口コミは消費行動を左右する力を持っている。

 消費者と一緒に食事がイヤなら、CEOの朝昼晩の食事をすべてマックにしてはどうか。あるいは自分の子供にマックだけ食べさせてはどうか。そうした行動は、自社商品の陰に潜むいろんな問題に気づくきっかけにもなるだろう。

 

ベーシックメニュー不在のマクドナルド

 マクドナルド商品の最大の課題はベーシックメニュー(原点となるいちばん重要な商品)の「ハンバーガー」がメニューの隅に追いやられ、見つけにくい状態になっていることではないか。

 まるで「単品バーガーは注文しないで」と言わんばかりだ。こんな状態でまともなメニューが構成できるはずがない。いったん休業し全部のメニューをゼロから作り直した方が早いかもしれない。

 

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チキンナゲットの素(永谷園) 自宅で作るチキンナゲットの素。


 

食べログは参考になるのか~「良かった」しか載せないクチコミサイトとステマ問題 (2014/8/23)

 

 以前「食べログ」でステマ(ステルスマーケティング)が発覚し問題になったことがある。クチコミの評価サイトでは、提供する情報の信頼性が何より重要なはず。しかしクチコミサイトの多くは、情報の信頼性に乏しい。

 

信頼性の低いクチコミで溢れる掲示板

 地域の店舗や飲食店を紹介するクチコミサイトは問題が多い。この手のサイトは顧客のためではなく、店舗の利益のために存在している。つまり、集客を目的とした宣伝媒体だ。

 このビジネスモデルでは、「良かった」は載せるが「悪かった」は運営がシャットアウトする。また、記事を書くとポイントを貰える仕組みがあり、店舗を利用するしないに関係なく記事を書けばポイントをもらえる。

 このような仕組みによって、信頼性の低いクチコミであふれ返る。このようなクチコミサイトは参考にならないばかりか、見る価値もない。

 

 そもそもクチコミは利用者の「感動」もしくは「不満」を他人に伝えたい、と思う気持から生まれるもの。ポイントをエサに書いてもらうものではない。

 店舗や飲食店のクチコミサイトにはそんなものばかり、顧客の方を向いて運営するサイトがほとんど無い。

 これに対し、価格.comの口コミは公平だ。価格.comのクチコミが信頼性を保っているのは、良いことも悪いことも自由に書き込みできる掲示板のおかげ。このような仕組みによって、店舗は悪い評価が付かないようサービスの向上に努め、悪い店舗は自然に淘汰されていく。これが本当の姿に違いない。

 

<参考購入先>
口コミでビジネスを成功させる本

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食品偽装問題再び~100円マックの正体は意外なものだった (2014/7/31)

 

 食の問題が再燃した。この手の話題はいまや定期的である。発覚のきっかけは今度も内部告発で、消費者が見抜けないのが残念なところ。生産者が槍玉に上がっているが、生産者からはこんな声が聞こえてきそうだ。

 

騙されたですって?どうしてこんなに安く買えるのか不思議に思わなかったのでしょうか。
ここまでコストを抑えるには、こうするしかないんですよね。

どうせわからないから、いいんじゃないの?食べても死なないよ。

 

 肉の味がしない牛肉100%バーガー。鶏肉の味がしないフライドチキン。この手の加工食品はマトモなものを探すほうが難しいかもしれない。品質に問題があっても、それが開示されていて、相応の価格で提供されるならいい。たとえば次のよう正直に書いてみたらどうだろう。

くず肉、紙、ラード、澱粉、保存料、甘味料・・

 

ネズミやミミズの肉が混ぜてある?

 これは以前から聞く噂。値段が安すぎる違和感がこのような噂を作るのだろう。スーパーのブロック肉を加熱すると肉以外の変な匂いがすることがある。これも肉以外のものがたくさん混じった「整形肉」の証拠。

 いずれにせよ、これを機に外食フードの品質が良くなることを願いたい。消費者もスーパーで買ったものと味が違う、値段が安すぎる食肉加工品は「何かおかしい」と考えたい。

 

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チキンナゲットの素(永谷園) 自宅で作るチキンナゲットの素が登場。タイミング良すぎるという話がありますが単なる偶然でしょう


 

食品偽装問題~ダマされたのを見抜けなかった消費者の責任は!? (2013/10/27)

 

 最近また食の問題が話題にあがり始めた。「トビウオの卵」を「レッドキャビア」と称して出したらしい。これと並行して「ほこたて」のヤラセが話題になっている点も興味深い。偽装とヤラセは似た問題だ。

 私が思うに、今回の事件はいずれもお互い様。「ダマされた」とかいって苦情を訴えるのは筋違い。

 偽装にしてもヤラセにしても、責任の半分は消費者にあると思う。「レッドキャビア」といって「トビウオの卵」を出されても気づかなかったり、キナ臭い内容の番組に対し何の疑問も持たず喜んで見ていたのは、誰だったか。

 顧客のリテラシーが低ければそれにあわせて商売するのが普通だから、この手の話を持ち出すときりがない。観光地のいけす料理を「新鮮で美味しい![1]」と喜んで食べる人がいればそれを続けるだろうし、伊勢えびをザリガニの肉とすり替えても気づかなければ、そうする可能性だってある。

 偽装しても原価相応の価格で提供していれば、問題は少ない。見抜けなかった責任は自分にもあるのだし、

「ああ、そうだったのね、どうりで安いわけだ」

で終わるだろう。しかしもしニセモノを出して「本物」の価格を請求したら、それは許されない。

 

ダイドーブレンドコーヒーの表示

 食品には表示の問題もある。「高級豆使用」とあるが、「高級豆」の基準は何だろう。これも「鮮魚」と同じ、曖昧な表示だ。

 

 

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スーパーに売ってる人気エビフライの真実 (2013/6/17)

 

 嫁さんが時々スーパーでエビフライ(家で揚げるだけのやつ)を買ってくるが、大抵ロクでもない代物だ。シッポの反対側から食べていくと、衣ばかりでなかなか身が見えてこない。全長の半分くらい食べたところでやっと身が見えたと思ったら、針金のように細い。いったいどうやったらエビをこんなに細く整形できるのか。

 元々のエビの大きさは、シッポの大きさから想像付く。ここは誤魔化しが効かない部分で、シッポを見れば衣がウソだということを見抜ける。そこで、エブフライではシッポを少しでも大きく見せようと、目一杯広げている。

 こんな器用な整形をしているヒマがあったら、素直にエビのサイズを大きくしたほうがよくないか。

 ※元の身の長さは、シッポの長さの4~4.5倍くらいである

 

 エビフライは中身が見えないことをいいことに、粗悪な商品が横行している。何らかの規制が欲しいところだ。例えば、

衣の全長は、元のサイズの10%を超えてはならない。
衣の厚みは、身の太さの10%を超えてはならない。

とりあえず嫁さんには、衣付でないもの(身が直接見えるもの)を買うよう、注意している。

 

<参考購入先>
エビフライ食品一覧 面白い写真が沢山載っています。胴体とシッポの長さ比に注目!


 

マックのメガポテト~消費者をバカするな! (2000/7/30)

 

 ポテトやドリンクは利益率が高い商品。そんなポテトやドリンクの単品価格を高めに表示してセットメニューを割安に見せる手法は昔からだが、今回の新商品は最も利益率の高いポテトを利用してひと儲けしようという魂胆が見え見えである。

 それに、ジャンクフード代表の「ポテト」の量を増やして集客しようとする姿勢は感心しない。マクドナルドは「お客様の健康はあまり考えない」会社なのだろうか。

 この商品からは、顧客を踏み台にして利益を得ようとする姿勢が感じられる。利益とは本来、他人を喜ばせた量に比例すべきもの。

 もしポテトを目玉にするなら、「脂肪がつきにくい油で揚げました」とか、量が増えることによるデメリットの「イメージ」を相殺する要素を付けるべきではなかったか。

 少なくとも、ジャンクフードといわれている負のイメージを払拭する方向でメニューを考えるべきだ。仮に、朝から晩までずっとマックのメニューで生活したとして、健康で長生きすることが出来るか。そこに足らないものが、新メニューの候補になるはずだ。

 「はなまるうどん」はそんなマックと対照的に見える。「淡水化物や揚物だけで体に悪そう」といったマイナスイメージを払拭する努力をしている。

 食物繊維を練り込んだ麺を展開し、野菜類をたっぷり使ったヘルシーメニューを拡充させている。肥満や便通を気にして麺類を避けていた人を取り込める、うまい戦略に見える。

 

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オランジーナはなぜ売れているのか (2012/8/20)

 

 私がオランジーナを初めて飲んだのはおよそ20年前、フランスのパリだった。中身は単なるオレンジ風味の砂糖水で格別美味しいものではないが、甘さと炭酸を控えた飲みやすい飲料だった。色も自然で毒々しくない。最近日本に輸入され、イメージ戦略が功を奏してよく売れているらしい。オランジーナのような薄味の飲料は国内では少数である。

 そもそも、日本には美味しいと思える飲み物が自体が少ない。自販機の前に立つと、いつもこう思う。

 

「甘ったるいジュースにすべきか、不味いコーヒーにすべきか、それが問題だ」

 

仕方なく甘ったるいジュースを選んだ場合は、最初の1/4を我慢して飲み、水道水で元の量まで薄める。これでようやく私などが飲める濃さになる。そこでまた1/4飲んでもう一度水道水を元の量まで入れると、のどが渇いたときにちょうど美味しく飲める濃度になる※。このときの砂糖の濃度は、最初のおおよそ半分だ。

 問題は水で希釈すると甘み以外の味や香りも同時に薄くなってしまうことだ。薄めなくても飲めるよう、最初から砂糖を半分にした飲料を出して欲しいものである。

「甘いものがイヤならお茶にしたらどお?」

そんな声が聞こえてきそうだがお茶にも問題がある。不味い上に、保存料か何かの成分のせいで、飲んだ後不思議に口が渇くのである。

※希釈の度合いは商品によって異なる。「ほんのり甘い」と称する商品は1/4希釈一度だけでよい。最も甘ったるいヤクルトは3倍に希釈してようやく飲める濃度になる。

 

<参考購入先>
オランジーナ

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正月におせちを買ってはいけない理由 (2012/1/2)

 

 注文したおせちが正月までに届かない。中身が写真と違う・・

 去年も同じニュースを聞いた覚えがある。毎年懲りないものだ。我が家も「おせち」を食べるが、それはスーパーで買ってきたもの。

 売ってるおせちは、とにかく不味い。カズノコは不自然に黄色い。こんな色の付いたものがなぜ売れるのだろう?キノコは毒が強いものほど色鮮かだというではないか。

 毒々しく色鮮やかな食品は、敬遠されそうなものだが・・多くの主婦は本来のカズノコを見たことがないのかもしれない。おせちの甘辛い味付けにいたっては、もはやお菓子。この味付けがニーズというなら、日本人の味覚はどうかしている。

 不自然にカラフルな色合いと、濃すぎる味付け。これはおせちに限った問題ではないが、ちょっとこれは酷すぎる。

 

 正月におせちを買うのは「作るのが面倒くさい」という事情がある。そこには「正月くらい家事を楽したい」という気持ちがあるようだ。それならば、外食してはどうだろう。

 昔と違って、現代は元旦から営業する店が多い。おせちと同じ金額で、よりマシな食事にありつけるはずだ。

 

<参考購入先>
おせち料理 華やかなお祝い料理。ですが1万円も出して買うものではないと思います

 


 

外食産業の危機~ファミリーレストランは生き残れるのか (2009/4/30)

 

 ファミリーレストランが苦境に立たされているという。我が家では主婦の家事を楽にする目的で外食することがあるが、それでもファミレスには行かない。理由は、

・ボリュームが少なすぎ
 育ち盛りの子供の食欲を満たせないし、大人についても量が少なすぎる。

・特徴に乏しい
 ファミレスには焼肉、カレー、ラーメンなどたくさんのメニューがあるが、これらは結局、業務用の食材を暖めて出しているに過ぎない。飲みものはすべて業務用紙パック。

 

 いまや業務用の食材は専門スーパーで安く手に入るし、その何倍ものお金を出して食べに行こうとは思わない。業務用商品を専門に扱っているスーパーに行くと、レストランがどんなものを使っているかわかる。手間のかかる調理を量産することで価格をさげ、沢山のメニューを同じ味で素早く、安定供給するしくみは実に合理的といえる。

 

 ファミレスが廃れてきたのは核家族化や生活様式の変化だけではない。「何でもあります」でも「特徴が無い」レストランに飽きられてきたことも要因ではないだろうか。

 結局外食産業で生き残れるのは、付加価値のあるメニューか、あるいはマックや牛丼のように割安なメニューを持つことしかない。すなわち、こだわりで勝負するか、値段の安さで勝負するかのいずれかしか無いように見える。

 ファミレスが生き残るには、業務用食材を出すだけの形から脱却して、今までに無い、新しいサービスの形を創出することが必要なのかもしれない。

 

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子供で客を引き寄せる~ファーストフードとファミリーレストランの子供向けサービス (2009/7/21)

 

 ファミレスなどの外食産業では子供心を掴むことが重要だ。「パパ~、どこそこに食べに行きたい」という要求は、多くの場合承認される。子供が食欲を示すことは親にとってうれしいからだ。

 子供心を掴む工夫において、最も上手に見えるのがマクドナルドだ。しかし、「マックでDS」というサービスは成功しているとは言い難い。最大の問題は、通信環境の悪さ。店外でアクセスさせないために電波を弱くしているのだろうか。

 

 マックでDSの実態は、一々操作に時間がかかり、待たせた挙句「エラー」。これでイライラしてしまう。どうせやるなら、良好な通信環境を前提に家族で楽しめるようなサービスにしてもらい。それに、このようなサービスは客の回転を悪くしていないか。

 いろいろ問題があるが、ある程度は成功しているようだ。

 マックというと、私はドライブスルーで100円バーガーだけを沢山買って家に持ち帰るのが常だった。そんな私を「マックでDS」で釣りあげて、子供にハッピーセットを注文させたのは事実である。

 ひょっとして、私のような利益のない商品を買い逃げする客を店内に取り込み、ハッピーセットの売り上げに繋げることが目的だったのか。

 

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赤福と消費期限の改ざん問題 (2007/12/16)

 

 赤福が製造年月を偽って販売していた。この事件が明るみに出てから、わらわらと類似事例が出てきた。こういう話は赤福に限らずどこの食品会社にもありそうな話だ。というのも、「売れ残り」をどう処分、リサイクルするのか。これは、食品業者にとって共通問題だ。

 消費期限を改ざんするのは、「売れ残り」を減らしたいからだと思う。

 だがもし、日本中が消費期限の改ざんをやめ、売れ残りを「破棄」したら日本はゴミだらけになってしまう。売れ残り最小生産を実行するには高度なマネジメントが必要で、中小零細もふくめ全部にこれを求めるのは困難だ。

 

 赤福では消費期限が過ぎた物を焼却処分するという。いままで値段の付いていた商品が、ある日ある時間を境にゴミになってしまうというというルールは、メーカの立場からすると非常に「勿体無い」と思うだろう。消費期限が過ぎると価値がゼロになるというなら、食品の価格は消費期限の「残り日数」に比例させるのが適当ではないか。

 

 商品の価格を残り日数に応じて段階的に値段を変える仕組みはどうだろう。消費期限当日になったら、価格を1/3以下、もしくは「タダ」にしてしまえば、売れ残りゴミ問題は起こらない気がする。スーパーではここまでしないが、日常的に似たようなことは実施されている。それは、売れ残りのリスクを負っているからだろう。

 消費期限の残り日数に応じて値段を増減してはどうか。つまり、消費期限が長いうちは卸より高く売り、日数がたつと次第に値段が下がるような仕組みだ。

 破棄するしかないものは、リサイクルするとよいが、用途は家畜のえさ、堆肥くらい。売れ残りのリサイクル設備を自社内に持つことが理想だが、個人事業主のレベルではどうにもならない。これをやるには、地域ぐるみの取り組みが必要になりそうだ。

 

コンビニが売れ残りの値引き販売を開始 (2009/7/17追記)

 コンビニが消費期限の近づいた商品の値引き販売を始めた。以前は全部捨てていたという。

 フランチャイズは経営者から見るとリスクが少なく、安定を得やすいというメリットはあるものの、利益の多くが胴元に吸い上げられてしまう。「店長」「経営者」といえば聞こえがいいが、裁量を発揮する余地もなく本部の言いなりに「生かさず殺さず」使われる有様はあまり感心しない。

 消費期限に対する消費者の過剰反応も気になる。買うときは消費期限をやたら気にする人が、いったん自分の冷蔵庫に入れてしまったあとは無関心になり、消費期限切れの食品がゴロゴロある、なんてことはないだろうか。

 

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食品・飲料・お酒


 

鶏肉が不味い!~ケンタッキーフライドチキンの課題 (2001/3/28)

 

 ここのフライドチキンは鶏肉の味がしない。肉質はパサパサ、油でベタベタ、味はスパイスで誤魔化している。そんな商品だ。スーパーでどんなに安い鶏肉を買っても、これほどまずくはない。羽根の部分とか、スーパーでは見かけない部位も入っている。食べるたびに油で手が汚れる。「これはもはや、別の食べ物ではないか?」そう思えてくる。

 

 ケンタッキーはメインのフライドチキン以外にも、いろんなメニューが用意ある。私は何度かケンタッキーに入ったことがあるが、やはり最大の問題はメインのフライドチキンがダメなところにあると思う。メインがダメだと、他のメニューをいくら工夫してもカバーできない。

 フライドチキンといったら、パリっと香ばしく、それでいてジューシーな鶏肉の味と香りを期待する。おなかが空いたときにそれを想像すると、食べに行かずにはいられない、そんな魅力を持つ食べ物ではないか。しかし、そのような魅力がケンタッキーにはないように思う。

 

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から揚げ粉 フライドチキンは自宅で揚げるのが一番美味しい、そう思います

 


 

観光地の危ない名物~とにかく不味い「いけす」料理 (2001/1/15)

 

 観光地で名物を食べると、お腹を壊したり体調が悪くなることがある。私は胃腸が敏感で、少しでもヘンなものを食べるとお腹の調子が悪くなる。実際、次のものでお腹を壊したことがある。

 

アイスクリーム(ジェラート)
高原牛乳
サザエ、ハマグリ、カキなどの焼き物

 

 被害に遭うのは、個人経営の小さな店で買った場合が多かった。行列のできている店は安心だが、人があまりいない店は要注意だ。いけすに入っている生き物も油断できない。

 

 私は一度、いけすの生き物でひどい目にあった。愛知県渥美半島の先端に、恋路ヶ浜という名所がある。ここに土産物店が並んでいて、どの店もいけすを持っている。いけすにはサザエ、ハマグリ、カキなどがいて、その場で焼いて食べることができる。
 私は、ここのある店で焼き物を食べた後、サザエをお土産に4個買った。家について開けてみると、3個が死んでいて悪臭を放っていた。腐敗の様子や臭いからすると、死後相当時間がたっているようだ。

 店先では生きているものを焼いて食わせるが、お土産には弱ったものや死んだものを選んで渡しているらしい。「旅行客が戻ってきて交換を要求するはずがない。死んだものを渡してしまおう」そんな不誠実な商売をしているようなのだ。

 また、恋路ヶ浜には店の前に駐車スペースがあるが、クルマを停めたすぐ後ろに店に入らないと、店主が不機嫌になり怒鳴り散らす様子も伺えた。どうやら、駐車スペースは共用ではないらしい。

 

 いけすに限らず、牛乳やジェラートも、個人経営の小売店がきちんと品質と衛生管理している保証は無い。いけすは要注意で、弱ったものから焼き物に出すのが普通と考えてよさそうだ。

 今回はサザエの代金を損したが、いけすのる生き物が必ずしも新鮮でないことを学んだ。弱って死にかけたものを焼いても、美味しいはずがない(このことは、これ以後、度々経験することになった)。「観光地では、いけすの生き物は基本的に避ける」この事件以降、これが私の基本行動になった。

 

<参考購入先>
活サザエ、ハマグリ レビューを良く見て買えば問題ないでしょう
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時間が経つと美味しくなるチーズの不思議 (2000/10/28)

 

 ワインにはチーズがよく合う。スーパーでいろんなチーズが売っているが、私のお気に入りは「十勝カマンベールチーズ」だ。
 ところでこのチーズ、何度も食べるうち、あることに気が付いた。

 

 開封したてのチーズは味がきつい。しかし5日くらい経つと、トロッとした食感が出ると同時に風味が複雑になり、別物のように美味しくなっている。

 どうやらこの手の乳製品は、開封して少し寝かすと熟成が進んで美味しくなるようだ。熟成とは「雑菌により腐敗が進んだ」と言い換えることができる。様々な菌の働きで複雑な味を醸し出すことから、いろんな食品で「熟成」が行われている。

 我が家は5日で1箱消費するペースなので、最初に2箱買って両方開封しておく。最初の1箱は我慢するとしても、2箱目から美味しく食べられる。

 最初の1箱を食べ終わった時点で1箱買ってすぐに開封する。これを繰り返せば、以後つねに食べ頃のチーズを味わえる。ちなみに、夏以外は開封後冷蔵庫に入れず、室温で保管するといいようだ。

パスタにかけるパルメザンチーズ(クラフト)にも同じ現象が見られる。そろそろ無くなると思って新しく買ってくると、開封したてはカマンベールチーズと同様に味がきついことを知る。この商品は1本使い切るまでの時間が長いので、新品との味の差を大きく感じる。

 ちなみにパスタにかける粉チーズは、開封後、室温保管が良い。冷蔵庫に入れると外に出すたびに結露して粉同士がくっつき、塊りになってしまう。

パルメザンチーズ粉の例 

 開封したての粉チーズは美味しくない。いったん開封し、空気を入れて数日たってから食べるとちょうどよいようだ。

 

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貧乏舌は幸せだった (2000/8/20)

 

 美味しいものを食べ続けると舌が肥えてくる。学生時代、ロッテリアのチーズバーガを初めて食べたとき「こんなうまい食い物があったんだ」と感激したのを覚えている。学生食堂のカレーが1皿180円だったから、1個200円を超えるチーズバーガは高価な食べ物だった。

 

 その後、モスバーガと出会って感激した。モスバーガーの味に慣れると、不思議なことにロッテリアのチーズバーガが最初ほど美味しく感じられない。たまにマックやロッテリアで食事をする機会があると「何でこんなものに感激したのだろう」と思うことがある。「味が落ちたのか」そう思ったこともある。

 

 社会人になると、出張先や接待などで高級料理を食べる機会が生じる。より美味しいものを口にする経験が重なるにつれて、食べ物で感激する機会も少なくなってきた。

 先のお盆休みには鳥羽の相差に泊まり、ヒラメや伊勢エビ、アワビなど海の幸を食べてきた。相差の旅館を訪れる機会が増えるにつれ、最初は喜んで食べていた料理も、おいしいと感じなくなってきた。

 相差の旅館はどこも近所の魚市で仕入れた材料を切ったり焼いたりして出すだけだ。だから、どこに泊まっても出てくるものや味に大きな差はない。それに、新鮮な食材は刺身で出すが、ちょっと古くなった物は焼き物や煮物にして出てくる。そのことが、口に入れるだけで直ちにわかるようになってきた。

 

 「舌は肥えないほうが、人生幸せかも」そう思えるようになった。食事をご馳走になったとき、心から喜ぶ姿を見せたほうが相手も喜ぶ。子供にも小さい頃から旨いものを与えてはいけない。

 

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美味しいと評判のそば(蕎麦屋)で経験した真実 (2000/7/30)

 信州にうまいと評判のそば屋があった。狭く入りずらい駐車場の入り口から道路にかけてクルマの行列ができている。やっと駐車できたと思ったら、店の入り口は空席待ちのお客で溢れていた。ようやく席に着いてオーダーを入れる。しかし、なかなか食事が出来て来ない。結局食事にありついたのは、到着してから2時間後だった。

 私がオーダーしたのは、単なる「ざるそば」。そば粉100%というそのメニューの値段は、高額に思えた。口元まで運んでみて驚いた。塩素の香りがしたのだ。ちょうどそのとき、あんかけそばをオーダーした隣のお客さんかの声が聞こえてきた「おいしい!うちでは出せない味ねー!!」。

 

 私がそば屋にいくと、まずざるそばをオーダーしてみる。なぜなら、店の実力や姿勢がはっきりわかるからだ。イタリアンレストランでは「ペペロンチーノ」やトマトソースのみの「ナポリタン」、和食では「ご飯」と「味噌汁」、ラーメン店では何も乗せないただの「ラーメン」、ハンバーガ店では一番シンプルな「ハンバーガー」がこれに相当する。

 単純なものほど誤魔化しが効かず、品質がダイレクトに出る。メニューのボトム(ベース)がダメなら、それを発展して作ったメニューはすべてダメ。そう考えられる。

 上のそば屋の例でいえば、茹で上げた麺の水洗いになにか問題がある。そばは繊細な香りが命。あんかけにすれば、誤魔化されて問題が見えない。

 

<参考購入先>
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生ワサビ

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