薬漬けに気を付けて!~やぶ医者の見分け方

 私の実家の近くに、O医院という内科専門の個人医院がある。昔(私が子供の頃)よくお世話になっていた病院だ。祖母がここに通っていて、いつも薬を沢山もらっていた。ところがある日、不整脈があると言われて検査したら手遅れだった。あれほど病院に通っていながら、どうして気付かなかったのだろう。

聴診器

 

私のやぶ医者体験

 先日私は風邪をひいてしまい、数十年ぶりに祖母が通っていたO医院に行ってみた。建物は昔と違い見違えるほど立派で、広い駐車場を完備している。

 午前中は御老人でいっぱいでなかなか順番が回ってこない。内科と一緒になった待合室には風邪のお客さんがいて、せき込んでいる。しかし空気清浄機も換気設備も見当たらない。

 受付と医局が一つに統合されていて、待合室とはガラスでぴっちり隔離されている。患者との接点は、窓口にある小さな窓だけ。1時間以上待ってやっと私の順番が回ってきた。

 

「どうされましたか」
「昨日からのどが痛くて、体がだるいんですけど。。」
「口をあけて。はい、次は前をあけて。・・・へんとう線が腫れてますね。風邪です。」
「風邪薬一週間分、うがい薬と、念のために熱冷ましも出しておきますね。1週間後にまた来てください。お大事に。」

 

 診察してくれた医師は世代交代していて若い息子さんだった。診察時間は20秒くらい。へんとうを見た時間は一瞬。聴診器もペタペタペタ・・と一瞬当てただけ。診察するフリをしただけのような気もする。

 医師が診断を下すと、すぐ追い出されてしまい相談をする隙もなかった。

 私はまた待合室に戻った。体がしんどいので早く帰って休みたいのだが、なかなか薬が出てこない。薬を受け取るまで、結局40分くらい待った。

 

良心的な診察の体験

 これと対照的な経験をしたことがある。腹痛が我慢できなくて、T内科に行ったときだ。

 

「はーい、おなかを見せてください」あっちこっち押したりさわってみて

「うーむ。どこも悪くなさそうですね。」
「大丈夫だと思いますので、しばらく様子を見てください」
「・・・・あれ、薬とかはもらえないんですか?」
「ええ、特に必要ないでしょう。」

 

 やたら薬を出さないと言う点においてO医院と対照的である。O医院は、とにかく薬を出す。御老人に人気があるのは薬をたくさんもらえる為かもしれない。

 T内科は、さわるだけで悪いところがわかるという評判の病院。薬をあまり出さないので患者が不安に思う。
 その後の経緯は、先生の言った通り。腹痛は自然に治ってしまった。

 

沢山薬をくれる病院は、いい病院か

 医者から見ると、薬を出せば出すほど儲かるので、患者の口から出る言葉を参考に可能な限り多くの薬を出す。目の調子が悪いと言えば目の薬を、血圧に問題があれば血圧の薬を、神経が高ぶって眠れないと言えば鎮静剤を、風邪でのどが痛いとえいばうがい薬を・・・

 どうしてそのような状態になったのか、なぜ調子が悪くなったのか、生活習慣については一切ふれず、患者の訴えに応じて薬を出すだけ。

 患者の側からみると、あれもこれもと薬をたくさんくれる方が気の利いた良い医者に見える。その結果、待合室に御老人があふれ、医者は老人を薬漬けにして、医療保険から可能な限りのお金を吸い取っている。医療保険が破綻すると言われるのも、もっともだ。

 

 

やぶ医者(医院)の特徴

 私の経験では、次のようだ。

  1. 薬をたくさん出す
  2. 老人に人気がある
  3. 待合室に二次感染を防ぐ設備がない
  4. 待ち時間の割に診察がきわめて短時間である
  5. 患者の話を直接聞かない(診察前に看護師がアレコレ聞く)

 二次感染の予防措置はとても重要だ。病院に行ったら別の人の風邪をもらったという話を時々聞くが、これでは何のために病院に行ったのかわからない。

 患者の話を聞かないで、診察を短時間で済まそうとするのは、患者の回転を早くしたいから。そこで何か質問するとと面倒くさそうな顔をする。

 先のO医院は最初はマジメに経営していたのかもしれない。しかし、たくさん薬を出して、回転を早くすれば、儲かることに気が付いたのだろう。個人開業医にしては立派な建物と広い駐車場も、そうして見ると納得できる。

 

薬漬けに注意

 いま病院に通院している高齢の方は、自分が薬漬けにされていないか考えて欲しい。歳を取れば身体機能が衰えていろいろ不調が出る。これは仕方のないことで、薬はその症状を緩和させることしかできない。薬は「毒」が多く、飲み続けると耐性ができてしまう。

 いくつもの医院に通い、薬をもらって回るヒマがあったら、旅行やレジャーを楽しんだほうがよくないか。本当に必要な薬以外は、辞退したほうがよいと思う。

 

かかりつけ医がやぶ医者の場合に起こる悲劇

 かかりつけ医を持つことは重要だが、それがやぶ医者だと私の祖母のように薬漬けにされて、可能な限りお金を吸い取られた末あの世行き。なんて悲劇が起こりかねない。
 いまのかかりつけ医が上記(やぶ医者)に当てはまる場合は、すぐに変えることをお勧めしたい。

 

大きな病院は避ける

 総合病院や市民病院は、本来専門医療を行う機関。サジを投げた町医者から紹介状をもって行くところであって、一般診療で行くところではない。

 大きな病院ではそれなりの設備が整っていて高度な治療が受けられる。半面、医師もたくさんいて当たりはずれがある。研修医のオモチャにされてしまう可能性もある。

 

歯科医院の場合(2018/11)

 「フッ素塗りますねー」「次はハミガキの指導をします♡」

 これらは保険点数稼ぎの余計な作業。一見親切だが、お金は全部自分が払っている。黙っているとやられてしまうので、言われた時点で辞退することが重要。フッ素の有効期限は数週間。継続して塗らないと効果ないものを、1回だけ塗っても意味なし。

 過剰サービスを押し付けたり、辞退すると嫌な顔をする歯医者には行かないこと。歯医者はいくらでもいるから、ちゃんとしたところを開拓しておきたい。

 歯磨きの指導については、関連記事1を参考にすれば不要だ。

 

<参考購入先>
やぶ医者のつぶやき
ジェネリック医薬品

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(この記事は2002/4/21に公開した記事の再掲です。)