ネットの情報はウソだらけ!~ラバーコーティングのべたつきを綺麗に確実に除去する方法

手触りの良いラバーコート(塗装)は数年でべたつきが起こり外観や手触りがとても悪くなる。そこで劣化を遅らせる方法を検討し、劣化したラバーコートを綺麗に剥がす方法を紹介する。

 

べたつきはなぜ起きるのか

 ラバーコートの主原料はスチレンブタジエンゴム(SBR)。もともと水に強い材料[1]だから劣化要因はネットで言われる加水分解ではなく、一般的なゴム劣化要因、すなわち紫外線、酸素(オゾン)が主とみられる。

 ちなみに加水分解が原因でべたつくのは「ウレタンゴム」の話でラバーコートとは別。ネットの記事は人の記事をコピーして書かれたものが多くあてにならない。

 SBRはタイヤなど広く使われていて劣化防止剤が配合されているが、ラバーコートには配合されて無いらしい。そのためラバーコートは急速に劣化が進んで品質を著しく低下させる結果になっている。

 

べたつきを防ぐ方法

 後塗りで酸素か光を通さないようにすればよい。この用途には自然塗料[2]が適しているが、ラバーコートでは可塑剤が硬化の邪魔をして塗料が固まらないことがある(可塑剤の種類による)。

 タイヤでは劣化防止剤にワックスが使われ、これが適度に染み出すことで表面を保護している[3]。そこで、ラバーコートにもワックスを使って劣化を遅らせることを考えた。

 

ワックスで劣化防止する

 ワックス=パラフィン(ロウやクレヨンなど)をこすりつけ、ドライヤーなどで溶かして被膜を作る。これでタイヤと同じ劣化防止の効果が期待できる。

ラバーコートの表面にロウとクレヨンを擦りつけたところ

 写真はラバーコートされたプラスチックのカバーにロウと黒のクレヨンを擦りつけたところ。ここにドライヤーで熱風を当てて溶かす。

ラバーコートの表面に擦りつけたロウとクレヨンを溶かしたところ

 ドライヤーの熱で溶かしてティシュで余分を拭き取った様子。どちらも塗ってあるかどうか、わからない仕上がり。

 

注意点

 ロウは60℃くらいで溶ける。ドライヤーではロウが溶けるまで加熱に時間がかかるが、加熱しすぎるとプラスチックが変形するので注意。

 溶かした後、拭きとらずそのままにした方が厚い被膜が残るので保護効果が高い。見た目を気にしなければ、ティシュなどで拭き取らない方が良い。

 

検証結果(2021/10)

こちらは施工2年後の様子。期待に反してベトベト。効果がなかった。今のところラバーコートの劣化を防止する確かな方法は見つかっていない。

ベタベタになったラバーコート

 


 

べたつきを直す方法(2021/10/7)

 これについてネットを調べると、アルコールで拭け、消しゴムで擦れ、重曹に漬けろとか書かれた記事がヒットする。実際やってみると、あまり効果が無い。中にはアセトンを使えとか、とんでもないことを勧める記事もある。似たような記事が多いのは、自分で検証せず他人の記事(間違った情報)をコピーするため。

 ラバーコートは、塗料剥がし剤、例えば模型用のペイントリムーバーで剥がせる。以下はその様子。塗るとすぐにシワができるので、これをふき取るだけ。

劣化したラバーコートを剥がしている様子

このように簡単に剥がれる。実に簡単。ラバーコートは塗料なのだから、塗料剥がしを使えばいい。

劣化したラバーコートを剥がしている様子

ペイントリムーバーの主成分は、おそらくリモネンとアルコール。写真はクレオスの商品だが、成分が同じなら何でもよい。水溶性で金属を侵さないが樹脂を侵すのでコートを剥がした後よく水洗いする。成分が残ると樹脂を侵し続けてクラック(ヒビ)が入るなどのダメージを与える。水洗いが必須な関係上、電子機器を処理する場合は、分解して中身を取り出してから作業すると良い。

 

下は剥がした結果。コートは綺麗に剥がれても、見た目は前より悪い。これはリムーバーの成分によって表面が侵されたため。特にABSが侵されやすい。侵されるといっても表面だけで、全部が溶けて無くなるわけではない。

劣化したラバーコートを剥がした結果

 

400番、800番のペーパーで順番に下地を整えて、黒のクレヨンで塗装する。低風量のドライヤーで温めながらぬり伸ばす。割と簡単。クレヨンが手に付くと汚れるので、余分を良くふき取る。ABSは熱に弱いので加熱しすぎないよう慎重に。

クレヨン塗装している様子

 

完成品。まるで元のラバーコートの手触りと質感。ペイントリムーバーで荒れた素材の表面がちょうどいい塗装下地になっている。もっと丈夫な被膜が欲しければ、住宅の補修で使うかくれん棒を使うと良い。

クレヨン塗装した結果

 

結論

 ラバーコートは必ず劣化してベタベタになる。予防手段が無いため、コートされた商品は原則避ける。特に高額商品でラバーコートされたものを選ばないよう、注意したい。

 

<参考購入先>
ラバーコートの除去と補修に必要な資材です
模型用のペイントリムーバー
低風量のドライヤー
クレヨン
ラバーコート 用途を間違わなければ有用な塗料です

<関連記事>
2.自然塗料でクルマをコーティングする~ゴム プラスチック 樹脂の保護にも
3.ツヤ出し保護剤の選び方~実態は劣化促進剤だった!

<参考文献>
1.ゴムナビ

ご注意:本記事は執筆時点で過去に類例がないことを確認しています。転載、引用する場合は、必ず出典を明記してください。ルールはこちらをご参照ください。