知りたい、改善したいことがあって検索すると、写真をふんだんに使った綺麗なサイトがヒットする。いんなアドバイスがあるが根拠が不明確。検索上位から順番に見ていくと、どれこれも似たような内容。
この傾向は、住宅、不動産、食品、家電、医療などあらゆる分野に及ぶ。なぜこうなっているのか、正しい情報を見分けるにはどうしたらよいのか。今回はこの問題を取り上げる。
価値の低いサイトの特徴
美しく見やすいデザインが特徴。写真が多く使われているが、そのほとんどは素材サイトからの拝借。頭を抱えたり、驚いたり、といった人物のポーズ写真が多く使われ、「~ですよね」「~なんです」といった言葉が目立つ。
そのあと、商品の紹介がズラリと並ぶ。書いてあることは販売元の説明と変わらない。その商品の何が、どのように作用するのか、なぜその商品を勧めるのか、といった運営者の考察や意見がなく、実践レポートもない。
価値の低いサイトはどうやって作られるのか
現在のサイトの多くは、Webから集めた情報と、素材サイトからDLした写真素材を使って作られている。他人の情報をそのままコピー(デッドコピーという)すると著作権にひっかかるので、文章を変える(リライトという)。この情報収集とリライトの能力が、Webライターのウデの見せどころになっている。
しかも、そうして作られたサイトに書いてあることが正しくない。
例えば「ハサミの切れ味はアルミホイルで復活する」「重曹で歯を磨くと歯が削れる」「ラバーコートのべたつきは重曹で取れる」といった内容。これらは実際には効果が無い[1][2][3]。
中身が嘘だらけなのはなぜか
Webライターが、間違ったネットの情報をもとに記事を書くため。ネットからたくさんの情報を集めて、方法1,方法2,方法3・・という形で羅列するのが一般的。
所詮、信憑性の無いソースの寄せ集めだから、効果がなくて当然。Webライターは記事を作るのが仕事であって、自分で購入して使ってみたり、試すことはない。使ってない、やってもないことを想像で書くだけである。
専門知識の欠如も間違いを作っている。例えば、ラバーコートのべたつきについてWebを調べると、関係ないウレタン製ラバーの話になっていたり、両方ごちゃまぜになっている[3]。このような間違いは、知識のないWebライターがkW検索してヒットした「似ているが違うもの」を混ぜてしまうことで起こる。
このような間違い記事を他のライターがまたコピーする。皆が同じことをするため、Webは嘘の記事で埋め尽くされる。
価値の低いサイトの目的
広告やアフィリエイト収入(宣伝した商品が売れるとお礼にお金がもらえる)。つまり、第一目的は販促と金儲けであり、アクセスした人の役に立つことではない。
Webからネタと情報を集め、文章を変えただけのコピー記事を大量に用意し、広告や商品リンクを設置する。重要なのはアクセスを集めて広告や商品のリンクを踏ませることである。
価値の低いサイトを見分ける方法
最初にも書いたが、ポイントは次の通り。
・サイトの作りが非常に綺麗である(プロのWebデザイナーによるもの)
・写真やイラストのすべてが「写真素材」で構成される。自分で撮った写真が1枚も使われていないことも多い。
・「~ですよね」「~なんです」といった言葉が目立つ
・出典、参考文献の記載がない(他所のパクリ、リライトだから出しようがない)
いろいろあるが、簡単に見分けるポイントは写真。写真素材が見えたら、すぐに閉じることをお勧めしたい。このようなサイトは見る価値がない。
価値の低いサイトに振り回されないようにするには
このようなサイトはプロが作るから、美しく見やすいデザインに、興味をそそるキーワードを厳選するなど、徹底したSEO対策がとられている。これにより、googleの意図に反し検索上位に表示されてしまう。
これは問題だが、現在のgoogleには中身まで判定する能力がない。そんな今、私たちにできることは、このようなサイトにアクセスしないこと、アクセスしても広告や商品のリンクを踏まないこと。皆のこの行動が、価値の低いサイトを減らすことに繋がると考えている。
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