2021年最新~生産性に優れたYouTube動画を作るためのカメラ・機材の選び方

フルサイズ一眼を買ったらセッティングや撮影に手間がかかり大変・・画質にこだわりすぎるとかえって生産性を落とすことがある。YouTubeの動画撮影で生産性を重視したカメラと機材をご紹介する。

 

フルサイズって要るの?

 映画やドラマの製作ではラージフォーマットと呼ばれる大型センサーが使われる[8]。確かに画質はセンサーのサイズに比例するが、動画製作に使うセンサーのサイズは1インチで十分。ビデオカメラのアマチュア向けハイエンド(ソニー FDR-AX700)や業務用(PXW-Z150など)では1インチが使われている。これでノイズなどの性能が気になる場合は、センサーのサイズではなく照明の強化でカバーしたい。

 

大型カメラのデメリット

 センサーが大きいカメラは大型で重量がある。すると周辺機材も大型化して準備や片付け、設置が大変になって生産性が落ちる。例えば、手元の物撮りをする人が重いカメラを選ぶと三脚や雲台が大型化し設置や固定に手間がかかる。

 カメラは用途に合ったものを選ぶことが大切。用途によらず画質にこだわって大型のセンサーを求めるべきではない。

 

重要なAF性能

 動画では静止画とは違ったAFの性能が求められる。自撮りや物撮りでは撮りたいところにピンが来ないといくら画質が良くても使えない。高性能なAFを搭載した商品では、AFの感度を調整できる機能を備えている。AFの性能はソニーが一歩優れている。

 

あると便利な機能

 何を撮るかによって必要な機能が異なる。全部入りを探すのではなく、自分が撮るものに合わせて必要な機能をカバーする商品を選びたい。

 

本体内充電

 動画撮影では三脚固定が普通なので、電池やSDカードを取り出すためにシューを外すことになると生産性を損ねる。電池やSDカードを本体に入れたまま、充電したりデータを読み出しする機能は必須と考えたい。

 給電撮影でれば電池を減らさずに撮れるので電池を取り出す必要がほとんどなくなる。

 

2軸液晶モニター(バリアングル)

 レンズと同じ方向に液晶モニターを向けられる機能。物撮りや自撮りでは必須。ただし画面が小さいのでピント合わせが難しい。モニタリングスルー(外部モニターによるライブビュー)ができるとピントのチェックがしやすい。

 

MIC端子

 ホットシューにマイクを乗せて屋外撮影する場合に便利だが、所詮は不平衡のプラグインパワーでありノイズなどの録音品質を重視する人が使うものではない。

 室内のトークやナレーションでは口元にマイクを置かないとホワイトノイズが乗る。カメラのマイク端子から線を伸ばすとノイズが乗ったり三脚を倒す危険がある。

 質の良い録音にこだわるなら、カメラから線を這わすのではなくPCMレコーダーを用意して別に録音したほうがよい[5][6]

 

リモート・テザー撮影

 リモート撮影はスマホなどでライブビューを見ながら撮影できる機能。液晶画面が見えなくても構図を決めたりズームやシャッターの操作ができる。ソニーImaging Edge、オリンパスOl.Share、Panasonic Image Appなど。Panasonic Image Appは動画撮影中のライブビューができる。

 テザーとはカメラとPCをUSBなどで有線接続して撮影結果をPCなどの画面で見れる機能。元々商品など静物撮影のための機能だが、動画撮影でも使える。

 

電動ズーム

 寄ったり引いたりする映像を撮る際に欠かせない機能。動画撮影ではズーム移動時の微細な「像揺れ」や往復時の光軸ズレによる「往復ガタ」、動作音、開始停止時の「スムースさ」などが問題になる。

 コンデジや一眼用レンズにこれらの性能を求めるのは難しい。ズームに品質を求めるならビデオカメラに行った方がよい。

 

意外に短い撮影時間

 カメラの動画機能では放熱の関係から連続撮影時間が制限されやすい。4Kの動画撮影をすると、わずか5分程度で電源が切れてしまうこともある。こが問題になる用途では、ビデオカメラをお勧めする。

 

あると便利なもの

ジンバルスタビライザー

写真はZHIYUN-Crane-M2。カメラに手振れ補正があるといっても、動画の手持ちまでカバーできない。そこを補う道具。ダイナミックな映像を撮影が出来る。カメラの脱着が面倒なのが欠点だが、アルカスイス互換プレートで補うことが出来る。

ジンバルスタビライザー

三脚側も一緒にアルカスイス互換にするためにクランプセットを買っておくとよい。

 

動画撮影にお勧めのカメラ(2021/6)

 使い勝手と生産性を求める人に勧めの機種をご紹介する。

自撮り、物撮り

 ソニー VLOGCAM ZV-1

ソニーZV-1

多くのYouTuberが紹介しているカメラ。小型軽量で上記の便利機能もほぼ満たしており使い勝手が良い。

被写界深度の深い1インチセンサーに優秀なAFを組み合わせているためピントで失敗しにくい。これで画質に不満がある場合は一眼に行くのではなく照明の強化を検討してほしい。

欠点は寄れないこと。物撮りではこれが問題になる。写真では52㎜のアダプターを付けてクローズアップレンズ(No.3)を付けっぱなしにしている。これで望遠端でも14cmまで寄れる(レンズ面から)。マクロレンズにはACタイプもあるが、重くて使いずらい。

ワイド端を拡張できるコンバージョンレンズが市販されているが、前玉が極端に重くなる。

マクロレベルの動画を撮る場合はオリンパスTG-6がよい。

 

動物、手持ち撮影

 早やかに収束するAF、音もなくスムースに動く電動ズーム、長時間撮影など、動画カメラとしてのトータル性能はビデオカメラが優れている。現行商品では次がベスト。

ソニー FDR-AX60

 センサーサイズは1/2.5型と小さいが、本機は強力な手振れ補正機能がありジンバル不要。手持ちで走り回って子供や動物を撮るのに適している。望遠マクロにより離れた場所から動物の局部ドアップも撮れる。長時間録画を必要とする製作動画にも最適。

 

ズームを使った画質重視

ソニー FDR-AX700

 1インチセンサーを搭載。ズーム品質と画質が両立するボトムはこれ。手振れ補正はAX60に劣る。

 

 

電動ズームレンズ(参考)

FDR-AX700に行く前に一眼でなんとかならんか・・という人のための参考情報。センサーのサイズはフォーサーズかAPS-C になる。

 

 オリンパスの電動ズームは次の2本。

オリンパス ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ

 キットレンズの中では比較的静かで滑らかなズームができる。動作速度も3段階から選べる。ズーム両端で往復ガタがある。

オリンパス ED12-50mmF3.5-6.3 EZ

 ズームの電動と手動を切り替え可能な防塵防滴ズーム。上記のパンケーキより画角が広く使いやすいレンズだが生産終了しており中古しかない状況。ズーム時に小刻みに揺れる像揺れがある。水平で使う分にはあまり目立たない。

 

 パナソニックは次の2本。動画撮影を考慮して設計されている。

パナソニック LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm

  非常に静かに滑らかに動作する。広角端で若干像揺れするが、上記のオリンパス14-42より少ない。ズームがレバー式で使いやすいが、フォーカスもレバー式の為MFが使いずらい。

パナソニック LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm

 パナソニックとオリンパスはレンズに互換があるが、電動ズームの機能は制限される。ボディと同じメーカーのレンズを使うのが無難。

 

 ソニーはレンズ交換式のビデオカメラがあるため本格電動ズームをラインナップしている。但しAPS-C レンズは寄れないものが多く近距離撮影に向かない。

ソニー E PZ 18-105mm F4 G OSS

 なめらかなズーム動作をするレンズ。寄れない点に注意(広角端で45cm)。

ソニー E PZ 18-110m F4 G OSS

  業務用の動画撮影に使える本格電動ズームレンズ。

 

ビデオ雲台

 動画制作にはスムースに動くビデオ雲台が欠かせない。オイルの摩擦でじんわりスムースに動く特徴がある。コンデジならFHD-43Mのような安いビデオ雲台で問題ないが、重い一眼を乗せると重量で勝手に倒れて使えない。

これに対処するには、重心位置を調節できるスライド雲台やカウンターウェイトが必要。こうなるとセッティングに時間がかかり生産性が落ちる。アルカスイスで統一したいと思うと、さらに選択肢が狭くなる(アルカスイスのビデオ雲台は少ない)。

 

ベルボンのビデオ雲台FHD-51QN

写真はベルボンのFHD-51QN。クイックシューを前後にスライドさせて重心を移動させることで重心位置を合わせることができる。

 

ペットボトルに水を入れたカウンターウエイト

 ペットボトル用のホルダーを利用したカウンターウェイトの例。重い一眼を使うと必要になることがある。

 

照明

 写真はスタンド型一脚LEDビデオライトを付けた物。自撮りにせよ物撮りにせよ、照明は必須。自然な演出には3灯いる。色温度を揃えるため、同一商品を複数揃えるるのがよい。

ビデオ照明の例

 

 

お勧めの動画編集ソフト

 動画を撮ると編集が必要になる。基本的に次の3つからどれかを選べばよい。

 

Wondershare Filmora

 安価で使いやすく定評のあるソフト。YouTubeとの親和性も高い。特別凝らなければこれで十分。永久ライセンスが7千円くらいで買える。Pro版があるが機能的は以下のDaVinci Resolve(無料版)の方が上であり導入する理由がない。

 商用ライセンスもあるが個人で使う分には必要ない(YouTube収益化含めて[1])。

 

DaVinci Resolve

 何でもできると言ってもいいくらい高機能。無料版とStudio版がある。無料版はStudioの機能限定版だがアマチュアにとって十分すぎる機能が提供されている。機能が豊富な反面、使いこなすのが難しく生産性に優れるとは言い難い。

 簡単な図形でも描くのに手間がかかる。サムネイル用の画像を書き出すのが少し手間。

 

Adobe Premiere Pro

 多くのYouTuberやプロが愛用するスタンダード。月額課金なので収益が増えてきたら換えを検討する。簡易版のElementsもあるが低機能で使い勝手が悪く編集がはかどらない。内容的にFilmoraに大きく劣り価格も高く導入する理由がない。

 

<参考購入先>
ソニー VLOGCAM ZV-1 2021年もこれでいいでしょう
ソニー FDR-AX60 動物手持ち撮影に
LEDビデオライト 画質は照明でカバーするのが適当です
スタンド型一脚 

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<参考文献>
1.YouTube動画の収益化に対するWondershareの見解(web魚拓) Can i use filmora for monetized videos?
2.YouTubeのアップロードする動画にお勧めのエンコード設定
8.映画撮影用のシネマレンズを一眼ムービーで試す YouTuberには縁がないかもしれないですがシネマレンズがあります

動画変種ソフトのサイト
Wondershare Filmora
DaVinci Resolve
Adobe Premiere