ロレックスが2万円?スーパーコピー N級品を買うと遭遇するトラブルと損をしない対処法

ブランドのコピー商品は昔からあるが、その中で最も精巧なものをスーパーコピー(N級)という。今回は、これを取り上げる。

 

N級の品質

近年のN級の品質が良くなっている。顕微鏡やルーペでよく見ないとわからないレベルにあり、ムーブメントまで精密にコピーされている。その見分けはプロでも難しく、一般消費者にはまずわからない。本物を100点とすると、N級は95点以上のレベルにあるようだ。

N級ロレックスの例 2.8万円(税込)[3]
正規品は、570万円前後(約200倍)

ロレックスの場合、正規品との価格比は、なんと200倍!これで95点のモノが手に入る。これでは、正規品を買おうと思う人は、ほとんどいないだろう。

このようなN級商品は主に中国の工場で生産されている。2026年現在、N級を作る工場は次の通り。

Clean , N(noob) , VS , JF , QF , ARF , ZF
出典:https://mercari777.com/replica-watch-repair/

 

ロレックスの中古はガラクタ?

 ロレックスのような高級時計は定期的にオーバーホールに出す人が多い。すると、いくつかの部品を交換してピカピカになって戻ってくるが、精度のレポートがない。

オーバーホールは外観と精度の2つの価値を復元することではないのか?

 精度で重要なのは、一日にいくら進むとか遅れるとかではなく、6姿勢の歩度である。これが結局、日常の進み遅れに関係するスペックになる。

 高級時計にはその(Before After)のデータを求めたい。なぜなら、ここにオーバーホールの結果が数字で現れるからだ。

 高額な製品では、上限、下限の2つの温度で6姿勢の歩度を測り、平均、最大、最小値が、いくつである。規定はこうだから、合格(不合格)という測定報告書がないといけない。データが悪いものは、いくら外観が綺麗でも資産価値ゼロ、ガラクタである。

 6姿勢の歩度を測れ、というと時計屋は嫌がる。なぜかというと、万一スペックが悪い場合、仕事が終わらないからだ。測らせても規定がなく、合否判定できないことになっている。
 時計屋にとって、オーバーホールは、文字盤や針などを交換し、注油し、ケースやバンドをよく磨いてオシマイにしたい作業であり、精度の価値は復元しないし見ないことにする。このようなガラクタかどうかわからない中古を買うなら、N級新品のほうがいいかもしれない。

 ところで、オーバーホールは3年ごとに必要と言う。これはメイビスという経時劣化するオイルの使用が原因[6]。この業界では、こういうことが連綿と続いている[7]。シチズンはメイビスの品質の悪さに気づいたようで、独自開発したオイルを使っている[8]
 オーバーホールに出すと、経時劣化するオイルを注油するほかに、交換しなくて良いものを交換される。それは、外すときに傷んでしまう(ことがある)ため。つまり、出すたびに余計なカネを取られる。フッ素オイルを使えば、一生オーバーフローしなくて良くなるはず[7]だが、検討されない。結局この業界は、顧客第一、ではなく業界の金儲けが第一に見える。

 

コピー品を買うな!記事が多いのはなぜか

コピーを本物と偽って売ろうとすると罪になるが、個人で消費する分は問題ない。そもそも何を買おうが個人の自由なはずなのに、買う事自体が悪のように誤認させる記事が多い。

口を揃えて「買うな!」

という理由は、こういうものが売れると、業界の関係者にとって都合が悪いから。コピーが売れたり、修理できて長く使われてしまうと、それで十分と考える人が増えて本物が売れなくなる。ブランドの価値が下がるというわけだ。

なので、「買うのはやめようね!」という記事を流して「壊れても修理しないよ」という姿勢で結託している。

 

コピー品が選ばれるのはなぜか

 コピーが選ばれる理由のひとつに、本物が高すぎることがある。

 例えば、N級ロレックスの値段はN級グランドセイコーとそんなに変わらない。ということは、

ロレックスはグランドセイコーとそんなに変わらない値段で作れる

ということである。

 ところが、グランドセイコーの正規品価格差は約20倍。N級ロレックスは200倍にもなっている。N級2万円のロレックスなら、ブランドのプレミアムを考えてもせいぜい100万円(50倍)以内で売るべき商品ではないか。

 「職人が」「仕上げが」という話もわかるが200倍はボリすぎである。最初から適正価格で売っていれば、コピー品に一々イライラすることもなかろう。

 

コピーを買うのは違法か

私たちがコピーを買うこと自体は、違法でも不正でもない。コピーによって商標権や意匠権を侵害しているのは「作り手」であって、コピーと知った上で個人用に買うのは問題視されない。ただし、個人でも販売目的で買うと違法なので注意したい。不要になってもメルカリやヤフオクに出すのはNGである。

消費者にコピーを買わせないための方策は、いまの所、良心に訴える以外ない。そこで次の文句をみかける。

「不正に加担することになるよ! 買うのはやめましょう!!」

どのような訴えも、価格200分の1の魅力の前では、無力 だ。本物であれコピーであれ、品質が良くて値段が安いものが選ばれるのは自然なことであり、それが自由競争というもの。

業界のチラシや宣伝は、コピーを買うことを、あたかも不正や違法であるかのように誤認させる書き方をしているので注意したい。

参考:東京税関のチラシ

 

コピー品の用途

コピー品に最も適した用途は、プレゼント。モノにこだわりがない人に喜ばれるだろう。「コピー」は聞こえが悪いので「これレプリカだよ」といって渡せば問題ない。また、本物を持つ人が普段使いにコピーを選ぶケースもあるようだ。高価な本物を普段使いしてぶつけたり、無くしたりしたら大変である。

人に見せびらかすのはやめたい。コピー品は「偽り」のアイテム。もし本物と誤認させたら、バレなくても自分が「嘘つき」になる[2]

いずれにせよ、値段が200倍(中古でも数十倍)する本物を1本買うなら、N級品を10本買って、毎日違う時計をつける使い方をしたほうが、はるかに良いだろう。

 

購入の基本(サイト選び方からトラブルの対処まで)

販売サイトの信用

 コピー品を販売するサイトは日本語で書かれているが実体は中国にある。サイトに書かれている以下の記述はすべて嘘なので注意したい[3]

販売元の所在地、代表者名、保証規定、返品交換の手順、修理対応、お客様の満足が第一

これらは買い手に安心感を与える風に書かれているが騙されないこと。所在地(倉庫など)に日本の住所が書かれているが実在することはない。

基本的に売ったらおしまいでクレームは無視、アフターなどない。これは、どこから買っても同じと考えたい。それでも買いたいという人は以下の手順を参考にするといい。

 

購入手順

①時計を選ぶ

 必ず、製造元がはっきりしたものを選ぶ(このページの冒頭に書いた記号を参照)。コピー時計を買ってトラブルになるのは大抵、製造元のはっきりしない安物を買った場合である。コピーといえど、品質は価格に比例する。3万円以下の商品はガラクタの可能性が高いので手を出してはいけない。

 高品質が評判のCleanには偽物があるという。製造工場の直売サイト[9]かあったら、そこから注文するのが無難。

 

②注文するとき

 最初に簡単な質問を送る。例えば次の通り。

 「商品はあなたが説明する通り、N級品質ですか?違う商品が送られてきた場合は、どうなりますか?」
<商品のURL>

 返事の帰ってくる速度や時刻を確認する。返事を書いてくるのは中国人。質問に答えないなど返答が不十分と感じた場合は別をあたる。返品などの対応がサイトの説明と違う場合は、サイトは別の会社が作ったダミーで回答主は内容を知らない。

 以上問題なければ注文するが、必ず代金引換で買う。代引きで注文すると、商品が中国の販売元から日本の配送代行会社に送られ、そこから「代金引換」で手元に届く。だいたい、2週間程度で届くはず。

 

③モノが届いたら

 代引きでは先に中身を確認できないので、代金を払って受け取るしかない。箱に損傷があれば「中身を確認したい」と言えるが、まれだろう。

 受け取ったら早速検品し、問題なければOK。期待と違うものが届いたら、写真を添付して最初に質問したメールに返信する形で送る。ここでは、次のように書く。

 「説明と違う商品が届きました。交換(返金)してください」

 文面はシンプルでよく、具体的に何がどう問題なのかも書く必要はない。写真は、届いた箱の外観1枚、中身を開封して並べた様子を「遠くから」撮ったもの1枚でOK。相手は翻訳して読むので文章はシンプルに用件のみとし、写真は拡大撮影できない事情前提で遠くからでよい。

 送ってきた箱、代引きの領収書、送り主の連絡先が書かれた伝票を捨てないよう注意する。

 

相手から返事がこなかったら

 最初の質問メールで相手の返信にかかる時間がわかっている。それを待っても返事が来なかったら、伝票に書かれた送り主(代行業者)に連絡して次のように言う。

 「注文と違うものが届いたので、交換(返品)したい」

 これも、具体的になにがどう違うのか、細かいことを言う必要はない。代行業者も販売元もクレームが本当なのか、チェックや検品などしない。

「販売元に問い合わせてくれ」といわれたら、

「販売元と連絡が取れない、詐欺の可能性があるので警察に相談する」

でよい。代行業者は調べられると困る事情があるから、大抵これで動く。

 代行業者は中国の販売元と連絡を取って返品や返金の了解を得てから、こちらに連絡をするだろう。販売元は「返品」を最も嫌う。これを要求すると別の提案(別の商品をサービスする、交換、減額)をして来ることがあるので、どうしたら納得するのか、よく考えておきたい。

 代行業者が電話にでない、連絡したあと無視する場合は、Webゆうびんから内容証明郵便で同じ文面のお手紙を送る。返金先の銀行口座と、期限を書くのをわすれずに。警察に相談する場合はいきなり署にいくのではなく、総合窓口9110を利用する。

 内容証明郵便を送っても、代表者のフルネームがわからないと実効性は低い。警察に相談するにしても「コピーと知って買って騙された」などという事情を話すことなるし、お金が戻ってくる保証もない。

 

「代引き」を可能にする配送代行業者は何者か 

 注文を入れると、中国にある商品が「代金引換」で手元に届く。この仕組みを可能にしているのが、日本の配送代行業者。

 会社は確かに日本国内に実体があるが、事業内容や代表者が不明なことがほとんど。設立も最近。これは定期的に 廃業→設立 を繰り返しているためとみられる。また、複数の販売元の配送を代行している可能性が高い。

 代引きのお金はまず代行業者の口座に入金されるので、買い手がゴネた場合は返金する。もし代行業者を通さず直接買った場合、相手に無視された時点でおしまい。代行業者は実質的な買い手保証を担っているといえる。

 コピー商品は代引きで注文し、代行業者と連絡をとれる形にすることが鉄則である。

 

アフターサービスは?

 基本ない。コピー商品には高価なものがあるが、壊れたらオシマイの使い捨て消耗品である。国内で修理してくれる時計店はないし、修理すると書かれたサイトで注文しても、いざ修理となったときは無視されておしまいだろう。

 自分でオーバーホールするスキルが無いなら、高価なコピー商品を買ってはいけない。

 

まとめ

 コピーをコピーと知った上で個人用に買うのは自由であり、違法でもなんでもない。商標権や意匠権を侵害しているのは「作り手」であって、「買い手」である私達消費者は関係ない。私たちが個人で使うために買うこと自体は問題ない。

 コピー商品を買う場合は、必ず代引きで購入する。トラブルが起きた場合は、上記の手順を参考にする。

それと、東京税関のチラシは、こう書くべきだろう。

コピー商品は商標権や意匠権を侵害していますが、買い手は関係ありません。
個人消費で買うのは自由で、なんの違法性もありません。
でも皆さまの為にならないと思いますので「没収」することにしました。

 

<参考購入先>
N級時計 アマゾンで時々ステルス出品をみかける(写真は2026年2月)。写真はCleanのおそらく本物だが、値段からして届くのはおそらく偽物。代引きで払った分はアマゾンは保障しない。「あのCleanが、ロレックスが、こんな値段で買える!」わけないので注意したい。

アマゾンでステルス出品されているロレックス 

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9.Clean の日本直販サイト もしかしたら修理が期待できるかもしれない。