ロレックスが2万円?スーパーコピー N級品を買って何が悪いの?

ブランドのコピー商品は昔からあるが、その中で最も精巧なものをスーパーコピー(N級)という。今回は、これを取り上げる。

 

N級の品質

近年のN級の品質が良くなっている。顕微鏡やルーペでよく見ないとわからないレベルにあり、ムーブメントまで精密にコピーされている。その見分けはプロでも難しく、一般消費者にはまずわからない。本物を100点とすると、N級は95点以上のレベルにあるようだ。

N級ロレックスの例 2.8万円(税込)[3]
正規品は、570万円前後(約200倍)

ロレックスの場合、正規品との価格比は、なんと200倍!これで95点のモノが手に入る。これでは、正規品を買おうと思う人は、ほとんどいないだろう。

このようなN級商品は海外の工場で生産されており、特に次の2社の品質が高く、コレクターもいるようだ[1]

noob製 JF製

 この調子でいくと、N級の品質が本物を上回るのは、時間の問題かもしれない。

 

ロレックスの中古はガラクタ?

 ロレックスのような高級時計は定期的にオーバーホールに出す人が多い。すると、いくつかの部品を交換してピカピカになって戻ってくるが、精度のレポートがない。

オーバーホールは外観と精度の2つの価値を復元することではないのか?

 精度で重要なのは、一日にいくら進むとか遅れるとかではなく、6姿勢の歩度である。これが結局、日常の進み遅れに関係するスペックになる。

 高級時計にはその(Before After)のデータを求めたい。なぜなら、ここにオーバーホールの結果が数字で現れるから。

 高額な製品では、上限、下限の2つの温度で6姿勢の歩度を測って、平均、最大、最小値が、いくつである。規定はこうだから、合格(不合格)という測定報告書がないといけない。

 データが悪いものは、いくら外観が綺麗でも資産価値ゼロ、ガラクタである。

 ところが、6姿勢の歩度を測れ、というと、時計屋は嫌がり普通やらない。なぜかというと、万一スペックが悪い場合、仕事が終わらないからだ。測らせても規定がなく、合否判定できないことになっている。

 時計屋にとって、オーバーホールは、文字盤や針などを交換し、注油し、ケースやバンドをよく磨いてオシマイにしたい作業であり、精度の価値は復元しないし見ないことにする。このようなガラクタかどうかわからない中古を買うなら、N級新品のほうがいいかもしれない。

 ところで、オーバーホールは3年ごとに必要と言う。これはメイビスという経時劣化するオイルの使用が原因[6]。この業界では、こういうことが連綿と続いている[7]。シチズンはメイビスの品質の悪さに気づいたようで、独自開発したオイルを使っている[8]

 オーバーホールに出すと、経時劣化するオイルを注油するほかに、交換しなくて良いものを交換される。それは、外すときに傷んでしまう(ことがある)ため。つまり、出すたびに余計なカネを取られる。フッ素オイルを使えば、一生オーバーフローしなくて良くなるはず[7]。だが、その検討もされない。

 結局この業界は、顧客第一ではなく、業界の金儲けが第一、というわけである。

 

コピー品を買うな!記事が多いのはなぜか

コピーを本物と偽って売ろうとすると罪になるが、個人で消費する分は問題ない。そもそも何を買おうが個人の自由なはずなのに、買う事自体が悪のように誤認させる記事が多い。

口を揃えて「買うな!」

という理由は、こういうものが売れると、業界の関係者にとって都合が悪いから。コピーが売れたり、修理できて長く使われてしまうと、それで十分と考える人が増えて本物が売れなくなる。ブランドの価値が下がるというわけだ。

なので、「買うのはやめようね!」という記事を流して「壊れても修理しないよ」という姿勢で結託しているのだ。

 下請けの時計職人さんは、N級のホーバーホールを新たなビジネスと考えてもらいたい。「コピーなんぞ!」と思う人は、一度蓋をあけて見るといい。

 

コピー品が選ばれるのはなぜか

 コピーが選ばれる理由のひとつに、本物が高すぎることがある。

 例えば、N級ロレックスの値段はN級グランドセイコーとそんなに変わらない。ということは、

ロレックスはグランドセイコーとそんなに変わらない値段で作れる

ということである。

 ところが、グランドセイコーの正規品価格差は約20倍。N級ロレックスは200倍にもなっている。N級2万円のロレックスなら、ブランドのプレミアムを考えてもせいぜい100万円(50倍)以内で売るべき商品ではないか。

 「職人が」「仕上げが」という話もわかるが200倍はボリすぎである。最初から適正価格で売っていれば、コピー品に一々イライラすることもなかろう。

 

コピーを買うのは違法か

私たちがコピーを買うこと自体は、違法でも不正でもなく、何も問題ない。コピーによって商標権や意匠権を侵害しているのは「作り手」であって、「買い手」である私達消費者は関係ない。

消費者にコピーを買わせないための方策は、いまの所、良心に訴える以外ない。そこで次の文句をみかける。

「不正に加担することになるよ! 買うのはやめましょう!!」

どのような訴えも、価格200分の1の魅力の前では無力だ。本物であれコピーであれ、品質が良くて値段が安いものが選ばれるのは自然なことであり、それが自由競争というもの。

業界のチラシや宣伝は、コピーを買うことを、あたかも不正や違法であるかのように誤認させる書き方をしているので注意したい。

参考:東京税関のチラシ

 

コピー品の用途

コピー品に最も適した用途は、プレゼント。モノにこだわりがない人に喜ばれるだろう。「コピー」は聞こえが悪いので「これレプリカだよ」といって渡せば問題ない。ベンツのデザインをパクったカローラに乗ることが気にならない人にとって、実にいいアイテムである。

自分で使う場合は、コピーとわかった上で使えば問題ない。

人に見せびらかすのはやめたい。コピー品は「偽り」のアイテム。もし本物と誤認させたら、バレなくても自分が「嘘つき」になる[2]

いずれにせよ、値段が200倍(中古でも数十倍)する本物を1本買うなら、N級品を10本買って、毎日違う時計をつける使い方をしたほうが、はるかに良いだろう。

 

どこで買うか

コピー品は基本、壊れたらオシマイの使い捨て消耗品。国内で修理してくれる時計店はない。

「N級」をつけて検索すると日本語サイトがヒットするが、コピー商品を販売目的で日本に持ち込むことはできないため、販売元は基本的に中国にある。

注文すると国際郵便で送られてくる場合がほとんど。保証すると書いてあっても中国向けの返送は厄介であり、保証は無いと思っていい。

数少ないが、返送先が日本国内にあるショップもあり保証や修理が期待できる[3]。N級コピーを買うなら、こういうショップが候補になるだろう。

コピー品の個人購入は違法ではないが、税関で没収されることがある[5]。この場合、代引きで買えば問題ないN級時計はアマゾンにも出品されており、届かなければ保証で返金される。

 

まとめ

 コピーをコピーと知った上で個人用に買うのは自由であり、違法でもなんでもない。商標権や意匠権を侵害しているのは「作り手」であって、「買い手」である私達消費者は関係ない。つまり買うこと自体は、何も問題ない。

コピーを買うのを「悪」にしたいのは、業界関係者の都合にすぎない。そこで結託して排除しようとしたり、関税で没収するルールを設けるのは、自由競争に反した不適切な行動である。

問題は、元々そんな価値のないものに不適切な値付けをして中古価格を吊り上げ、劣化するオイルを使ってオーバーホールで儲けようとする、業界の構造にある。

コピーを選ばれて困るなら、消費者が見向きしないよう、本物の価値を値段相応にするなり、価格を見直すなりすれば良い話である。

それと、東京税関のチラシは、こう書くべきだろう。

コピー商品は商標権や意匠権を侵害していますが、買い手は関係ありません。
個人消費で買うのは自由で、なんの違法性もありません。
でも皆さまの為にならないと思いますので「没収」することにしました。

 

<参考購入先>
N級時計

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機械式時計に見る現代の幻想と現実をめぐる話

<関連サイト>
NOOB工場
NOOB工場日本公式代理サイト
JF工場