【2024夏】ネッククーラーの選び方

屋外の暑さ対策といえば以前から空調服がある。ところがこれ、着ぶくれしているみたいでカッコ悪い。室内でファンを回すと騒音で迷惑をかけ、いちいち脱ぐのもめんどくさい。もうょっとマシなものはないか・・

アマゾンを見ると、いろんな冷却アイテムがある。このようなアイテムは、今後、外出の必需品となっていくだろう。今回は、そのいくつかを買ってみたので、紹介する。

 

商品レビュー

ネッククーラー Alybesの商品 実売価格3,600円(レビュー割引後 2,600円)

ペルチェ素子搭載、3,000mAh 本体実測249g(実測値)

ネッククーラー本体 本体をたたんだ様子

コンパクトに折りたためる。風量4段切り替え(OFF、弱、中、強)ペルチェ冷却ON/OFF。

空気の吸入口

ペルチェは電流を流すと片方が冷たく、反対側が熱くなる素子。冷たくなる側を首に当て、熱くなる側をファンで放熱する仕組み。効率が悪く電気を食う。

運転時間は風量弱+ペルチェの運転で2時間。充電はUSB-C。

風は本体とほぼ垂直にでる仕組み。頬と耳に当たる。風の出口がスムースな形のため気流騒音が少ないが、耳に当たると不快な風切り音が出る。これはテープで根本の出口を塞ぐことで改善する。

風の出口

作りが雑で、ビリつき音が出ることがある。

<屋外の使用感>

 風量をあげても比較的静かであり、長時間装着していられる。風は頬を軽くかすめつつ上に逃げるだけ。屋外では風が出ている実感がない。自然の風と大差ない。首元のペルチェは気休め程度。

 結局このアイテムは風やエアコンの無い屋内作業用か。屋外の炎天下では無力なアイテムである。

 

ネッククーラー Neck Fan A1 実売価格 3,000円(レビュー割引後 1,000円)

ペルチェ素子搭載、4,000mAh 本体重量 304g(実測値)。少し曲がるだけで、コンパクトに折りたためない構造。形はエイリアン(映画)に出てくる宇宙船そっくり。

ネッククーラー本体

風量はダイヤルで無段階調整が可能。ペルチェ冷却はON/OFFのみ。電池の容量が大きい分やや重いが、首掛けで気になる重さではない。電池の残量が表示される。

風量調整ダイヤル 電池残量表示

ダイヤルはエンコーダーのため、ストッパーが無い(マウスのホイールと同じ)。ダイヤルを動かすと設定風量がデジタル表示されるが、装着した状態だと見えない。ダイヤルを回してしばらくたつと、電池の残量表示%に戻る。

内側に曲げても頬に風があまり当たらず、涼しさを実感できない。風量を上げるとうるさくてたまらない。これは、モーターが首の根元(耳のそば)にあるためと、出口から出る風きり音が大きいため。構造設計は上記製品の方が優れている。

<屋外の使用感>

 屋外ではほとんど風が出ている実感がなく、風量をあげれば煩くなるだけ。首元のペルチェは気休め程度であり意味なし。炎天下では無力。役立たず。

 

ネッククーラー THOUSTAの商品 実売価格 7,400円(レビュー割引後 5,900円)

ペルチェのみ(ファンなし)の商品。30,000mAh。本体重量208g+バッテリー381g(実測値)

ネッククーラー本体 本体をたたんだ様子

本体と大容量のバッテリーがセパレートしている商品。スプリングが付いていて、装着するとシルバーの冷却部が首を取り囲むように圧迫する。本体は軽いが、バッテリーがデカくて重い。ポケットに入れるには大きすぎる。

バカでかいバッテリーのおかげで強でも8時間もつという。そこまで必要ない場合は「バッテリー無し」を選んで10,000mAhの商品を買えば格段に携帯性が良くなる。

運転は強弱2段回。ファンがついているがペルチェ素子の冷却用であり、肌に当たる風は出ない。ファンが回ると骨伝導で振動が伝わり、無音とはいかない。

ペルチェの冷却ファン ペルチェの冷却ファン

バカでかいバッテリー。横に電源スイッチがあり、押すと待機が解除される。オン専用であり、ポケットやカバンの中で再度押されたり長押しされても切れない。電流が流れない時間が続くと自動的にオフになる。PDに対応しており充電が速い。

付属のモバイルバッテリー

<屋外の使用感>

 冷却部が当たっている箇所が局所的に冷たい。炎天下でも暑さの緩和に多少の効果がある。とはいえ、首元を水で濡らしたほうが涼しく感じる。首に当たる部分に縦溝を何本か掘って、ペルチェの結露水で冷やしたほうが良い気もする。

 つまりペルチェで冷やすのではなく、ペルチェで冷たい水を作って、それで冷やす。そんな商品がほしい。

注意:青文字の部分は執筆時点で他に類例がないことを確認しています。無断商用転用(パクリ)を禁止します。

 

PCMクールリング 実売価格1700円

PCMを使ったクールリング。PCMは液体に戻るまで吸熱する素材[2]。身近なPCMに氷がある。この商品は24℃まで固体を維持するので、体温より3℃くらい低い状態を長く保つことが出来る。このタイプは、持ち時間が容量に比例するので、できるだけ大容量を選ぶのがポイント。

クールリング

初期温度は冷たいほど長持ちする。冷凍室に入れてカチカチに固まることはない。

<屋外の使用感>
 全体が完全に液体に戻るまでの約1.5時間、首の裏側を冷やすことが可能。結露によって出る水も冷却に寄与する。こちらが主体という話も。上記のペルチェ式より冷たくならないが、効果を実感できる。

首に触れている部分は一部であり、本体全体が外気を吸熱するので効率良いとは言えない。首にピッタリ密着する小さめのサイズがよいが、容量が減ってしまう。最適形状は、太く、径の小さいものになりそう。

長時間持たせたかったら、2本用意して交互に使うとよい。外出用に専用保冷バッグが市販されている。ただし、これだけで暑さをしのげるわけではない点に注意。

 

冷却ベスト ポンチョ 1300円~3000円

 ベストとポンチョの2種類が市販されている。モノはカー用品店の洗車売り場にある拭取りタオルと同じ。吸水性の高い素材でできていて、乾くとカピカピになる。モノの付くはとてもシンプル。これは、服を濡らして着るのと同じ。気化熱を利用したもので、冷房の効いた室内では寒すぎて着ていられない。持続時間はおおよそ2時間。

冷却ベスト

 肌に直接、ではなく衣類で挟んで使う良い。目立つブルーが気になるが、ベストの上から何か着ると部分的に水がしみついて汗だくになったような見た目になる。

 プライベートな外出では目立ちすぎるブルーが問題になるため上着が必要。室内に出入りする場合、室内では脱ぎたいことがあるが、上書きを脱がないといけないので面倒。

冷却ベスト

 上から「はおる」だけの冷感ポンチョ。半袖を着ていても手元が隠れてくれる。簡単に脱着でき、炎天下で全身に涼しさを感じられ、移動車両や室内では小さくまるめてカバンにしまえる。

 保水量が少ないが、乾いたらトイレなどで水に湿らせれば簡単に復活する。これら商品は、炎天下で上半身を冷やせる数少ないアイテム。いまのところ、一番のお勧め。

 

水冷服 13,000円~

 空調服に代わる候補。風だけ送る空調服の適用限界は気温30℃といわれる。これ以上高いと熱風を送るだけになって涼しくない。近年氷水を循環させる水冷服が登場している。自然解凍に任せるためあまり長持ちしないが、ペルチェなどと組み合わせて持ち時間を改善した商品が登場するかもしれない。

 

日避けと組み合わせる

 太陽の直射エネルギーは1kW/m2もある。これは電気ストーブやトースターであぶられているのと同じ。これを遮らない限り何をしても無駄。何をつかうにせよ、日傘[3]や帽子の併用は必須と考えたい。帽子は日よけカバー付きのサファリハットがお勧めだ。

サファリハットサファリハット(裏側)

日よけカバー付きのサファリハット。風で飛びやすいのであごひも必須。モノは大きいがツバを折り曲げてカバンにしまうことが可能。

 2024最強コンビは、サファリハットポンチョ に、PCMクールリングかやペルチェのネッククーラーの組み合わせ。これで、炎天下の活動が快適になる。

 


 

商品を選ぶときの注意

 アマゾンに並ぶ冷感商品は中華製がほとんど。アリババで「neck cooler」で検索すれば製造元と卸価格が解る。多くが2~3ドル程度のオモチャ、ペルチェ付きで6~10ドル。品質はあまり期待できない。

ライバルが多いため競争が激しい。二重価格と割引は当たり前。レビューの獲得に必死で「★5つのレビューを書いて千円~2千円」のプレゼント券が付属することが多い模様。レビューはアテにならないもの、と考えておきたい。上記の「レビュー割引後」は、このプレゼント券適用後の金額。信頼できるレビューは、数少ない低評価の中にある[1]

大抵1年補償が付く。LINE登録で半年の延長保証を付ける出品者もいるが、夏の暑い時期しか使わないもの、あまり意味がない。

おまけのカード

 

<参考購入先>
ネッククーラー

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