電子レンジの扉が固い。まるで何かに張り付いてるかのよう。一度開けると軽くなるが、しばらく経つとまた固い。この繰り返し。今回は、この問題を詳しく調べた。そこでわかった原因は、意外なものだった。
対象のレンジは日立MRO-LS8。スチームオーブンレンジ。調理メニューが沢山並んでいる。購入日2013年1月なので、もうすぐ9年になる。
使うたびに扉が固い。張り付いたような感覚があり、扉を引っ張ると本体が動くので支えながら開けないといけない。レンジの機能は何も問題ないから、買い替えはできない。この先、このストレスを我慢して使い続けるのか・・
そこで今回、この原因をくわしく調べた。最後に、9年使ってわかったレンジ選びのコツもご紹介する。
モールの張り付き?
最初疑ったのがこれ。扉の縁がべたついていると、それがくっついて固くなる。扉のガラスの縁にあるモールが劣化してベトベト。これが張り付くのか。良く調べると入口の寸法より小さい。つまり、どこにも接触しておらず関係無かった。
扉スイッチの固着?
扉スイッチの出っ張りが上下2ヵ所ある。下の出っ張りは穴に入るので、中で引っかかっている?と思ったが、マイナスドライバーを差し込むと押し戻される。どっちも扉を開く方向の力が働いており、関係無かった。
ローラーの潤滑?
カバーを取ったところ。下の方にローラーとアーム、スプリングが見える。同じものが左右に付いている。ネットを検索するとここのトラブルが多い。
このローラーの滑りが悪いのか?そう思って取り外し軸にグリスを塗ってみたが関係なかった。
スプリングが強すぎ?
扉アームのスプリングには、引っ掛けるミゾが2か所ある。手前にかけるとバネが少し弱くなる。正面からみて、左のアームは弱い方、右のアームは強い方の溝にかけてある。右を弱い方に変えてみたが、関係無かった。
スプリングの引っかかり?
外からカバーの穴を覗くとスプリングが見える。これが板金加工されたエッジに微妙に触っている。穴を内側から叩いて触らないようへこませてみたが、関係無かった。
アームの勾配がきつい?
扉を開けるとローラーがアームの出っ張りを押し上げるが、この最初の抵抗が原因かもしれない。動き始めの最初の部分をの少しヤスリで削って滑らかにしてみたが、関係無し。
試しにアームを外してしまうと問題の現象が起こらない。やっぱり、アーム、ローラー、スプリングのどこかに原因がある。これだけ対象が絞り込まれていて、しかも単純な構造なのに、このワタシが原因にたどり着けない。いったいどういうこと?
結局これだった!!
その後、レンジを使うとすぐ固着することが判明。使用中、カバーの板金穴から温風が出ている。もしや・・・
スプリングを触ってみるとベタベタしている。溶剤で洗って、バネの隙間にグリスを塗り込んでみた。
当たり!!
長年使ううち、スプリングに粘度の高い油分が付着し、それが固着の原因になっていた模様。レンジを使うとこの油が熱で溶け、冷えると線同士が貼り付くという理屈だった。
コレならレンジをバラさなくても、外の穴からスプリングにオイルをスプレーしたら改善する話。もし修理でサービスを呼んだら、バネを交換して安くない修理費を払うハメになっていたろう。よかった。
レンジ選びのコツ
9年使ってみてわかったレンジ選びのコツは次の通り。
1.庫内が出来るだけ広いこと(今回修理したMRO-LS8は31L。30Lは欲しい)
2.W数と加熱時間を、数字で設定できること
結局、基本はこれに尽きる。
高級レンジの違いは、役にたたん調理メニューがパネルにズラリと並ぶことだけ。このレンジもたくさんあるが、結局そのいくつかを1回使っただけ。それと、このレンジには重さを計る仕組みがあるが、容器の重さがマチマチなので意味なかった。
<参考購入先>
電子レンジ 大きくてシンプルなものがベスト。余計な機能は必要ありません
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