アルカリ電池の恐怖2

 アルカリ電池は賞味期限が切れる前に取り出さないと液漏れして機器を修理不能にしてしまう可能性がある。現在では、電池の賞味期限(自然劣化による消費期限)は、アルカリ電池が製造から2年、マンガン電池は3年というようにマンガン電池の方が長い。ところが電池の持ちについては、アルカリの方が2倍いいというのが通説だ。

 アルカリ電池が安く店頭に出回るようになってから、その性質をよく知らずにマンガン電池と同じ調子で使ってトラブルに遭う人が増えているらしい。アルカリ電池は賞味期限が短いのでマンガン電池のように買い置きができない。これを知らずに古い電池を使ってしまうこともトラブルをより起きやすくしているようだ。

 

 マンガン電池の場合、大抵賞味期限が切れる前に電池の方が先に切れてしまう。マンガン電池が一般的だった頃は、「電池が切れたら交換すればいい」という考えで運用してもさほど問題なかった。ところがアルカリ電池は長く使えるので、「まだ使えるから」といって交換をサボっていると知らない間に液漏れして機器をダメにしてしまう。アルカリ電池は、電池を使い切る前に寿命が先に来てしまうのだ。
 実際、液漏れしたアルカリ電池の賞味期限を見ると(本体に刻印されている)、数年程度のものが多い。

 アルカリ電池、マンガン電池は、それぞれに適する用途が異なる。リモコンや時計、非常用懐中電灯など、細く長く使う用途にはマンガン電池、デジタルカメラやポータブル機器、オモチャなど、大きな電気を短時間に消費する用途にはアルカリ電池が向いている。基本的に、マンガン電池で1年持たないところにアルカリ電池を使うようにすればいい。

 この使い方を逆転すると問題が起こる。アルカリ電池をエアコンのリモコンや時計に入れると、電池が切れる前に液漏れする可能性が高い。現代の家電はリモコンがないと動かないから、リモコンが壊れると買い換え需要を喚起できる。ちなみに家電製品は製造終了後7年過ぎると修理不能になるから、7年過ぎて壊れれば換えざるを得なくなる。

 

 本来は用途に応じて複数の電池を運用するのがベストだが、世間ではアルカリ電池が主流でマンガン電池は駆逐されつつある。リモコン用に単四のマンガンを求めると入手に苦労することも多くなってた。現実に電池を使い分けようとすると、余って無駄になったり、面倒なことが多い。今後はアルカリ電池に統一して運用するのが適当かもしれない。

 アルカリ電池でも上手に運用すればトラブルに遭わなくて済む。そのポイントは、「計画的な電池交換」にある。これは大掃除をする年末を一つの節目として考えるといい。毎年、年末のこの季節に、自宅にあるすべての電池を漏れなく全部交換してしまうのだ。使っていない機器からは抜いておく。これが最も安全である。忘れがちなのが、カーナビのリモコン、ガス石油器具、クッキング秤や体重計、タンスや押入、外の物置にしまい込んだカメラやオモチャ類である。大掃除のついでに、徹底的にチェックして欲しい。

 年に1度、全部を交換することで、液漏れの原因である過放電、充電、新旧混合、異種混合[1]の4つをすべて防止することができる。アルカリ電池は切れたら即交換もしくは取り出すのが鉄則だが、もしそれを忘れても1年以内にチェックすれば助かる率も上がる。

 年に一度交換しても、安いノーブランドの電池を使ったり、多数を直列に使うケースでは液漏れのリスクがある。国産の信頼できるブランドの電池を買うことは絶対で、4個以上使う機器はまめに点検することをお勧めする。アルカリ電池はリスキーな電池であることをくれぐれも忘れないで欲しい。

(2014/2 補足)
本記事は2004年の状況に基づくものです。現在はエボルタなど優秀な電池が出現し賞味期限は格段に延び液漏れのリスクも少なくなっています。

 

<参考購入先>
エボルタ 進化したアルカリ電池。液漏れのリスクが少く安心して使えます
エネループ 進化したニッケル水素電池。メモリー効果を気にせず使えます

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<参考文献>
[1] 乾電池に対する考察
 液漏れの原因は、過放電、充電、逆入れ、新旧混合、異種混合のいずれかによって内圧があがり、安全弁が作動してガスが抜ける際に内部の液が一緒に出てしまう、ということらしい。