電話が繋がらない 聖徳太子チャット~カスタマーサポートの問題

 企業とお客様の接点は、販売現場以外に「お問い合わせ窓口」がある。高い収益は、販売現場の努力だけでは達成できない。長期にわたり高い収益をあげている企業は優れたカスタマーサポートに秘密があるようだ。

 今回はお客の側から見たカスタマーサポートの問題と、その対策についてご紹介する。

 

問題がある企業のカスタマーサポートの特徴

1.問い合わせ窓口をわかりにくくしている
 問い合わせから入ったお客様をコミニュティや質問掲示板に誘導し、会社の窓口を示さない。

2.問い合わせ手段を限定している
 電話、もしくはメールのいずれかしか受け付けない。

3.十分な回線と人員を設けていない
 電話しか受付けない形にしてひたすら待たせる。何時間もつながらないまま受付時間が過ぎてタイムオーバー。お客様のストレスはMAXに。

4.受付時間が短い
 平日10:00-16:00、昼休み土日祝日除くなど、受付時間を自社の勤務時間の都合に合わせている。

5.確認メールを返さない
 Webやメールから問い合わせした場合、整理番号も発行しなければ、内容確認メールも返さない。

6.申請手続きを複雑でわかりにくくしている
 解約、キャンセル、返品、交換、保証申請など、自社に都合の悪い手続きが複雑になっていたり、申請窓口が見つけにくいところに設置してある。

7.保障申請すると、手間と時間のかかるテストや作業を求められる
 テストして結果を報告しないとその後の手続きを進めない。

8.聖徳太子チャットしている
 複数の顧客を相手に同時チャットすることを「聖徳太子チャット」と名付けた。別の人のチャットに気を取られていて、返事を書いてもしばらくレスポンスがない。複数の話の流れが頭に入らないから見当はずれの回答をしたり、同じことを何度も聞いたりする。はっきりいって顧客に失礼である。

 

 そもそも、カスタマーサポートは何のために存在するのか。もちろん、「お客様」のためだが、コストがかさむのを理由に受付担当者を減らして形だけの存在になっている。これではいくら販売が頑張ってもサポートでマイナス。結果的にカスタマーエクスペリメンス(顧客体験の質)が低下してしまう。

 つまり優良企業は 販売+サポートで1+1=2になっているが、サポートがダメなところは 1-1=0。この差は大きい。

 3の問題はOricoがやってる。4の問題は昔ニンテンドー(下記)で見られたが改善された。ヤフーには1、2、5の問題が見られる。よくある質問で検索させ、知恵袋に誘導する。会社の窓口に通じる道を作らない。6はNHKが代表。7はマウスコンピューターやインテルなどにみられる。8はノートンがやっている。

 

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問題事例:ニンテンドーのサポート (2009/8/21)

 

 ニンテンドーからWi-Fi USB コネクタを買ってみた。しかし、どうしてもうまく繋がらない。この私が、はじめてサポートというものに電話してみた。

 ニンテンドーのサポートに連絡を取ろうとしてまず困ったのが、受付が電話のみで、それも平日の昼間だけなことだった。

 ニンテンドーのサポートは対応時間帯が短かすぎて仕事に出ている人は連絡できるタイミングが無い。顧客の都合がつく時間に連絡できないのでは、サポートが無いのと同じこと。

 結局、Wi-Fi USBコネクタの問題は、「IPアドレスの設定」と、「ファイル共有ポート開放」の2つを手動設定することで改善した。おそらく多くの人が苦労したと思う。

 

「たらい回し」の問題

 

 PC機器やソフトでよくある問題に「たらいまわし」がある。ニンテンドーの例でいくと、

「お使いのハードが壊れているんでしょう、パソコンを作ったメーカに聞いてね」
「それはOSの問題ですね、マクロソフトに聞いてね」

といわれて、メーカーやマイクロソフトに「ニンテンドーと繋がらない」と電話してしまうかもしれない。すると

「それはニンテンドーのせいでしょう。ニンテンドーに聞いてね」

となるのがオチだ。他社のせいにするのは、まず自社製品に問題が無いことを実証した後でなければならない。この場合はせめて「自社にご案内できる情報はございません」というべきで、「どこそこに聞いてみたら?」というのは余計なアドバイスだ。

 


 

消費者側の防衛策

 運悪く問題のあるサポートを利用するハメになったらどうしたらよいか。返事が来ない場合は督促を出すことになるが、延々待またされない為に、必ず回答期日を明記しよう。

 対応が納得いかない場合「消費者センターに連絡するぞ」という人もいるが、ここは報告を受けてアドバイスをくれるだけ。

 この場合、「社長にお手紙を出します」というのが効果ある場合がある。サポートの対応が悪いのはその担当個人か、担当部署の問題の可能性がある。社長に直接連絡すればトップダウンで「何をしておる」とチェックが入るから、担当だけでなく部署の責任者も心穏やかでいられなくなる(但しこの手は、国内の大企業のみ有効)。

 いまは内容証明、配達証明つきの電子郵便をネットから簡単に出せるから、社長宛に郵便を出すのはとても簡単だ

 最良の防衛策は、いうまでもなく、最初からサポートの悪い企業の商品やサービスを利用しないこと。例えば、電話代をお客様に負担させておいて一日中繋がらなくしているOricoは、契約してはならないカード会社の一つ。

※:巨大組織が相手の場合は相手を選ぶ必要がある。NHKの解約ならお住まいの地域の支局長が妥当だ。手紙を出したらいままでやりとりしたメールはすべて保管し、電話がかかってきたら必ず録音しよう。

 

巨大外資系企業のカスタマーサポートにはこう対処する

 インテルやマイクロソフトなどの巨大外資系企業のカスタマーサポートは各国に分散していて、こちらから組織や責任体制が見えない。担当者はマニュアルや規定に沿って動くだけなので、そこでゴネたり苦情を言っても無駄である。

 彼らは情報さえ出してやればスムースに動くので、こちらに都合よく事が進むよう情報を出してやるのが得策だ。出した情報の真偽について詮索されることはまずない。このように相手の立場や性質をよく理解して、無駄なエネルギーや時間を使わないで済むようにしたい。

※:外資系企業の商品で不具合が生じた場合、一々商品を引き取って調べることはほとんどない。質問や、チェック項目の調査、写真の要求などがくる。これらを出して問題が認定されると新品が送られてきて、古いやつはそっちで破棄してください、で終わることが多い。これはサポートが中国や韓国にあるため。

 

優良企業に見られるカスタマーサポートの特徴

 ほとんど上記の裏返しになるが、補足事項だけ追加する。

1.夜間や休日に受付している
 夜は9時まで、土日も対応する。

2.電話を待たせない工夫をしている
 電話予約のシステムを導入している(予約すると向こうからかかってくる仕組みがある)

3.応答時間を明記している
 電話の待ち時間をリアルタイムで表示したり、繋がりやすい時間帯の表などが見える仕組みを作っている。メールやWebの場合は「必ず24時間以内にお返事します」などという表記がある。

 

 パナソニックやアマゾンは、質の良いサポートを展開している代表企業だ。パナソニックは最後まで、お客様本位の対応をする。Webサイトの構造も利用者の利便を第一に考えてある。作る商品が少々マズくても、商品を買うとき、パナソニックはいつも第一候補になる。

 アマゾンは返品に寛容なのがうれしい。出品者ではなく消費者を大切に考える姿勢なので安心して買い物ができる。おかげで私の通販買い物は9割がアマゾン、残りが楽天になっている。

 良質なカスタマーサポートを展開する企業はほかにもたくさんある。このようなカスタマーサポートに力を入れているところは例外なく企業イメージがよく、そのことが利益の拡大に繋がっている。長期的に利益を上げている企業の秘密は、こんなところにあるのかもしれない。

 

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