サイフォン呼び水の失敗をゼロにする

 サイフォンはいろんなところで利用される。身近なサイフォンの例は灯油をストーブに入れるときのホースだ。サイフォンの原理を知らず、満タンになるまでひたすらシュコシュコやっている人はあまりいないと思う。

 サイフォンのいいところは無動力で液体をAからBに移送できることだが、使いにくい面もある。呼び水が必要なことと、止めるとき液が止まらなくてこぼしやすいことだ(出口を持ち上げてしまう人が多い)。最大の課題は「呼び水」で、ホースを持って汚水に手を突っ込んだり、クルマからガソリンを抜こうとして口に入れてしまった人はいないだろうか。

 ホース1本で作動するシンプルなサイフォンだが、実用にはこのような課題を解決する必要がある。今回は一番やっかいな呼び水が安全確実に出来るしくみを考案した。構造は簡単でT分岐またはY分岐の2箇所それぞれに2本のチューブを挿すだけ。使い方は次のようになる。

saifon2 saifon

 

(1)右図のようにb点をAの液面より上に、分岐点をAの液面より下に配置する。b点は口で吸う吸い口、c点は排水口になる。a点(吸込口)の先端が平らだと容器の底に吸い付いて効率が落ちることがある。切込みを入れるか、斜めカットしておくとよい。

(2) c点を指で塞ぎ、b点を口で吸う。

(3) Aの液が分岐点まで流れたら、c点を開放する。これでサイフォンが動作し移送が始まる。c点をさらに下げると高低差が増え水量が増す。動作を確認したらb点から口を離してよい。 
 チューブに2に入った液は口を離すとすぐに排水されて空気だけになる。b点を下に向けると液が出ることがあるため、チューブ1に止めておくとよい。

(4)移送を止める場合は a点を液の外に出し、そのまま持ち上げてチューブに残った液を Bに移す。
 灯油用のサイフォンは頂部に空気を入れるネジが付いているのでこれを使って止めることができる。サイフォンによる液の移送は、AとBの液面が等しくなるか、Aの液面が c点に達するまで続くため、Bの液面で管理するのは難しい。タンクから小分けする移送ではBの液面を見て手動で止める必要がある。

使い終ったらチューブを洗う。c点を指で塞いで b点を口で吹くことでチューブに残った洗浄液を排水できる。

 

<注意>
・あまり勢いよく吸わないでください。液が勢いよく上昇して口に入ってしまうことがあります。チューブ2の途中にバッファ(中間容器)を付けると口に入る可能性が減りますが、可能性ゼロにはできません。口に入ると危険な液は最初から本器具を使わない方が良いでしょう。
・チューブ2 は液が見えるよう透明なものを使ってください。
・触ると皮膚に害を及ぼす液の場合は、C点にコックを付けてください。
・a点を持ち上げて止める際、チューブに残る液が多いと容器が溢れることがあります。目いっぱい入れる場合はこの分を見込んで早めに止めるようにしてください。

 

 サイフォンの呼び水に失敗すると水が逆流してAの溶液を攪拌してしまう。このサイフォンでは呼び水に失敗することがほとんど無いので、上澄みだけを静かに他の容器に移送できる。

 

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