ハードコンタクトの洗浄液を自作する

 コンタクトレンズの洗浄液は結構いい値段する。これを安価なもので代替できれば大きなメリットになる。当館で検討して見つけた、洗浄液の代替品をご紹介する。

 コンタクト洗浄液の主成分は、界面活性剤とたんぱく質分解酵素。界面活性剤を他の洗剤に置き換えるためには、目に入ってよいものでなければならない。体に使う洗剤(ボディソープやシャンプー)は比較的安全だが、香料や保湿剤などの添加物が多く入っていて使えない。

 

界面活性剤の代替品

 添加物の入っていない界面活性剤にG-510 を使う。過去にカーシャンプーを使ったこともあるが、防錆剤や研磨剤などの添加剤が含まれることがあるので、お勧めできない。

 

タンパク質分解酵素の代替品

 水酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムの混合物、すなわち「ハイター」で代替できる。水酸化ナトリウムがタンパク質を溶かし、次亜塩素酸ナトリウムが強力に消毒する。

 実は、プロージェントの主成分がハイターと同じ。ハイターの方は濃度が高いので希釈して使う必要がある。

 

洗浄液のレシピ

 結局ハードコンタクトに使える洗浄液のレシピは次の通り。

 水:G-510(原液):ハイター=100:5:0.01 (重量比)

 

 これでメニコンO2ケアと同等以上の洗浄力が得られる(油の乳化実験で確認済[2])。G-510は掃除用にも使える。そこで、あらかじめ掃除用に10倍希釈液を作っておき用途に応じて薄めて使うと便利[1]。G-510の10倍希釈液を2倍に薄めて100ccとし、そこにハイターの10倍希釈液を1~2滴加えるとこのレシピ通りのものを作れる。

100cc分の材料原価は約25円なのでO2ケアの1/10以下。市販の洗浄液には無い殺菌効果もある。

ハードコンタクトの自作洗浄液

 もう何年も運用している洗浄液のセット。たくさん作ってペットボトルに入れ、小分けしながら使っている。

 

 市販の洗浄液は時々プロージェントでタンパク除去が必要になるが、この洗浄液には最初から同じ成分が含まれているのでプロージェントも省略できる。使用する水も精製水ではなく水道水でよいこともメリット。

 

目が染みる場合(2019/7/9)

 上記レシピで目に染みる感じがする場合はハイターの入れすぎか、すすぎ洗いの不足。どうしてもレンズが目に染みる場合は、レンズをはめる前にチオ硫酸ナトリウム(ハイポ)の3%水溶液で中和洗浄するとよい(スプレーボトルを作っておくと便利です)。

 

ご注意

 ハイターの濃度を間違うと大変なことになる。この記事を参考にして生じた如何なる結果も、当方は一切の責任を負わない。自己責任でトライして欲しい。

 

<参考購入先>
ハードコンタクトの洗浄液 市販の洗浄液。値段を参考

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<改訂履歴>
2015/11/29 界面活性剤をG-510に変更しました。