エアコンを量販店で購入すると、ほとんどの場合、取り付けを契約の取付業者がやる。ユーザーにはその施工品質が見えない。悲劇はそこで起こる。2003年5月4日。エアコン取り付け業者に最悪の手抜き工事をされたのでご紹介したい。
今回の問題は、激安量販店で買った結果起きた話。まずは問題の中身をみて欲しい。これらはすべて、業者が帰ったあと撮影したもの。
室外機のサイドカバーに隙間が。
土台の足は前後4本のビスで止めるものだが、なぜか対角2本だけしか止めてない(写真は下に落ちているビスを拾って、自分でねじ込んだ後)。
配管の潰れを防止するためのドアストッパー。かなり斜めに貼りつけてある。
こちらは反対側。右のビスが最後までねじ込まれなくて、下地の木にヒビが。このタテ桟の取付費が、1本4000円だった。
電源ケーブルの固定部。
手抜きの責任は販売店にある。販売店に状況を説明すると、すぐにこの工事をした担当者がやってきた。一通り問題を説明すると、こう言ってきた。
「こんなところ(ボロい集合団地)にそこまでしても、しょうがないだろ」
このときは普段温厚な私もさすがに頭にきて、帰ってもらった。
激安量販店は落とし穴か?
いい加減な業者は面倒を嫌い、手間をかけたがらない。エアコン工事費が異様に安かったり、取り付け費用サービスとかいう商品は手抜きのリスクが高そうだ。
量販店が手抜き工事屋と契約していることを、消費者が見分ける術はない。ただ、激安を売りにする量販店では、格安で工事をやらせている可能性がある。この場合、手抜きが起こりやすい。なぜなら、「こんな値段ではやってられない」という不満が起きやすいからだ。
同じボロい集合団地のエアコン工事でも、中堅の量販店経由で頼んだ時は良心的だった。
えらい時間がかかっていて、日が暮れてきたので様子を見たところ、コンクリートの壁面に配管の化粧カバーを止める為のアンカーを打っていた「まだかかりそうですか?」「すみません、あともうちょっと・・」それから待つこと1時間以上、やっと作業を終えて帰っていった。
数年後、このエアコンを取り外すときが来た。そこで普段見えないところが見える。打たれたアンカーを見て、丁寧な仕事に驚いた。
同じ量販店経由で頼んだ屋外テレビアンテナの取付け工事はいまひとつだった。
私が多素子アンテナを選んでこれをつけて欲しいと頼んでも、面倒くさいのか「ここでは必要ない」と言って付けてもらえなかった(結局、利得が足らなくてノイズに悩まされる結果に)。
手抜き工事を回避するには
エアコンの取り付け品質は、業者(正確には工事する人)によって大きく異なる。手抜きをする人は、態度でわかることが多い。今までの経験でいくと、打ち合わせや下見の約束時間を守らない(遅れる場合、連絡を入れない)、施工主の意向を勝手に曲げる(楽をしようとする)、要望をいうと、めんどくさそうな態度をとる、などだ。
こういう態度の人にそのまま仕事をやらせても、いい結果にはならない。仕事の依頼をやめて、帰ってもらうことも必要だ(販売店経由の場合は、別の業者を紹介してほしい、と言えばいい)。
お金は施工後、自分でチェックしてから払う。販売店で先に払ってしまわないよう注意したい。
私はこの事件以来、エアコンは通販で購入し、取り付けは信頼のおける業者を見つけて、そこに直接発注する形にしている。
大抵の量販店では、エアコンが売れたら施工業者に丸投げしておしまい。手抜きされない、信頼のおける施工業者を探すにはどうしたらよいか。最近は口コミもあるが、あまり信用できない[1]。そこで例えば、こういう質問をしてみるといい。
「工事の結果について、アンケート調査をしてますか?」
この質問にYesと答える販売店なら安心。信頼の向上、施工品質の向上に努める販売店は、顧客からのフィードバックを集めている。
<参考購入先>
エアコン 通販で買って、業者に直接依頼する。これが一番確実です
ドレンキャップ 意外に知られていない、防虫アイテムです
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<関連サイト>
㈱シンワサービス http://www.sinwa.org/
上記のエアコンを取り付けた問題の業者。ただもう昔のこと。担当者だけの問題であった可能性もある。お住いの地域で良い工事をしてくれる業者は、自分で見つけるしかありません。