透明な皮膜で錆止めをする~新発見!透明錆止め塗料 コーティング剤

 防錆塗料のほとんどは不透明なので、塗ると下地が隠れてしまう。クロームメッキやアルミの光沢は綺麗だが、放っておくと次第に錆びてしまう。これをなんとか、綺麗なまま維持できないか。「透明な」錆止め塗料があれば、それが実現できる。

 そんな塗料を探し求め、いくつかの候補を集めて検証実験をしてみた。そこで意外なものを見つけたのでご紹介する。

 

透明錆止め塗料の候補

 今回集めた候補は次の通り。

ラストボンドSG(2液性無溶剤型エポキシ樹脂 エヌシー商会 6,000円/kg)
シラグシタール(常温ガラスコーティング剤 テクノトレード  23,000円/kg)
メルドス(自然塗料 リボス 4,800円/L)
ワセリン
ローバルα(亜鉛メッキ塗料 3,000円/kg)

 ラストボンドSGはエポキシ系の防錆専用塗料という。リボスの自然塗料やガラスコートは元々防錆用途ではないが、過去の経験から効果が期待できるので候補にした。

 比較のため、ワセリンとローバルのジンクリッチ塗料(薄塗り)を入れた。

 

防錆効果の検証実験

 実験方法はよく磨いた鉄板にサンプル塗料を塗布して、よく乾燥後、雨滴の当たる屋外に暴露しておく。
 写真のテストピースに塗布したサンプルは左から

 LBうすめ:ラストボンドSG(溶剤で希釈して薄塗)
 LB:ラストボンドSG(原液厚塗)
 GS:シラグシタール
 MH:メルドス)
 ワセリン
 ローバルα

である。2012年7月末に暴露を開始した。

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実験結果

 実験結果をまとめたものを次に示す。

表1.実験結果

塗料 2週間後 1ヵ月後 3ヵ月後
ラストボンドSG(薄塗) ×
ラストボンドSG(厚塗) ×
常温ガラス塗料
自然塗料
ワセリン ×
ジンクリッチ塗料

 

 自然塗料は酸素と反応して固まるので錆び止めに有利。硬化後はロウに似た被膜を作って水を遮断する。その防錆効果はローバルなどのジンクリッチ塗料に匹敵するようだ。ただし、茶褐色に変色し、皮膜が柔らかい欠点がある。

 常温ガラスコートはいろんなものに塗布して汚染防止に使える塗料だが、今回防錆にも優れた効果を発揮することを確認できた。

 ワセリンは水分をシャットアウトする効果により錆びを防止する。一時防錆用途に使えるようである。

 ラストボンドは期待はずれ。一部でも錆びるとそこから下地に潜り込む形で錆が広がっていった。

 

結論~使える防錆塗料はこれだ!

 

1位:自然塗料 (アルドボスエシャクラフトオイルなど 5,800円/L )

 実験ではメルドスを使ったが、アルドボス、エシャ・クラフトオイルの方が変色が少なくて使いやすい。効果は同じ。

 色付きの自然塗料は屋外のゴム、プラスチック部分(クルマなど)の劣化防止に使える[1]こちらを参照してほしい。

主な用途

・木材表面の改質保護。との粉を併用すると水の染みない理想的な皮膜が作れる[2]
・金属の防錆保護。クロムメッキや金属表面に塗布することで優れた防錆効果を発揮する。

 

2位:シラグシタール(常温無機ガラス塗料  23,000円/kg)

 常温でガラスのように堅牢な皮膜を作る商品。類似品が多いがこれが本物。基本的にありとあらゆる部分に使える。高価なのが難点。

主な用途

・木材表面の改質保護。アルドボスなどの透明自然塗料とほぼ同じように使える。
・水垢や石鹸カスで汚れやすい浴室内装、石材、タイル目地の汚染保護。
・金属の防錆保護。クロムメッキや金属表面に塗布することで優れた防錆効果を発揮する。
 クルマのコーティングに使うことでプロと同じかそれ以上のコーティング皮膜の形成が可能。
・壁クロス(紙)の水滴付着による変色防止。

 

 防錆効果で見るとシラグシタールがベストだが、高すぎて使えない。実用的には自然塗料をメインに使っていくのが良いだろう。以下に具体的な施工方法をご紹介する。

 

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施工方法

 スポンジなどに染み込ませて塗るだけ。金属面に対しては3割くらい灯油(ペイント薄め液)で薄めて塗り、15分くらい後ふき取る。

 ペイント薄め液で希釈してスプレー塗装もできる。道具はハケよりスポンジの小片+ゴム手袋が使いやすい。

 2時間くらいで硬化が始まり、24hrで利用可能になる。

 金属面に厚塗りすると塗膜の変色が目立って汚く見えるので注意。

 

水周り

DSC00546 水のかかる木部は「との粉」で目止めしてから塗る。

 これにより、ほぼ完全な防水皮膜を作れる[2]

 

 

余った塗料の保管

 自然塗料は空気中の成分と反応して変質したり硬化が進むので、空気が最小になるよう、小瓶に小分け充填して保存する。

DSC03411 容器は塗料保存用に作られたMrスペアボトルが使いやすい。いろんなサイズのものを揃えておくと便利。80ml以上はペットボトルが便利に使える。

 

 

 

実例

cort2 キッチンカウンター。との粉で目止めしてから自然塗料仕上げ。水濡れに強い皮膜ができる。

 

cort3 自転車のアルミ、鉄部に自然塗料を塗布。外観がほとんど変えずに錆を防げる。但し傷が付けばそこが錆びてしまう。

 屋外は亜鉛メッキ塗料の方が長持ちする[3]

 

 2008年に導入したルミナスのスチールラック。自然塗料で防錆して10年になる。錆びやすい商品だが、当初の光沢を維持している。

 

 

 

<参考購入先>
アルドボス
エシャ クラフトオイル シリコン配合して改良されており自然塗料の中で最も水に強い。当方は現在これをメインに使用。

<関連記事>
1.自然塗料によるカーコート
2.オイルフィニッシュで食洗機に耐える皮膜を作る
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