私は家族でよく旅行に行くが、旅先の旅館で出す料理は作り置きが多い。酷いところは作り置きをザッと並べてオシマイ。ファミレスでも外食店でも作り置きした料理を出してくるところはほとんどない。これをやったら客は来ない。それなのになぜ、旅館は作り置きするのか。
「作り置き」とは何か
作り置きとは、作ったものをすぐに出さないのを前提に、まとめて作っておくことをいう。宿泊客ごとにいちいち作って出すより、作り置き作りしたものを出す方が効率が良く、経費節減になる。激しい競争で少しでも経費を節減したい旅館にとって、作り置きは欠かせない手段に違いない。
「作り置き」は「作りたて」に対し味や風味が確実に落ちる。私の経験では、次の時間を超えたら作り置きしたのと同じだ。
天ぷら 4分
煮物、汁物 7分
寿司※ 10分
野菜、肉、刺身 30分
ごはん 90分(保温)
漬物 12時間
※寿司は時間とともに味が落ちる。スシローの廃棄基準350mを時間に換算すると2時間以上。レーンに流れているものを拾うよりオーダーした方が美味しいのは、時間が味に影響するため。
目の前で固形アルコールに火を付ける焼き物がある。この料理の場合は、切った具材を皿に乗せた状態で作り置きされる。肉は干乾び野菜は切り口から乾燥している。そんなものを焼いても美味しいはずがない。
作り置きする旅館でも天ぷらだけは後から出してくるところはまだマシ。天ぷらまで作り置きして出してくるところは、二度と御免だ。
作り置きしない旅館の例
作り置きしない旅館では最初に並ぶものが少なく、あとから頻繁に料理が運ばれてくる特徴がある。
今年9月のシルバーウィークは京都の小さな旅館に泊まった。外見的にはこれといって特徴のない小さな旅館で、素晴らしい景色や温泉があるわけでもない。宿泊代もごく普通。何気なく予約した旅館だが、出てくる料理には驚いた。作りに手が込んいて繊細なのだ。
左は夕食の最後に出てきたデザート。オレンジまるごと1個使ったそれから作り手の感性を感じる。
聞くと、ここは料理長のこだわりで作り置きはしない方針という。これを聞いて、美味しい料理を出す所にはそれなりの理由があるんだな、と思った。
おまけ~京都の観光
お寺巡りもしたので紹介。
まずは清水寺。階段の文化財保全対策の様子。ステンレスのアンカーとアングルを使用。これなら当分大丈夫。
2枚目は舞台下構造。巨木をふんだんに使った格子構造は圧巻。これはスゴい。思わずため息が出てしまう。将来の改修に備えて植林から始めているとか。これほどの木造建築物は、もう二度と作れないかもしれません。
金閣寺。庭園の手すりや壁には天然の竹を使用するこだわりよう。竹は屋外で数年しかもたないので、維持が大変だろうな・・植木を手入れする職人さんの話によると、2,3年くらいで作り替えているという。
2枚目は黄金色に輝く舎利殿の基礎部分。舎利殿は礎石の上にポン置き。地震でズレたら持ち上げて置き直すのでしょうか。
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