失敗しないマウスの選び方~ラバーコートのべたつきを直す

 マウスを頻繁に買い替える人が多い。私もその一人だった。それほどこの市場にはロクな商品がない。

 奇妙な奇形マウスや、ボタンが無駄に多い商品ばかり。仕方なく買ってみると、半年~1年くらいで調子悪くなり、新しいマウスに買い替え[1]。だいたいそんなパターンが多いと思う。

 多くの人が欲しいマウスは、長く使えるごく普通の商品だと思うが、それがなかなか無い。

 私は過去、ゲーミング用マウスでそれを見つけた。logicool MX518。手になじんだこのインターフェースは空気や水のような存在になっている。ところがMX518の発売は2008年。とうの昔に廃番になっていている。

 

 

マウスを選ぶときのポイント

 

 マウスを選ぶときのポイントは次の通り。

表1 マウスを選ぶときのポイント

項目 内容 備考
フィット 大きすぎず、手のひらに収まること
操作力 軽め
操作音 無音~小
機能 シンプルなもの
性能 表面の反射率や模様によって誤動作しにくいもの
メンテナンス 分解容易なこと
パソコン本体と同一色

 

フィット

 小さい分には問題ないが、大きすぎると使いずらい。マイクロソフトの大型マウスは、アメリカ人の手のひらに合わせて設計されたものとみられる。

 

操作力

 クリックの操作力は軽めがよい。強いと肩こりの原因になる。これは乾電池を使って店頭で簡単にチェックできる。

 具体的には単二電池1個と、単三電池2個をセロテープでまとめたものを用意する。単二電池をスイッチの上にそっと乗せてもスイッチが入らないものはNG(重すぎ)、単三電池×2でもスイッチが入るものは軽めの判定になる

 

すべり

 裏側にはがれにくい形で樹脂パッドが貼ってあり、適度な摩擦があるものがよい。すべりが悪いものはダメだが、良すぎてもポジションが決まりにくくなり使いずらい。ある程度の「摩擦」は必要なもの。

 

機能

 ボタン数は少なく、シンプルなものがよい。ボタンが多いことが、必ずしも使い勝手に結びつくとは限らない。ボタンを増やした結果、操作感を損った商品を多くみかける。

 ワイヤレスが手ごろになってきたが、二次電池の寿命がマウスの寿命になる。

 

性能

 分解能や読取精度などをうたう商品が多いが、実用上問題になる商品はない。それよりも、表面の反射率や模様によって誤動作しにくいといった、トラッキング能力のほうが重要。

 感度が良すぎるもの(レーザマウス)などは周囲の光源がノイズになり、パソコン側の省電力モードが復帰してしまうことがあるようだ。

 

 

メンテナンスできないマウスは消耗品

 マウスは使ううち埃やゴミが溜まって操作感が落ちるもの。そのため定期的な分解清掃&注油などのメンテナンスが欠かせない(キーボードでも同じ)。分解できないものは調子が悪くなったらそれで終わり、使い捨てになってしまう。

 高額な商品を買ってもメンテできなければ使い捨て消耗品と変わらない。メンテできればスイッチが壊れない限り使い続けることができる。

 

 

メンテナンスの実例

 

1.分解・清掃・注油

 

 写真はマイクロソフト オプチカルマウス 。昔は定評のあったマイクロソフトのマウスだが、今はエレコムやサンワサプライらが作るオモチャと似たような品質になってしまった。

 

 メンテナンスはホイールの軸に巻付いた髪の毛やほこりを取り除き、イソプロピルアルコールなどで手垢を除去、最後に潤滑油を塗るだけ。分解できれば簡単。

 潤滑油は樹脂に使えるRational003を使用。半練りなので流失しない。ホイールが滑らかに回り、新品より操作感が向上することもある。

 

 MX518を分解するためのネジはマウスソールの裏側。無事に剥がすのは難しいので、ネジの位置を確認し(押すと凹むのでわかる)カッターで十字に切込を入れてドライバーを差し込んだ方が良い。

 ソールがダメになった場合は補修部品で補修する。

 

 メンテ中のMX518。全部の部品をバラバラにできるので完全清掃ができる。

 

 写真はlogicool G Pro とG403の裏側。G Proはシールと上のソール裏にねじがある。G403はすべてのねじがソール裏に隠れている。
 できるだけソールを剥がさないで分解できるものがメンテしやすい。マウスを選ぶときはねじがどこにあるか、よく観察することが大切。

 

注意:マウスを分解すると保証がなくなります。保証が切れた後、自己責任で実施してください。

 

 

2.ラバーコートのべたつきを直す

 ラバーコートされたマウスは次第に劣化してベタつくことが多い。直し方は、擦り取ってしまうか、自然塗料で塗り固めてしまうかのいずれか。

 今回は、自然塗料(リボス社カルデット黒)を使用。透明がいい場合はエシャクラフトオイルがある(ツヤ消しにする場合はとの粉を混ぜる。詳細は後のリンクを参照)。

 

 MX518はラバーコートされていてベタベタになっていたので、カルデット黒で塗装して修復。

 半つやの仕上がりで、いい感じにロゴの塗料がはがれていて年季の入った風格を感じる。

 ゴムの可塑剤が残っていると塗料が固まらない場合がある。拭き取りと塗りをを繰り返すことで次第に固まるが、ちょっと面倒。

 

 

 劣化したラバーコートの除去はなかなか大変。ネット上には重曹で落とせるという記事があるが、濃度が不明。私なら5%炭酸ソーダを使う。機会があれば検証してみたい。

 

 

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お勧めのマウス

 「買ってしまったのだから」そういって使いにくい商品を我慢して使い続けると体の健康に影響する場合がある。そんな意味からもマウス選びは失敗できないが、ガラクタの山から使える品を探し出すのは大変。そこで、いくつか候補をご紹介したい。

 

一般(文書作成・Web閲覧)用

 現在、一般用として広くお勧めできる商品に logicool M325シリーズがある。

 logicool M325。シンプルなインターフェースで使いやすい。スイッチ類に違和感がなく、慣性でホイールが回るので一度にたくさんスクロールできる。

 logicoolは比較的良質な商品を作るが、すべてがそうではない。上位機種もあるが、高いものが良いとは限らないので注意。

 

 

ノート用の小型マウス

 レノボの有線マウスがお勧め。昔から高く評価されているロングラン商品で、私はこれをIBMの時代から2台使っている。

 

ゲーミング用

 MX518の後継を探してみた。MX518の系譜はG400,G400s,G402,G403・・と変遷している。G403の使用感はMX518に近い。一般用にも使える両用マウスとしてお勧めできる。

 写真は logicool G PRO G-PPD-001。サイドボタンとホイールが少し硬い。全長は小さいがボディにボリウムがあり、かぶせ持ちでは指の腹がホイールの頂点に届かない。

 

 逆にいえば意図しないスイッチが入りにくい。メインスイッチ以外を操作するときは「つかみ持ち」になる。これは誤爆を防ぐための仕様かもしれないが、Web閲覧は微妙に使いにくい。

 

その他:マウスパッド

 マウスの操作性を左右する重要な敷物。満足いく商品がなく、買い替えを繰り返す人もいる。中途半端なものを買うより、性能を考えて作られたゲーミング用から選んだ方が失敗のリスクが少ない。

 上の写真のマウスパッドは本革製(海老名鞄)。すべり、手触り、応答、擦れ音、見た目などすべてにおいて平均を超える。少し高いが、本物なので使い捨てにならない。見た目と質感を重視するに人にお勧めしたい。

 

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