失敗しないマウスの選び方~ガラクタの山から良品を見つけ出すコツ

 マウスを頻繁に買い替えるハメになるのは市場にはロクな商品がないため。大抵、半年~1年くらいで調子悪くなって買い替え[1]。そんなパターンが多いと思う。多くの人が欲しいマウスは、長く使えるごく普通の商品。それが見つからない。

 

ガラクタだらけのマウス市場

 マウス売り場に行くと、S社とE社の陳列スペースが最も大きい。そこには沢山の商品があるが、すぐ買い替えになってしまう原因の一つに、これらの陳列の中から商品を選んでしまうことがある。

 実際買ってみると、最初からいろんな問題を感じる。私は次のような経験をした。

 

ボタンのレイアウトが悪い

 握るとあるべき場所にボタンがない。ホイールが指の1cmくらい下にあり、指を折り曲げないとホイールを操作できない。

操作感が悪い

 ホイールを操作するとビビリ音が出る。回転に強い摩擦を感じる。クリックが硬くて肩がこる。カチカチうるさい。

滑りが悪い

 滑りはじめの摩擦が大きくて、動かそうとすると力が要り、動き始めると移動しすぎてしまう。このために狙ったポイントにマウスカーソルを合わせにくい。

 

 このようなマウスを長く使うことはできない。早ければ1週間、長くても1カ月で我慢の限界が来て、買い替えになる。

 S社とE社のマウスにこのような問題が多いのは、おそらく長く使うことを念頭に置いた設計をしていないため。これらのメーカーにとって、マウスは使い捨て消耗品。早く買い替えさせることで、売り上げを伸ばすビジネスモデルに見える。こういうメーカーの商品に手を出してはいけないと考えている。

 

 

マウスを選ぶときのポイント

 

 これまでの経験から導き出した、マウスを選びのポイントを次にご紹介する。

表1 マウスを選ぶときのポイント

項目 内容 備考
フィット 大きすぎず、手のひらに収まること
操作力 軽め(テスト方法あり、後述)
操作音 無音~小
機能 シンプルなもの
性能 表面の反射率や模様によって誤動作しにくいもの
メンテナンス 分解容易なこと
パソコン本体と同一色

 

フィット

 小さい分には問題ないが、大きすぎると使いずらい。マイクロソフトの大型マウスは、アメリカ人の手のひらに合わせて設計されたものとみられる。

 

操作力

 クリックの操作力は軽めがよい。強いと肩こりの原因になる。これは乾電池を使って店頭で簡単にチェックできる。

 具体的には単二電池1個と、単三電池2個をセロテープでまとめたものを用意する。単二電池をスイッチの上にそっと乗せてもスイッチが入らないものはNG(重すぎ)、単三電池×2でもスイッチが入るものは軽めの判定になる

 

すべり

 裏側にはがれにくい形で樹脂パッドが貼ってあり、適度な摩擦があるものがよい。すべりが悪いものはダメだが、良すぎてもポジションが決まりにくくなり使いずらい。ある程度の「摩擦」は必要なもの。

 

機能

 ボタン数は少なく、シンプルなものがよい。ボタンが多いことが、必ずしも使い勝手に結びつくとは限らない。ボタンを増やした結果、操作感を損った商品を多くみかける。

 ワイヤレスが手ごろになってきたが、二次電池の寿命がマウスの寿命になる。

 

性能

 分解能や読取精度などをうたう商品が多いが、実用上問題になる商品はない。それよりも、表面の反射率や模様によって誤動作しにくいといった、トラッキング能力のほうが重要。

 感度が良すぎるもの(レーザマウス)などは周囲の光源がノイズになり、パソコン側の省電力モードが復帰してしまうことがあるようだ。

 

メンテナンス

 マウスは使ううち埃やゴミが溜まって操作感が落ちるもの。そのため定期的な分解清掃&注油などのメンテナンスが欠かせない(キーボードでも同じ)。分解できないものは調子が悪くなったらそれで終わり、使い捨てになってしまう。

 高額な商品を買ってもメンテできなければ使い捨て消耗品と変わらない。メンテできればスイッチが壊れない限り使い続けることができる。

 

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メンテナンスの実例

 

1.分解・清掃・注油

マイクロソフト オプチカルマウスを分解したところ 写真はマイクロソフト オプチカルマウス 。昔は定評のあったマイクロソフトのマウスだが、今はエレコムやサンワサプライらが作るオモチャと似たような品質になってしまった。

 

分解したマウスのホイール部分をメンテナンスしている様子 メンテナンスはホイールの軸に巻付いた髪の毛やほこりを取り除き、イソプロピルアルコールなどで手垢を除去、最後に潤滑油を塗るだけ。分解できれば簡単。

 潤滑油は樹脂に使えるRational003を使用。半練りなので流失しない。ホイールが滑らかに回り、新品より操作感が向上することもある。

 

 

MX518を分解するためのネジの位置 写真は銘機 logicool MX518。分解するためのネジはマウスソールの裏側。無事に剥がすのは難しいので、ネジの位置を確認し(押すと凹むのでわかる)カッターで十字に切込を入れてドライバーを差し込んだ方が良い。

 ソールがダメになった場合は補修部品で補修する。

 

バラバラに分解したM518 メンテ中のMX518。全部の部品をバラバラにできるので完全清掃ができる。

 

logicool G Pro とG403の裏側 写真はlogicool G Pro とG403の裏側。G Proはシールと上のソール裏にねじがある。G403はすべてのねじがソール裏に隠れている。
 できるだけソールを剥がさないで分解できるものがメンテしやすい。マウスを選ぶときはねじがどこにあるか、よく観察することが大切。

 

注意:マウスを分解すると保証がなくなります。保証が切れた後、自己責任で実施してください。

 

 

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お勧めのマウス

 「買ってしまったのだから」そういって使いにくい商品を我慢して使い続けると体の健康に影響する場合がある。そんな意味からもマウス選びは失敗できないが、ガラクタの山から使える品を探し出すのは大変。そこで、いくつか候補をご紹介したい。

 

一般(文書作成・Web閲覧)用

 現在、一般用として広くお勧めできる商品に logicool M325、M590シリーズがある。

 logicool M325logicool M325M590 Multi-Device Silent。どちらもシンプルなインターフェースで使いやすい。M590は音が静かで操作感に優れている。これらはマウスを意識せずに使えるごく普通の商品。

 logicoolは比較的良質な商品を作るが、すべてがそうではない。上位機種もあるが、高いものが良いとは限らないので注意。

 

 

ノート用の小型マウス

 レノボの有線マウスがお勧め。昔から高く評価されているロングラン商品で、私はこれをIBMの時代から2台使っている。

 

ゲーミング用

 MX518の後継を探してみた。MX518の系譜はG400,G400s,G402,G403・・と変遷している。G403の使用感はMX518に近い。一般用にも使える両用マウスとしてお勧めできる。

logicool G PRO G-PPD-001

 写真は logicool G PRO G-PPD-001。サイドボタンとホイールが少し硬い。全長は小さいがボディにボリウムがあり、かぶせ持ちでは指の腹がホイールの頂点に届かない。

 

 逆にいえば意図しないスイッチが入りにくい。メインスイッチ以外を操作するときは「つかみ持ち」になる。これは誤爆を防ぐための仕様かもしれないが、Web閲覧は微妙に使いにくい。

 

その他:マウスパッド

 マウスの操作性を左右する重要な敷物。満足いく商品がなく、買い替えを繰り返す人もいる。中途半端なものを買うより、性能を考えて作られたゲーミング用から選んだ方が失敗のリスクが少ない。

 上の写真のマウスパッドは本革製(海老名鞄)。すべり、手触り、応答、擦れ音、見た目などすべてにおいて平均を超える。少し高いが、本物なので使い捨てにならない。見た目と質感を重視するに人にお勧めしたい。

 

<参考購入先>
logicool G403 仕事で使いやすいお勧めのマウスです

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